ブラジルの金融市場動向 Weekly Report

2016年8月15日
ブラジルの金融市場動向 Weekly Report
【2016年8月6日~2016年8月12日の推移】
【1】先週の回顧
【ブラジル・レアル 為替推移】 (2016年7月15日~2016年8月12日)
先週のブラジル・レアルは、6月の小売売上高が市場予
想ほど落ち込まずブラジルの景気見通しが改善したこと
や、OPEC(石油輸出国機構)会合の9月開催が発表され
たことで原油価格が上昇したことを背景にいったん上昇
しましたが、週後半は中央銀行がレアル売りのオペレー
ションを行ったこともあり下落しました。一週間を通しては、
対米ドル、対円とも若干の下落となりました。
金利は年限により異なる動きとなりました。
財政収支の改善に向けて、下院が地方政府の歳出増
加率に上限を設ける法案を可決しましたが、法案の中身
が当初期待されていた内容ではなかったことが失望され、
長期金利は上昇しました。法案には、公務員給与引き上
げが2年間凍結されることが盛り込まれると市場は見込ん
でいました。一方、短期金利は、インフレ率の高止まりに
より、現在の政策金利の水準が継続するとの見方から、
ほぼ変わらずの動きとなりました。
40
(円/レアル)
(レアル/米ドル)
円/レアル(左軸)
38
レアル
2.8
3.19
レアル/米ドル(右軸、上下反転)
36
2.6
3.0
34
3.2
32
3.4
30
3.6
31.75
28
高
安
3.8
26
7/15
7/22
7/29
4.0
8/12
8/5
※四捨五入の関係で数値とグラフの目盛りが一致しない場合があります。
【2】今週の見通し
今週は、雇用者数や税収の発表が予定されています。
また、財政改善状況が注目材料となっていることから、財
政関連の指標が注目されます。なお、今年のプライマ
リー・バランス(基礎的財政収支)の目標は1,705億レアル
の赤字ですが、すでに1,690億レアルの赤字となっており、
足元の財政改善状況は厳しいものとなっています。財政
状況を改善させるための議会の審議は、8月後半にルセ
フ大統領の弾劾審議を上院で採決した後に本格化する
とみられます。
通貨に関しては、中央銀行は自国通貨高に警戒感を
示し、レアルが上昇する際には、引き続きレアル売りオペ
レーションを行うとみられます。また先週には、テメル大統
領代行も自国通貨高に懸念を表明しています。足元で
は景気見通しは改善していますが、レアル高を背景とし
た輸出の減少により景気回復が阻害されるという懸念が
高まる可能性もあり、流動的な環境が続くと予想していま
す。
【ブラジル 金利推移】
14.0
(2016年7月15日~2016年8月12日)
(%)
2年国債
13.5
13.0
12.5
12.22
12.0
11.5
11.0
7/15
7/22
7/29
8/5
8/12
【3】主要経済指標
発表日
8/9
8/10
8/12
8/15
発表頻度
毎月
毎月
毎月
毎月
期間
2016年6月
2016年7月
2016年6月
2016年7月
指標名
小売売上高(前年同月比)
インフレ率(前年同月比)
経済活動指数(前年同月比)
登録雇用創出合計
データ
-5.3%
8.74%
-3.14%
--
(参考)前回
-9.0%
8.84%
-4.92%
-91,032
(出所:ブルームバーグより大和投資信託作成)
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