週間天気予報解説資料 2016 年 8 月 16 日 10 時 00 分 発表 気象庁予報部 予報期間 8 月 17 日から 8 月 23 日まで 1.アンサンブル資料 ●アンサンブル(ENS):台風第7号については台風情報のとおり。今期間は日本の東と西でリッジが強く、日本付近は谷場が続く。 北・東日本は南西流の場が続き、日本のはるか東の高気圧からの縁辺流や日本海のトラフの影響で、期間を通して曇りや雨の日 が多い。西日本は、前半は高気圧に覆われて晴れる所が多いが、後半は湿った空気の影響で雲が広がりやすい。沖縄・奄美は、 高気圧に覆われて概ね晴れる。西日本を中心に気温の高い状態が続く。 ●500hPa基本場(週間予報支援図):実況は、日本の東と西でリッジが強く、日本付近は台風第7号の影響も合わさり谷場で、全国 的に負偏差に覆われる。予報期間は、日本付近の高度が上昇して、東西にサブハイ(500hPa=5880m)がつながる。全国的に正偏 差に覆われる。 ●19~21日:5760~5820m付近のトラフが中国東北区から日本海へゆっくりと進む。日本のはるか東のリッジが強い状態が続く ため、北・東日本は南西流の場が続き曇りや雨の日が多い。一方、西日本はサブハイに覆われて晴れる所が多いが、湿った空気 の影響で雲が広がりやすい所もある。 ●22~23日:日本海のトラフはゆっくりと北日本へ進む。トラフに対応した下層シアや日本のはるか東の高気圧からの縁辺流の 影響で、北・東日本は引き続き曇りや雨の所が多い。西日本は引き続きサブハイに覆われて晴れる所があるが、湿った空気の影 響で雲が広がりやすい。 ●沖縄・奄美:高気圧に覆われて概ね晴れる。 ・ アンサンブル(ENS)/27メンバー:21~22日に日本海に低気圧を予想するメンバーは全体の2割程度だが、下層シアによる降 水を予想しているメンバーは多い。また、期間後半に熱帯じょう乱を日本付近へ北上させているメンバーは約半数だが、位置の バラつきが大きい。 ・ スプレッド:7日目が拡大した他は縮小した。特定高度線のバラつきは比較的小さいが、期間の終わりは5880m線のバラつきが大 きい。 ・ 降水頻度分布:高降水頻度域は、18日に西日本で拡大した他は昨日資料と同様。 ・ 予想T850時系列:全国的に正偏差で推移する。 2.防災事項等 ・ 台風第7号の影響で、北日本では18日にかけて、東日本では17日にかけて、大雨や大荒れ、大しけとなるおそれがある。 ・ 西日本を中心に、猛暑日となる所がある。熱中症などに注意。 3.明後日予報(3時40分発表の短期予報解説資料も参照) ・ 日本付近の500hPaは、高度場が時間とともに上昇し、N35帯は高圧帯となる。南西諸島付近には寒冷渦がほぼ停滞する。 ・ 地上では、台風がオホーツク海に抜けた後、北日本から西日本では、日本の東もしくは南海上から下層の暖湿気の流入しやすい場 となる。南西諸島は概ね高気圧に覆われる。 ・ 北日本は、始め台風の影響が残るが次第に回復。雨のち晴れの傾向。東日本太平洋側は、南からの下層暖湿流により雲が多く、雨 の降る所がある。北陸地方や西日本は概ね晴れる。午後には不安定性降水の見込み。南西諸島は概ね晴れる。 4.全般週間天気予報(案) ・ 北・東日本は、台風第7号や湿った空気の影響で曇りや雨の日が多い。 ・ 西日本は、期間前半は高気圧に覆われて概ね晴れるが、後半は湿った空気の影響で雲が広がりやすい。 ・ 沖縄・奄美は高気圧に覆われて概ね晴れる。 ・ 最高気温・最低気温とも、全国的に平年並か平年より高い日が多く、かなり高い所もある。 この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの 形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。
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