週間天気予報解説資料

週間天気予報解説資料
2016 年 7 月 17 日 10 時 00 分 発表
気象庁予報部
予報期間
7 月 18 日から 7 月 24 日まで
1.アンサンブル資料
●アンサンブル(ENS):西日本は、期間の前半を中心にサブハイの張り出しが強まって晴天の続く所がある。北・東日本は寒気を伴
った気圧の谷や湿った気流の影響を受けやすく、太平洋側を中心に曇りや雨の日が多い。沖縄・奄美は、太平洋高気圧に覆われ
て晴れる日が続く。
●500hPa基本場(週間予報支援図):実況の北・東日本は、華北から東西に伸びる帯状の負偏差域。沖縄・奄美はサブハイの張り出
しが強く正偏差で、西日本は正・負偏差の境界付近。予報期間の北・東・西日本は、高度が上昇して広く正偏差。沖縄・奄美は、
引き続きサブハイの張り出しが強く正偏差。日本付近は南北の高度差が小さく、緩やかな流れ。
●20~21日:北日本は、寒気を伴ったトラフが東へ抜けて北西場。西・東日本付近では、サブハイの張り出しが強まる。これら
により、北・東・西日本は中層に乾燥域が予想されている近畿・北陸等を中心に晴れる所が多いが、オホーツク海高気圧の影響
を受ける北・東日本太平洋側は雲に覆われる所が多く、雨の降る所もある見込み。
●22日:北日本は北西場が続いて日本海側では概ね晴れるが、太平洋側はオホーツク海高気圧から吹き込む冷湿気流の影響で曇り、
気温の上昇が抑えられる。また、西・東日本はサブハイの張り出しがやや弱まって中層の乾燥域が見られなくなり、サブハイ縁
辺の湿った空気の影響で雲が広がりやすい。ただし、雨の降る範囲は限定的。
●23~24日:サブハイの強まり具合や朝鮮半島へ進んだトラフの動向など、日本付近の天気を左右する要素には不確定な面が大
きいが、北・東・西日本の広い範囲で天気が大きく崩れる可能性は小さい。サブハイ縁辺の暖湿気流やオホーツク海高気圧から
吹き込む冷湿気流の影響で雲に覆われる所があるが、卓越降水の範囲は限定的で、晴れる所もある見込み。
●沖縄・奄美:太平洋高気圧に覆われて晴れる日が続く。
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アンサンブル(ENS)/27メンバー:期間後半の日本付近に明瞭な低気圧を予測するメンバーは、ほとんどない。
スプレッド:7日目が昨日資料より拡大したほかは、縮小した。特定高度線は、いずれも期間の後半にバラつく。
降水頻度分布:昨日資料と同様、日本付近に高降水頻度域は見られない。
予想T850時系列:東日本は負偏差で推移し、北・西日本と沖縄・奄美は平年値近傍で推移する。
2.防災事項等
・ 明後日(19日)にかけて、東・北日本を中心に大気の状態が非常に不安定で、短時間強雨や落雷・突風等のおそれがある。
・ 西・東日本では、猛暑日近くまで気温の上昇する日がある。沖縄・奄美や北日本も含めて、全国的に熱中症などに注意。
3.明後日予報(3時40分発表の短期予報解説資料も参照)
・ 5760m付近のトラフが北日本を通過した後、リッジが日本海西部に進む。西日本はサブハイの圏内に入り、梅雨前線は不明瞭にな
る。
・ 北日本は、下層の湿りやトラフの影響で北海道を中心に雨が降る。西・東日本のうち、四国・中国・近畿・北陸・東海は中層に乾
燥域が予想されていて概ね晴れる。九州南部・九州北部・関東は下層の湿りが取れにくく、気温の上昇する午後を中心ににわか
雨の降る所がある見込み。
4.全般週間天気予報(案)
・ 北日本と東日本は、気圧の谷や湿った空気の影響で曇りや雨の日が多いが、高気圧に覆われて晴れる日もある。
・ 西日本は、高気圧に覆われて晴れる日が多いが、湿った空気の影響で曇りや雨の日もある。
・ 沖縄・奄美は、太平洋高気圧に覆われて晴れる。
・ 最高気温・最低気温ともに、北~西日本は平年並か平年より低いが、期間の前半を中心に平年より高い所もある。沖縄・奄美は、
平年並か平年より高い。
この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの
形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。