週間天気予報解説資料

週間天気予報解説資料
2017 年 2 月 3 日 10 時 00 分 発表
気象庁予報部
予報期間
2 月 4 日から 2 月 10 日まで
1.アンサンブル資料
●アンサンブル(ENS):北~西日本は、6~8日にかけて強い冬型の気圧配置が西から緩んでくる。9日は南岸低気圧が発生し、日
本海は気圧の谷となるが、10日は西から冬型に移行する。沖縄・奄美は、期間の中頃は寒気の影響をうけ、期間終わりは前線
位相がかかる。
●500hPa基本場(週間予報支援図):実況は、日本付近は西北西流場で、千島の東に寒冷渦があり、北海道はこれに伴う負偏差に覆
われるが、その他は正偏差。予報期間は、西南西流場が続くが、日本付近は高度場が下降し、本州付近と沖縄・奄美は弱い負偏
差に転じる。北海道は東西にのびるリッジに北から覆われて、正偏差に転じる。
●6~8日:6日に5400m付近のトラフが通過後、日本付近は西南西流場が続き、8日はリッジが日本海に接近する。6・7日は強
い冬型の気圧配置が続き、8日は西から緩んでくる。北~西日本の日本海側は雲が広がりやすく、6・7日は雪か雨が降る所が
多いが、8日は北日本中心となる。太平側は概ね晴れる。
●9日:リッジは北日本付近に接近し、5400m付近のトラフが黄海付近へ進み、5520m付近のトラフが西日本に接近する。南岸低気圧
が発生し、日本海中・西部も気圧の谷となるため、東・西日本は雲が広がりやすく、西日本の太平洋側を中心に雨の降る所があ
る。北日本は太平洋側を中心に概ね晴れる。
●10日:両トラフは位相を合わせて西日本付近へ進む。南岸低気圧は日本の東へ進み、西から冬型の気圧配置に移行する。北~西
日本は雲が広がりやすく、東日本の太平洋側を中心に雨か雪の降る所がある。
●沖縄・奄美:期間中頃は下層寒気の上を中層(700hPa)の大気が滑昇し、雲が発生しやすい。期間の終わりは5700m付近の正渦度移
流場で前線帯(θe850の集中帯)がかかり、雲が広がりやすく9日は雨の降る所がある。
・ アンサンブル(ENS)/27メンバー:9日に南岸低気圧を予想するメンバーは約6割、二つ玉低気圧は2~3割。南岸低気圧は13
0°Eよりが多い。
・ スプレッド:3~5日目が縮小。特定高度線は、8日頃に本州付近へ5400mリッジが接近し、期間終わりはトラフが接近する傾向
がある。
・ 降水頻度分布:高降水頻度域は、7日は東北地方付近で発現、9日は屋久島付近で拡大した。
・ 予想T850時系列:北日本は期間のはじめと終わりは正偏差、中頃は平年並。東日本は、期間はじめが正偏差、その後は負偏差に
下降し、期間終わりに向け平年並に昇温。西日本と沖縄・奄美は、それぞれ期間はじめと前半が正偏差、その後は平年並、10
日は負偏差に下降する。
2.防災事項等
・ 期間のはじめは全国的に最高気温が平年よりかなり高くなる所がある。また雨も降るので、積雪の多い所ではなだれや融雪に注
意。
・ 5~7日は、発達する低気圧と強い冬型の気圧配置の影響で、北~西日本では荒れた天気となる所がある見込み。また、日本海
側では大雪の可能性もある。
3.明後日予報(3時40分発表の短期予報解説資料も参照)
・ 前線を伴った低気圧が西日本付近から東日本付近に進む。温暖前線は850hPaでは3~6℃、寒冷前線は6~9℃付近にあり、山沿い
や内陸以外の降水形態は雨となる。
・ 低気圧や前線の影響で全国的に雲が広がりやすく雨が降り、山沿いや内陸では雪となる所がある。北海道は低気圧から離れてお
り概ね晴れる。
4.全般週間天気予報(案)
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北~西日本の日本海側は、寒気や気圧の谷の影響で曇りや雪か雨の日が多い。
北~西日本の太平洋側は、高気圧に覆われて概ね晴れるが、期間のはじめと終わりは低気圧の影響で雨または雪の降る日がある。
沖縄・奄美は、寒気や気圧の谷の影響で雲が広がりやすく、期間のはじめと終わりに雨の降る所がある。
最高気温・最低気温ともに、全国的には期間の前半は平年並か平年より高く、かなり高くなる日があるが、後半は平年並か平年
より低い所が多い。
この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの
形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。