週間天気予報解説資料

週間天気予報解説資料
2015 年 12 月 28 日 10 時 00 分 発表
気象庁予報部
予報期間
12 月 29 日から 1 月 4 日まで
1.アンサンブル資料
●アンサンブル(ENS):29日、31~1日、3日とトラフが数日の周期で日本付近を通過する。トラフの通過後は冬型の気圧配置
となるが、一時的で長続きしない見込み。気圧の谷の通過に伴い天気の崩れる所もあり、日本海側の地方では曇りや雪または雨の
日が多い。太平洋側の地方は、高気圧に覆われて晴れる日もあるが、気圧の谷の通過時や通過後の寒気の影響を受けて雲の広がる
日がある。沖縄・奄美は、気圧の谷や前線の影響で曇りや雨の日が多い。
●500hPa基本場(週間予報支援図):実況の日本付近は、寒冷渦がオホーツク海にあるが、サブハイが強い状態が続き、北日本は負
偏差だが、東日本~沖縄・奄美は正偏差。予報期間は、寒冷渦はカムチャッカ付近へ進み、日本付近は高度がやや上昇する。この
ため北日本を含めて全国的に正偏差となる。
●31日~1月1日:5280mや5460m付近のトラフが31日は日本付近に進み、1日は東へ抜けて、西北西の流れとなる。地上では3
1日は、日本海を気圧の谷が東進し、関東の南には下層シアが残る。1日は冬型の気圧配置となるが、高気圧が黄海から朝鮮半
島付近へ移動し、西・東日本付近では次第に緩む。 31日は、全般に雲が広がりやすく、日本海側の地方では雪または雨の降る
所が多い。トラフの抜けた西日本太平洋側でも寒気の影響で雲の広がる所がある。1日は、北・東日本の日本海側では雪または
雨の降る所が多い。西日本の日本海側でも雲が広がりやすい。太平洋側の地方は概ね晴れる。
●2~3日:2日の前半にリッジ位相が通過し、5400m付近のトラフが中国東北区から北日本を通過する。また、5760m付近のトラフ
が華中から本州の南へ進む。地上では2日は、高気圧は日本の東へ移動し、サハリン~日本海や、九州~東シナ海付近が気圧の
谷となる。3日はその気圧の谷が日本付近を通過して冬型の気圧配置となる。2日は、次第に雲が広がりやすくなり、北日本や
東日本日本海側や九州では、雨または雪の降る所がある。東・北日本の太平洋側では晴れる所もある。3日は、西~北日本の日
本海側の地方では曇りで雪または雨の降る所が多くなる。西・東日本の太平洋側沿岸では雲が広がりやすく雨の降る所がある。
また、トラフの抜けた西日本でも寒気の影響で雲が取れにくい見込み。
●4日:日本付近は、ほぼゾーナルな流れで、北日本では正渦度移流が続く。冬型の気圧配置が続くが西日本から次第に緩む傾向。
北日本や西・東日本の日本海側は曇りや雪または雨。西・東日本の太平洋側は概ね晴れる。
●沖縄・奄美:気圧の谷や前線の影響で、曇りや雨の日が多い。
・ アンサンブル(ENS)/27メンバー:2日に日本海に低気圧を予想するメンバーは約5割、サハリン付近は約2割ある。いずれも発
達を予想するメンバーはない。3日に発達する低気圧を予想するメンバーは約8割あるが、その位置はオホーツク海南部~千島
近海~千島の東と、バラつきが大きい。
・ スプレッド:昨日資料と比べて、5日目は拡大したが、他は同じか縮小した。特定高度線は、期間の後半は各線ともに、バラつ
きがある。
・ 降水頻度分布:昨日資料と比べて、高降水頻度域は、31日は沖縄・奄美~西日本の南で縮小、3日は西・東日本で縮小した
・ 予想T850時系列:北・東日本は、短い周期で負偏差や平年並と正偏差を繰り返す。西日本は、期間の前半はほぼ平年並だが、後
半は正偏差に転じる。沖縄・奄美は、明日は平年並だが、その後は正偏差となる。
2.防災事項等
・ 明日は、北日本では冬型の気圧配置が強まり、荒れた天気となるおそれがある。
3.明後日予報(3時40分発表の短期予報解説資料も参照)
・ 500hPa5400m付近の強風軸が北日本に持続するが、西北西から西南西の流れに変わる。西日本・東日本や南西諸島に関係する5580
mや5760mのトラフは大陸から黄海や東シナ海に進み、これらに先行する短波トラフの正渦が影響する。
・ トラフ前面で顕在化する低気圧は、黄海から朝鮮半島に予想されるが、このほか、日本海沿岸を東進する弱いじょう乱が予想され
るが強風軸の南下により不明瞭化。代わって、リッジに対応した高気圧の西側の伊豆諸島や西日本の南海上に降水を伴う気圧の
谷が850hPa3℃線の北上に対応して顕在化する。
・ 北日本は日本海側を中心に寒気移流やトラフ前面の雲が広がりやすい。西日本や東日本では、前半高気圧に覆われて晴れる所が多
く、内陸を中心に朝は気温がよく下がる。後半は、日本海や太平洋沿岸を中心に弱いじょう乱や気圧の谷の影響で雲が広がりや
すく、雨の降る所がある。
・ 南西諸島では、トラフ前面で降水を伴う雲域が西から拡大する。
4.全般週間天気予報(案)
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北~西日本の日本海側は、気圧の谷や寒気の影響で曇りや雪または雨の日が多い。
北~西日本の太平洋側は、高気圧に覆われて晴れる日もあるが、気圧の谷や湿った気流の影響で雲が広がりやすい。
沖縄・奄美は、気圧の谷や前線の影響で曇りや雨の日が多い。
最高気温・最低気温とも、北~西日本は平年並か平年より高いが、期間のはじめは平年より低い所がある。沖縄・奄美は、平年
並か平年より高い。
この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの
形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。