週間天気予報解説資料 2016 年 10 月 8 日 10 時 00 分 発表 気象庁予報部 予報期間 10 月 9 日から 10 月 15 日まで 1.アンサンブル資料 ●アンサンブル(ENS):予報期間の北日本は、低気圧や寒気の影響で、日本海側を中心に雲が広がりやすく、雨の降る所がある。東・ 西日本は、低気圧が日本の南に停滞し北偏した高気圧に覆われ、日本海側を中心に概ね晴れる。 ●500hPa基本場(週間予報支援図) :実況は、サブハイ(500hPa=5880m)が日本の南岸にあり、北~西日本はほぼゾーナル。北海道 は負偏差だが、その他は正偏差。予報期間は、日本谷となり、北~東日本は負偏差で寒気が南下する。その他は正偏差が続く。 ●11~12日: 5520m付近のトラフが北日本付近を通過する。前線は日本の南に停滞し衰弱傾向、低気圧が北日本を通過する。北 日本は低気圧と寒気の影響で雲が広がりやすくなり雨の降る所がある。東・西日本は、11日は前線や湿った空気の影響と中上 層雲がかかるため、太平洋側を中心に曇るが、12日は大陸から高気圧が張り出し700hPaの乾燥域に覆われてくるため概ね晴れ る。 ●13~14日:次の5520m付近のトラフが北日本付近へ、5760m付近のトラフが東日本付近へ進む。北日本は気圧の谷と寒気の影響 で、日本海側を中心に雲が広がりやすく雨の降る所がある。東・西日本は、北高型となり700hPaの乾燥域に覆われてくるため、 日本海側を中心に概ね晴れる。 ●15日:トラフは日本の東へ進み、リッジが日本海に接近する。北~西日本は移動性高気圧に覆われて概ね晴れる。 ●沖縄・奄美:期間中頃は高気圧に覆われて概ね晴れるが、期間終わりは湿った空気の影響で雲が広がりやすい。 ・ アンサンブル(ENS)/27メンバー:11日に低気圧を日本海北部付近に予想するメンバーは約5割。日本の南の30°N帯に予想 するメンバーも約3~4割あるが、発達傾向はない。南鳥島近海のTDはほとんどのメンバーが父島の東で転向する予想。 ・ スプレッド:5~7日目が拡大。特定高度線は、5400mのトラフが12日と14日頃に北日本付近を通過する傾向は揃っている。 5700mのトラフは期間中頃に本州付近を通過する傾向がある。5880mは日本の南で30°N帯に停滞。 ・ 降水頻度分布:予報期間に日本付近へ広がる高降水頻度域はない。 ・ 予想T850時系列:北・東日本は、負偏差で経過し、北日本の偏差が顕著。西日本はほぼ平年並で、沖縄・奄美はほぼ正偏差で経 過。 2.防災事項等 ・ 9日にかけて、北日本は発達する低気圧の動向によっては大荒れとなるおそれがある。また、低気圧や前線の影響で全国的に大 雨となるおそれがある。 ・ また期間中頃も北日本で荒れた天気となる可能性がある。 3.明後日予報(3時40分発表の短期予報解説資料も参照) ・ 中国東北区の高気圧が日本海に進み、前線が日本の南海上から南西諸島にのびる。北日本から西日本にかけての日本海側では、下 層寒気の影響を受ける。 ・ 北日本日本海側は、下層寒気により曇りで、雨の降る所がある。 ・ 北日本太平洋側や東日本・西日本は概ね晴れるが、下層寒気の影響で、日本海側を中心に雲の多いところがある。 ・ 南西諸島は前線の影響で曇りや雨の見込み。 4.全般週間天気予報(案) ・ 北・東日本は、低気圧や前線、寒気の影響で曇りや雨の日が多い。 ・ 西日本は、期間のはじめは低気圧や前線の影響で雨が降るが、その後は高気圧に覆われて概ね晴れる。 ・ 沖縄・奄美は、前線や湿った空気の影響で曇りや雨の日が多いが、期間の中頃は高気圧に覆われて晴れる。 ・ 最高気温・最低気温ともに、北日本から西日本は平年並か平年より低く、かなり低くなる所もある。沖縄・奄美は平年並か平年 より高い。 この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの 形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。
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