週間天気予報解説資料

週間天気予報解説資料
2016 年 7 月 14 日 10 時 00 分 発表
気象庁予報部
予報期間
7 月 15 日から 7 月 21 日まで
1.アンサンブル資料
●アンサンブル(ENS):東北地方から奄美地方にかけては、梅雨前線やサブハイ縁辺の暖湿気流の影響を引き続き受けやすく、曇り
や雨の日が多い。北海道地方と沖縄地方では雨の降る日は少なく、晴れまたは曇りの日が多い見込み。
●500hPa基本場(週間予報支援図):実況は、寒冷渦が大きく寄与して日本の東が谷場で、北・東日本にかけて負偏差。西日本は正・
負偏差の境界付近で、沖縄・奄美はサブハイの張り出しが強く正偏差。予報期間の北・東・西日本は、正・負偏差の境界付近。
華北が逆位相の谷場となり、西日本は西南西の流れ。沖縄・奄美は、引き続きサブハイの張り出しが強く正偏差。
●17~18日:5820m付近のトラフに対応する低気圧が、西→東日本の真上をゆっくり東進する。カムチャツカ付近~アリューシ
ャンの南に居座るブロッキング高気圧が後続の流れをブロックするため、日本付近での気圧系の移動は遅く、西・東日本を中心
に各地方とも低気圧の影響を長く受ける。北日本も西南西の流れで曇りや雨の所が多いが、低気圧から遠い北海道では17日を
中心に晴れる所もある。
●19日:北・東日本は、ゆっくり東進する低気圧の影響で18日に続いて雨の降る所が多い。西日本も西谷の正渦度移流場で雲が
広がりやすいが、西日本の経度帯ではサブハイの後退に伴って梅雨前線が南に遠ざかるため、晴れ間も期待できる。
●20日:西・東日本付近では、サブハイの北への張り出しが再び強まる。北日本も含めて西谷場で暖湿気流の影響を受けやすく、
広く雲に覆われる。その中、5820m付近のトラフが大陸東岸で深まり、西日本の経度帯では梅雨前線が再び北上・接近する。前線
上の黄海には低気圧が発生する予想で、西日本の西部では雨が降り始める。
●21日:サブハイの強まり具合や低気圧・梅雨前線の動向など、日本付近の天気を左右する要素には不確定な面が大きいが、北・
東・西日本は西南西の流れで雲に覆われ、θe850≧345Kの強い暖湿気が予想されている西日本では雨の降る所が多い見込み。
●沖縄・奄美:沖縄地方は太平洋高気圧に覆われて晴れる日が多く、奄美地方は前線や湿った空気の影響で曇りや雨の日が多い。
・ アンサンブル(ENS)/27メンバー:17日は日本付近に複数の低気圧を予測するメンバーが多数で、その予測位置は「西日本付近」
と「オホーツク海~千島の東」がそれぞれ全体の8割弱ずつ。
・ スプレッド:4日目が昨日資料より拡大したほかは、縮小した。特定高度線は、いずれも期間の中頃以降にバラつく。
・ 降水頻度分布:高降水頻度域は、北・東日本では18日に、西日本は19・20日に、それぞれ昨日資料より拡大した。
・ 予想T850時系列:全国的に平年値からの隔たりが小さい中、期間の前半は北・東日本では弱い負偏差で、西日本と沖縄・奄美で
は弱い正偏差。
2.防災事項等
・ 明日(15日)にかけて、東・北日本を中心に大気の状態が非常に不安定で、短時間強雨や落雷・突風等のおそれがある。
3.明後日予報(3時40分発表の短期予報解説資料も参照)
・ 5760m付近のトラフが日本の東を遠ざかって日本付近はリッジ場となるが、北・東日本は前半を中心に正渦度が流れ込む。
・ リッジ後面の5820m付近のトラフに対応して黄海に低気圧が発生し、西日本付近では梅雨前線が後半に北上・接近する。
・ 北・東日本は、降水の可能性は低いが雲が広がりやすい。西日本は、中層に乾燥域が広がる前半は晴れる所があるが、後半は梅雨
前線の北上に伴って西部では雨が降り出す。沖縄・奄美は、太平洋高気圧に覆われて晴れる所が多い。
4.全般週間天気予報(案)
・ 北・東・西日本と奄美地方は、前線や湿った空気の影響で曇りや雨の日が多い。北日本は、高気圧に覆われて晴れる日もある。
・ 沖縄地方は、太平洋高気圧に覆われて晴れる日が多い。
・ 最高気温・最低気温ともに、北~西日本は平年並か平年より低い日が多い。沖縄・奄美は、平年並か平年より高い。
この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの
形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。