ブラジルの金融市場動向

2016年5月9日
ブラジルの金融市場動向 Weekly Report
【2016年4月30日~2016年5月6日の推移】
【1】為替動向
先週のブラジル・レアルは対米ドル、対円で下落しまし
た。週次の中央銀行サーベイで、2016年のGDP(国内総
生産)成長率の予想が下方修正されたことや、中国製造
業PMI(購買担当者景気指数)が市場予想を下回ったこ
と、商品価格が下落したことがレアル下落の材料となりま
した。週後半に発表された米国雇用統計が市場予想を
下回ったことで米ドルに下落圧力がかかり、レアルは反
発しました。
今週も引き続きルセフ大統領の弾劾をめぐる動きや政
治動向が注目されるほか、中央銀行の為替介入姿勢に
も注意が必要です。レアル高が進行する際には、米ドル
買いレアル売り介入を行うものとみられます。国外の要因
としては、米国の金融政策の動向や原油をはじめとする
商品市況に注目が集まるとみられます。
【ブラジル・レアル 為替推移】 (2016年4月8日~2016年5月6日)
38
(円/レアル)
(レアル/米ドル)
円/レアル(左軸)
36
1.50
レアル
2.00
レアル/米ドル(右軸、上下反転)
34
2.50
高
30.56
32
3.00
30
3.50
28
4.00
安
3.50
26
4.50
24
5.00
4/8
4/15
4/22
4/29
5/6
※四捨五入の関係で数値とグラフの目盛りが一致しない場合があります。
【2】金利動向
先週のブラジル債券市場は金利が上昇しました。検察
が大手石油会社をめぐる汚職事件に関連してルセフ大
統領やルラ前大統領を捜査する許可を最高裁判所に申
請したことで、政権交代への期待が高まりました。一方で、
最高裁は、大統領弾劾の旗振り役をしていた下院議長の
クーニャ氏について、大手石油会社をめぐる汚職事件の
捜査を受けていることを理由に議員の資格を一時的には
く奪する決定を下しました。また、格付会社フィッチがブラ
ジルの格付けを「BB+」から「BB」へ引き下げ、見通しをネ
ガティブとしました。経済指標では、予想以上に上昇した
インフレ率が発表されており、利下げ期待がはく落しまし
た。
今週も政治動向に注目が集まるとみられます。ルセフ
大統領の弾劾に関して、5月6日(現地、以下同様)に上
院委員会で罷免意見書が賛成多数で承認され、5月11
日に上院本会議で採決される予定です。上院で可決さ
れた場合、ルセフ大統領は最大180日間の失職となり、テ
メル副大統領が暫定的に大統領に昇格します。
【ブラジル 金利推移】
15.0
(2016年4月8日~2016年5月6日)
(%)
2年国債
14.5
14.0
13.5
13.0
12.67
12.5
12.0
4/8
4/15
4/22
4/29
5/6
【3】主要経済指標
発表日
5/3
5/6
5/11
5/13
発表頻度
毎月
毎月
毎月
毎月
期間
2016年3月
2016年4月
2016年3月
2016年3月
指標名
鉱工業生産(前年同月比)
インフレ率(前年同月比)
小売売上高(前年同月比)
経済活動指数(前年同月比)
データ
-11.4%
9.28%
---
(参考)前回
-9.8%
9.39%
-4.2%
-4.54%
(出所:ブルームバーグより大和投資信託作成)
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