ブラジルの金融市場動向

2016年9月12日
ブラジルの金融市場動向 Weekly Report
【2016年9月3日~2016年9月9日の推移】
【1】先週の回顧
先週のブラジル・レアルは対円、対米ドルともに下落し
ました。債券市場は、長期の年限を中心に金利が上昇し
ました。月曜は米国、水曜はブラジルが休日でした。
週の前半は、米国のサービス関連の経済指標が弱い
内容であったことで年内の米国の利上げ観測が後退した
ことや、原油価格が堅調に推移したことが、レアルの上昇
要因となりました。
週後半になると、ECB(欧州中央銀行)が、今後追加刺
激策を講じる可能性を明確に示唆しなかったことや、FRB
(米国連邦準備制度理事会)当局者の発言が米国の早
期利上げ観測を強めたことが、レアルの下落要因となりま
した。北朝鮮の核実験をめぐる地政学リスクの高まりも下
落要因となりました。
国内の材料では、テメル新大統領の緊縮財政策が議
会の承認を得るのは容易ではないとの見方が投資家心
理を圧迫しているほか、インフレ率の高止まりが嫌気され
ました。
【2】今週の見通し
今週は経済活動指数などの発表が予定されています
が、力強い成長を期待させるような内容にはならないと見
込んでいます。中央銀行は景気を下支えするために、イ
ンフレが沈静化したのちに政策金利を引き下げることを
目指していますが、9日(現地)に発表されたインフレ率の
結果から、10月のCopom(金融政策委員会)での利下げ
は行われないとみています。
引き続き、テメル政権の財政再建を実行する意欲や能
力、財政目標に向けての議会での審議の行方が今後の
注目点です。財政再建策である歳出削減や公的年金改
革などは反対勢力が多いほか、テメル政権の汚職疑惑と
連立政権内部の不協和音から、意見の集約に時間がか
かっている模様です。10月の地方選挙前に緊縮策が発
表される予定であり、近々予定されているインフラコン
セッション(社会基盤開発の入札)の内容と政治動向に
注目が集まるとみられます。
【ブラジル・レアル 為替推移】 (2016年8月12日~2016年9月9日)
(円/レアル)
40
(レアル/米ドル)
円/レアル(左軸)
38
レアル
2.8
3.27
レアル/米ドル(右軸、上下反転)
36
2.6
3.0
34
3.2
32
3.4
30
3.6
31.38
28
高
安
3.8
26
4.0
8/12
8/19
8/26
9/2
9/9
※四捨五入の関係で数値とグラフの目盛りが一致しない場合があります。
【ブラジル 金利推移】
14.0
(2016年8月12日~2016年9月9日)
(%)
2年国債
13.5
13.0
12.5
12.17
12.0
11.5
11.0
8/12
8/19
8/26
9/2
9/9
【3】主要経済指標
発表日
9/5
9/9
9/13
9/16
発表頻度
毎月
毎月
毎月
毎月
期間
2016年8月
2016年8月
2016年7月
2016年7月
指標名
ブラジル購買担当者総合指数(PMI)
インフレ率(前年同月比)
小売売上高(前年同月比)
経済活動指数(前年同月比)
データ
44.4
8.97%
---
(参考)前回
46.4
8.74%
-5.3%
-3.14%
(出所:ブルームバーグより大和投資信託作成)
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