週間天気予報解説資料 2016 年 4 月 2 日 10 時 00 分 発表 気象庁予報部 予報期間 4 月 3 日から 4 月 9 日まで 1.アンサンブル資料 ●アンサンブル(ENS):アムール川中流付近の寒冷渦がオホーツク海に進み、寒冷渦を回るトラフが次々と日本付近に進む。3日か ら4日にかけてと6日から7日にかけて日本付近を低気圧が通過し、広い範囲で雨となる見込み。北日本の天気は数日の周期で 変わる。東・西日本は低気圧や前線の影響で曇りや雨の日が多い。沖縄・奄美は期間のはじめと終わりは湿った気流の影響で曇 りや雨となる見込み。 ●500hPa基本場(週間予報支援図):実況はオホーツク海付近がリッジ、バイカル湖の東がトラフ。日本付近は広く正偏差に覆われ る。予報期間はオホーツク海付近が低圧部となり、日本付近はゾーナルな流れとなる。日本付近は引き続き正偏差に覆われるが北 海道付近は負偏差との境界となる。 ●5~6日:5400m付近のトラフが6日にかけて北日本を通過する。5640m付近のトラフは6日には東海上に抜け、中国東北区のリッ ジが沿海州まで進む。北海道地方では5日から6日にかけて気圧の谷の影響で雲が多く、雨の降る所もある見込み。東北地方か ら西日本にかけては、5日ははじめトラフの影響で雲が広がるが、西から高気圧に覆われて次第に晴れる所が多くなる見込み。 また、東日本太平洋側は下層シアーの影響で雲が取れないところがある。6日は、大陸から前線が東にのびてきて西日本にかか る見込みで、西日本では雨が降る見込み。東北・東日本は高気圧に覆われて晴れる所もあるが、太平洋側は前線の影響で雲が広 がりやすい。 ●7日:リッジは千島付近に進む。5640m線に沿った正渦帯が西・東日本にかかる。西・東日本付近に停滞する前線上を低気圧が東 進する。アムール川下流付近に寒冷渦が南下し、低気圧が発生する見込み。中心からのびる前線が北日本に近づく。北日本では 高気圧に覆われて晴れる所もあるが、東北南部から西日本にかけて雨が降る。 ●8~9日:寒冷渦はオホーツク海付近をゆっくり東進、日本付近は谷場となる。8日は北日本を前線が通過する。一方、東・西日 本太平洋側には前線が停滞する。日本海は相対的に気圧の高い場となる。8日は全国的に雲が多く北日本では雨の降る所もある。 9日は北日本や東日本日本海側では晴れる所もあるが前線の影響を受ける西・東日本の太平洋側を中心に雲が多い。 ●沖縄・奄美:期間のはじめと終わりは気圧の谷や湿った気流の影響で雨の降る日がある他は、高気圧に覆われて概ね晴れる。 ・ アンサンブル(ENS)/27メンバー:7日の低気圧について、関東付近から東の海上に予想するメンバーが約3分の一、三陸沖に予 想するメンバーも約3分の一ある。日本海に予想するメンバーは2割弱ある。 ・ スプレッド:昨日資料と比べて、3日目までは縮小、4日目以降は拡大した。特定高度線は、期間の後半、5400m線のバラつきが 大きくなっている。 ・ 降水頻度分布:高降水頻度域は、6日の西日本で拡大、8日の北日本で縮小した。 ・ 予想T850時系列:全国的に正偏差が続く。 2.防災事項等 ・ 3~4日は、低気圧や前線の影響で北日本を中心に荒れた天気となるおそれ。 ・ 6~7日は、低気圧や前線に向かって強い暖湿気が流れ込み、西日本では大雨のおそれ。今後の資料に留意。 ・ 気温が平年より高いため、積雪の多い所ではなだれのおそれ。 3.明後日予報(3時40分発表の短期予報解説資料も参照) ・ 寒冷渦がシベリアからオホーツク海に停滞し、その直下の地上低気圧からのびる前線が、4日前半に北日本を通過する。また500h Pa5640m付近のトラフに対応した前線を伴う低気圧が、東シナ海から東・西日本を通過し、夜には日本の東へと抜ける。このた め、北~西日本の広い範囲で雨となる見込み。北海道オホーツク海側と北海道日本海側の一部では曇りで経過する所もある見込 み。 4.全般週間天気予報(案) ・ ・ ・ ・ 北日本は数日の周期で天気が変わる。高気圧に覆われて晴れる日もあるが、気圧の谷の影響で雨の降る日がある。 東日本と西日本は、低気圧や前線の影響で曇りや雨の日が多い。 沖縄・奄美は、期間のはじめと終わりは気圧の谷や湿った気流の影響で曇りや雨。中頃は高気圧に覆われて晴れる。 最高気温・最低気温とも、全国的に平年並か平年より高く、北~西日本では平年よりかなり高い日もある。 この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの 形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。
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