週間天気予報解説資料 2016 年 7 月 24 日 10 時 00 分 発表 気象庁予報部 予報期間 7 月 25 日から 7 月 31 日まで 1.アンサンブル資料 ●アンサンブル(ENS):沖縄・奄美~西日本は、高気圧に覆われて晴れる日が多い。また、千島の東~アリューシャンの南には強大 な高気圧が居座る。2つの高気圧に挟まれる北・東日本では、前半は相対的な気圧の谷となって湿った空気の影響を受けやすく 曇りや雨の日が多いが、後半は2つの高気圧が一体化して晴れる可能性がある。なお、台風第2号は期間はじめに千島近海で温 帯低気圧へ変わった後、次第に不明瞭になる。 ●500hPa基本場(週間予報支援図):実況の日本付近は、寒冷渦が大きく寄与して日本の東が負偏差の谷場。北・東・西日本は東谷 の流れで、東日本の一部を除いて正偏差。沖縄・奄美は、サブハイの張り出しが強く正偏差。予報期間の日本付近も高度場に大 きな変化はなく、東日本の一部を除いて正偏差が続く。また、カムチャツカ半島付近では顕著な正偏差が持続する。 ●27日:北海道付近の寒冷渦は次第に不明瞭になるが、500hPaの渦度ゼロ線付近の北~東日本を強風軸が南北に走って前線(傾圧 帯)が存在する見込みで、北・東日本では雨の降る所が多い。一方、西日本は高気圧に覆われ、ハイセルの中心に近い西部を中 心に晴れる。 ●28~29日:前線は次第に不明瞭になりながらも東北→北海道付近を北上する予想で、北日本は両日とも雨の降る所が多い。ま た、サブハイが強まって東日本付近へも張り出すようになり、西日本に加えて東日本でも晴れて暑くなる所が多い。 ●30~31日:日本の東に予想される寒冷渦の動向など不確定な面はあるが、アリューシャンの南に中心を持つ強大な高気圧が西 日本付近のハイセルと一体化して北・東・西日本を広く覆い、各地方とも晴れて暑くなる可能性がある。 ●沖縄・奄美:太平洋高気圧に覆われて晴れる日が多い。 ・ ・ ・ ・ アンサンブル(ENS)/27メンバー:台風第2号の位相が北海道を通過すると予測するメンバーはない。 スプレッド:期間を通して、昨日資料より縮小した。特定高度線は、いずれも期間の中頃以降にバラつく。 降水頻度分布:高降水頻度域は、28~29日の北日本で拡大した。 予想T850時系列:北日本は、前半は弱い負偏差で後半は弱い正偏差。東日本は、前半は負偏差で後半は平年値近傍。西日本と沖 縄・奄美は、平年値近傍で推移する。 2.防災事項等 ・ 西・東日本では、猛暑日近くまで気温の上昇する所がある。沖縄・奄美や北日本も含めて、全国的に熱中症などに注意。 3.明後日予報(3時40分発表の短期予報解説資料も参照) ・ 寒冷渦が北海道付近へゆっくり西進する。北・東・西日本の下層には、千島の東~アリューシャンの南に中心を持つ高気圧から冷 たく湿った空気が流れ込む一方、日本海の低気圧からは温かく湿った空気を引き込む。このため、西・東日本を中心に、後半は 大気の状態が不安定になる。 ・ 北・東・西日本の広い範囲で雲が広がりやすく、下層暖湿気が流れ込む西・東日本は広い範囲で雨が降り、短時間強雨や落雷・突 風等のおそれもある。太平洋高気圧に覆われる沖縄・奄美は、概ね晴れる。 4.全般週間天気予報(案) ・ 北日本と東日本は、湿った空気や気圧の谷の影響で雲が広がりやすく雨の降る日があるが、期間の後半は高気圧に覆われて晴れる 所もある。 ・ 西日本と沖縄・奄美は、高気圧に覆われて晴れる日が多いが、期間のはじめは湿った空気や気圧の谷の影響で曇りや雨の所がある。 ・ 最高気温・最低気温とも、北~西日本では期間の前半は平年並か平年より低く、後半は平年並か平年より高い。沖縄・奄美は、平 年並か平年より高い。 この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの 形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。
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