週間天気予報解説資料 2016 年 7 月 15 日 10 時 00 分 発表 気象庁予報部 予報期間 7 月 16 日から 7 月 22 日まで 1.アンサンブル資料 ●アンサンブル(ENS):18日から19日にかけて、5820m付近のトラフが西日本から東日本をゆっくりと通過する。特に深まる予 想はなく、地上の低気圧は、日本海から東進し本州を通過する頃は次第に不明瞭となる。18日以降、アムール川中流~下流付 近でリッジが強まり華北付近のトラフと逆位相となって、期間後半は中緯度帯の流れは停滞する。華北のトラフに対応して華中 付近で発生する低気圧は、東進できずに黄海から朝鮮半島付近に停滞する。サブHは、日本付近では明瞭な衰弱や発達の傾向を 示しておらず、平均場で示すように東・西日本の太平洋沿岸付近で北上南下を繰り返す。 ●500hPa基本場(週間予報支援図):実況は、日本の東にトラフがあって、そこから負偏差が西に広がり北~東日本は負偏差域で西 日本はほぼ平年。サブHは30N以南で西は華南までのび、沖縄・奄美はサブH圏内で正偏差。予報期間は、日本の東のトラフと華 北付近のトラフの間で日本付近は弱いリッジ場。サブHは東・西日本の太平洋沿岸。北のリッジとサブHに挟まれた日本付近の 正偏差だが値は小さい。沖縄・奄美は引き続きサブH圏内で正偏差。 ●18~19日:5820m付近のトラフに対応する低気圧が、18日東北地方に予想されているが発達はなく、寿命も短く19日には 不明瞭となる。19日にはオホーツクHが次第に強まる。北・東日本は、18日は低気圧の影響で雨の降る所があり、19日はオ ホーツクHからの東風の影響を受けやすい太平洋側で雨の降る所がある。西日本では両日ともに雲が多いものの晴れ間もある見 込み。 ●20~22日:華北のトラフはカットオフしながら黄海付近へ進む。日本付近は、このトラフと日本の東のトラフにはさまれてゆ るいリッジ場となる。22日にかけて流れは停滞し、同じような場が続く。地上の気圧場は、オホーツクHが北から張り出し、 黄海から朝鮮半島付近に低気圧が停滞する。北・東日本太平洋側では引き続き雲が広がりやすい。西日本は、黄海の低気圧に吹き 込む段湿気の影響を受ける可能性があるが、サブHの日本付近への張り出しよそうに安定感がなく、その影響の大きさについて は現時点では不確かさが大きい。 ●沖縄・奄美:太平洋高気圧に覆われて晴れる日が多い。 ・ アンサンブル(ENS)/27メンバー:22日の低気圧について、朝鮮半島を越えて日本海に進めているメンバーは約3割。九州の西 に予想しているメンバーもあるが、1割未満。 ・ スプレッド:期間を通し昨日資料より縮小した。特定高度線は、期間の中頃5880m線が日本の南東海上でバラつき、サブHが東西 に分かれる傾向を示すものがある。 ・ 降水頻度分布:高降水頻度域は、18日に東北~東日本が縮小した。 ・ 予想T850時系列:全国的に平年値からの隔たりが小さい中、期間の前半西日本で正偏差に、後半東日本で正偏差にイニシャル変 わりした。 2.防災事項等 ・ 明後日(17日)は、前線の活動が活発となり、西日本では大雨となる所がある。 3.明後日予報(3時40分発表の短期予報解説資料も参照) ・ 500hPa高度場は動きが遅く、ほぼ終日140E付近にリッジ、華北から華中にトラフの場が継続する。 ・ 地上では、16日夜に対馬海峡付近の前線上のキンクが、500hPa 5820~5880mの流れに沿って東北東進し、夜には北陸沖の日本海に 進む。一方、オホーツク海高気圧が、次第に南に勢力を広げる。 ・ 北日本や東日本は500hPaリッジ場だが、下層・中層の湿りが多く、またオホーツク海高気圧からの東風を受けるため概ね曇り。東 日本は前線の接近により、のち雨の降るところがある。西日本は前線の影響で曇り時々雨(もしくは一時雨)。南西諸島は高気 圧に覆われて概ね晴れる。 4.全般週間天気予報(案) ・ 北日本から西日本にかけて、前線や湿った空気の影響で雲が広がりやすく雨の降る日があるが、北日本では、期間の後半には高気 圧に覆われて晴れる所もある。 ・ 沖縄・奄美は、太平洋高気圧に覆われて概ね晴れる。 ・ 最高気温・最低気温ともに、北~西日本は期間のはじめ平年より高い所があるが、平年並か平年より低い日が多い。沖縄・奄美は、 平年並か平年より高い。 この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの 形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。
© Copyright 2024 ExpyDoc