ブラジルの金融市場動向

2016年6月13日
ブラジルの金融市場動向 Weekly Report
【2016年6月4日~2016年6月10日の推移】
【1】為替動向
先週のブラジル・レアルは上昇しました。検察が最高裁
判所に対して上院議長を汚職と汚職捜査妨害への関与
で捜査する許可を求めたことで、すでに閣僚二人を失っ
ているテメル政権がさらなる打撃を受けるのではないかと
の懸念が高まりました。しかし、暫定政権の成立後初めて
行われた世論調査の結果からテメル大統領代行に対し
安心感が広がったことや、大手石油会社の資産売却計
画の発表が好感されたことから、相場への影響は限定的
でした。週後半は、英国のEU(欧州連合)離脱問題や世
界経済の先行きに対する懸念が広がったことで、各国の
株式市場や商品市場が下落する中、レアルも売られる展
開でした。
今週も引き続き政治動向が注目されるほか、米国の金
融政策の動向や英国のEU離脱に対する警戒などの投
資センチメントに左右される展開が想定されます。また、
日銀の政策決定会合も控えているため、円相場は神経
質な展開になると思われます。
【ブラジル・レアル 為替推移】 (2016年5月13日~2016年6月10日)
38
(円/レアル)
(レアル/米ドル)
円/レアル(左軸)
36
1.50
レアル
2.00
レアル/米ドル(右軸、上下反転)
34
31.28
2.50
32
3.00
30
3.50
28
3.42
26
高
4.00
安
4.50
24
5/13
5/20
5/27
6/3
5.00
6/10
※四捨五入の関係で数値とグラフの目盛りが一致しない場合があります。
【2】金利動向
先週のブラジル債券市場は金利が上昇しました。トンビ
ニ中央銀行総裁の任期の最後となるCopom(金融政策
委員会)では、全会一致で政策金利の据え置きが決まり
ました。インフレ上昇率が、下落傾向にあるものの依然水
準が高く、中央銀行の目標を上回っているためです。次
回の会合より、ゴールドファイン新総裁に代わります。発
表されたインフレ率も、市場予想を小幅に上回る結果と
なり、短・中期を中心に金利が上昇する展開でした。また、
世界的にリスク回避的な動きが広がり、ブラジル金利が上
昇する要因となりました。
今週は政治動向のほか、海外のイベントにも注目が集
まるとみられます。市場は暫定政権が財政赤字を改善さ
せるためにどのような政策をとるのかに注目しており、今
後の経済政策に関する思惑に左右される展開になると思
われます。また、FRB(米国連邦準備制度理事会)の金
融政策に関する思惑や投資センチメントに左右される展
開になると思われます。
【ブラジル 金利推移】
15.0
(2016年5月13日~2016年6月10日)
(%)
2年国債
14.5
14.0
13.5
13.0
12.57
12.5
12.0
5/13
5/20
5/27
6/3
6/10
【3】主要経済指標
発表日
6/8
6/9
6/14
6/15
発表頻度
期間
毎月
2016年5月
毎月
-毎月
2016年4月
毎月
2016年4月
指標名
インフレ率(前年同月比)
SELICレート
小売売上高(前年同月比)
経済活動指数(前年同月比)
データ
9.32%
14.25%
---
(参考)前回
9.28%
14.25%
-5.7%
-6.31%
(出所:ブルームバーグより大和投資信託作成)
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