週間天気予報解説資料 2015 年 1 月 5 日 10 時 00 分 発表 気象庁予報部 予報期間 1 月 6 日から 1 月 12 日まで 1.アンサンブル資料 ●アンサンブル(ENS):6日に低気圧が発達しながら日本付近を通過し、その後、冬型の気圧配置となる。6日は全国的に雨や雪の 所が多く、期間の前半は発達する低気圧の影響で、北・東日本を中心に大荒れや荒れた天気になるおそれもある。期間の後半は冬 型の気圧配置が緩み、西から高気圧に覆われてくるが、北日本は冬型の気圧配置が続き、北・東日本の日本海側では雪や雨の降る 日が多い。 ●500hPa基本場(週間予報支援図):実況の日本付近は西北西の場で、北日本から西日本の一部が負偏差、その他は正偏差となって いる。予報期間も日本付近は西北西の場が続く。北、東日本は負偏差、西日本、沖縄・奄美は正偏差に覆われる。 ●8~10日:寒冷渦は千島付近をゆっくり東進し、日本付近は強い冬型の気圧配置が続く。T850≦-6℃の下層寒気が北日本~西 日本東部をほぼ覆う状態が続く。西日本は9日にやや昇温するが10日は5400m沿いを進む正渦が上空に入り、再び寒気が入る予 想。日本海側は、北・東日本を中心に雪の所が多い。太平洋側は概ね晴れるが、強い寒気の影響で雲の広がりやすい所もある。 ●11~12日:西日本からT500、T850ともに昇温傾向となり、西から冬型が緩んでくる。北日本では引き続き冬型の気圧配置が続 く。西日本では日本海側の雪の範囲は徐々に小さくなるが、北・東日本の日本海側では引き続き広く雪が降る見込み。北~西日 本の太平洋側は、晴れる所が多い。 ●沖縄・奄美:高気圧に覆われて晴れる日もあるが、寒気や気圧の谷の影響で雲が広がりやすい。12日は高気圧の後面となり、 5700m付近のトラフも接近することから雨の降る所がある見込み。 ・ アンサンブル(ENS)/27メンバー:12日に5700m付近のトラフに対応して台湾から東シナ海に降水を予想するメンバーがほとんど で、東シナ海から九州付近に低気圧を予想するメンバーは2割強ある。 ・ スプレッド:昨日資料と比べて、期間の中頃は拡大、その他は同等か縮小した。特定高度線は、5400m線にバラツキがあり、期間 の終わりはトラフの位相差が大きいメンバーも見られる。 ・ 降水頻度分布:高降水頻度域は、期間の中頃に北日本で拡大している。 ・ 予想T850時系列:北日本は正偏差が持続する。東日本、沖縄・奄美は負偏差傾向。西日本も期間の中頃は平年並から平年より低 い傾向となる。 2.防災事項等 ・ 6日は全国的に気温が高く、雨の降る所が多い。積雪の多い所ではなだれなどに注意。 ・ 期間の前半は、発達する低気圧の影響で北・東日本を中心に大荒れや荒れた天気のおそれがある。 3.明後日予報(3時40分発表の短期予報解説資料も参照) ・ 500hPaではカットオフローが北海道を通過。地上では日本海北部に進んだ低気圧からのびる前線の閉塞点に発生する低気圧がオ ホーツク海で発達し、日本付近は強い冬型の気圧配置となる。500hPa寒気の大きな南下はないが、700hPaで-24℃以下の寒気核が 北日本を通過し、850hPaの-9℃線は東・西日本の太平洋側まで南下する。 ・ 北~西日本の日本海側は広い範囲で雪となり、北日本は雪を伴って非常に強い風が吹き大荒れとなる所がある。太平洋側は東北 ~東日本を中心に晴れるが西日本は雲が広がりやすい。沖縄は、はじめ前線が南下、その後寒気移流に伴う下層雲に覆われる。雲 が多く雨の降る所がある。 4.全般週間天気予報(案) ・ 北~西日本の日本海側は、気圧の谷や寒気の影響で曇りや雪または雨の日が多い。期間の終わりは晴れる所もある。 ・ 北~西日本の太平洋側は高気圧に覆われて晴れる日が多いが、期間のはじめに気圧の谷や寒気の影響で曇りや雨または雪の日が ある。 ・ 沖縄・奄美は、高気圧に覆われて晴れる日もあるが、寒気や気圧の谷の影響で雲が広がりやすく、期間のはじめと終わりは雨の 降る所がある。 ・ 最高気温・最低気温とも、北日本は平年並か平年より高い日が多い。東・西日本と沖縄・奄美は、期間のはじめに平年より高い 日がある他は、平年並か平年より低い。 この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの 形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。
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