週間天気予報解説資料 2016 年 8 月 15 日 10 時 00 分 発表 気象庁予報部 予報期間 8 月 16 日から 8 月 22 日まで 1.アンサンブル資料 ●アンサンブル(ENS):18~19日は台風第7号の影響により、北・東日本は雨で、西日本も雲が広がりやすい。その後は日本の はるか東の強い高気圧縁辺の湿った空気や気圧の谷の影響で、北~西日本はぐずついた天気が続く。 ●500hPa基本場(週間予報支援図):実況は、トラフが日本海付近にあり、台風第6号と寒冷渦に対応する負偏差域が本州付近を覆 う。サブハイ(500hPa=5880m)は日本のはるか東と華中に中心を持ち、日本付近で東西に分断。北海道と沖縄・奄美はこれらに より正偏差。予報期間は、トラフが中国東北区付近にあるが、東西のサブハイが繋がり全国的に正偏差となる。 ●18~19日:5760m付近のトラフが北日本付近を通過し別の5760m付近のトラフが沿海州に接近する。台風第7号は北日本の太平 洋側付近を北上してオホーツク海へ進む。北・東日本は、18日は台風の影響と、上層寒気(300hPa=-30℃)が東日本付近ま で南下して大気の状態が不安定となり雨の降る所が多い。19日も雨の降る所がある。西日本も湿った空気の影響で雲が広がり やすい。 ●20~22日:トラフはやや浅まりながら日本海付近へ進む。北~西日本は、日本のはるか東に中心を持つ強い高気圧縁辺の湿っ た空気により、雲が広がりやすい。また、前線位相がかかるため、北日本を中心に雨の降る所がある。 ●沖縄・奄美:高気圧の圏内で概ね晴れる。期間終わりに沖縄・奄美に影響する熱帯じょう乱を予想するメンバーは少ない。 ・ アンサンブル(ENS)/27メンバー:20日に日本海北部付近の低気圧予想するメンバーは約3~4割だが、前線位相も含めるとほ とんどのメンバーが予想している。期間後半に熱帯じょう乱を予想するメンバーは多いが、位置のバラつきが大きい。 ・ スプレッド:6、7日目が縮小した。特定高度線は、5700mのトラフが期間終わりに向け浅まりながら東進する傾向がある。東西 に分断したサブハイ(5880m)は期間後半につながる傾向がある。 ・ 降水頻度分布:高降水頻度域は、21日に北~西日本で発現した。 ・ 予想T850時系列:北~西日本は正偏差で推移。沖縄・奄美は平年値で推移。 2.防災事項等 ・ 16日にかけて、小笠原諸島は台風第7号の影響で大しけや荒れた天気のおそれがある。 ・ 東・北日本の太平洋側は、17~18日に台風第7号の影響で大しけや大荒れ、大雨となるおそれがある ・ 西日本を中心に、猛暑日となる所がある。熱中症などに注意。 3.明後日予報(3時40分発表の短期予報解説資料も参照) ・ 500hPa5700m付近のトラフが中国東北区から日本海北部へ進み、300hPaで-30℃以下の寒気が日本海へ流入する。 ・ 台風第7号が東日本・北日本の太平洋側を北上するため、東日本と北日本では雨が降り、荒れた天気となる所もある。九州を除く 西日本は概ね曇り時々晴れ。九州・南西諸島は高気圧圏内で晴れる。 4.全般週間天気予報(案) ・ 北・東日本は、台風第7号や湿った空気の影響で曇りや雨の日が多い。 ・ 西日本は、明日(16日)は高気圧に覆われて概ね晴れるが、その後は湿った空気の影響で雲が広がりやすい。 ・ 沖縄・奄美は高気圧に覆われて概ね晴れる。 ・ 最高気温・最低気温とも、全国的に平年並か平年より高い日が多く、かなり高い所もある。 この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの 形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。
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