週間天気予報解説資料 2016 年 12 月 30 日 10 時 00 分 発表 気象庁予報部 予報期間 12 月 31 日から 1 月 6 日まで １．アンサンブル資料 ●アンサンブル(ENS)：北日本中心の冬型が続く。冬型の気圧配置は、オホーツク海北部付近の寒冷渦を周るショートトラフが日本 を通過するタイミングで強弱を繰り返すが、顕著に強まる日はない見込み。北・東日本の日本海側は寒気の影響で雪または雨の 降る日が多く、太平洋側は晴れる日が続く。西日本は、期間の中頃までは高気圧に覆われて概ね晴れるが、期間の終わりは前線 の影響で曇りや雨。沖縄・奄美は、高気圧に覆われて概ね晴れるが、期間のはじめと終わりは前線や湿った空気の影響で曇りや 雨の所がある。 ●500hPa基本場（週間予報支援図）：実況の日本付近はゾーナル～西北西の流れで、沖縄・奄美～西日本を中心に正偏差。沖縄の南 ～日本の南ではサブハイが強く、日本付近は南北の高度差が大きい。予報期間は、日本の東～はるか東が顕著な負偏差となる一 方、中国東北区～黄海が顕著な正偏差となる。日本付近は後者の勢力範囲内で、引き続き広く正偏差。流れは西北西。 ●１月２～３日：5280m付近のトラフ通過に対応して、オホーツク海北部～カムチャツカの東の低気圧からのびる寒冷前線が北日本 を通過し、北日本では２日は太平洋側でも雪の降る所がある。通過後は一時的に冬型がやや強まってＴ500≦－30℃およびＴ850 ≦－9℃の寒気が東北地方まで流れ込む予想で、東北日本海側と北陸では両日とも雪や雨が降る見込み。そのほかは両日とも晴れ る所が多いが、２日は西日本西部に中・下層とも湿域が見られ、曇りや雨の所もある見込み。 ●４～５日：北・東・西日本は西北西の流れが続く。北日本中心の冬型だが、上・下層ともに強い寒気の補給はない見込み。北・東 日本日本海側は両日とも曇りや雪または雨だが、卓越降水の範囲は次第に小さくなる。 北・東日本太平洋側と西日本は４日を 中心に広く晴れるが、５日はθe850集中帯で確認できる前線が東シナ海～西日本で顕在化するため、西日本では天気は下り坂。 ●６日：北日本中心の冬型は再びやや強まり、北・東日本日本海側での卓越降水の範囲は４日と同程度になる見込み。北・東日本太 平洋側は、引き続き広く晴れる。一方、直上もしくは近傍に位置する前線が明瞭になる西日本は雲に覆われ、西部を中心に雨が 降る見込み。 ●沖縄・奄美：高気圧に覆われて概ね晴れるが、期間のはじめと終わりは前線や湿った空気の影響で曇りや雨の所がある。 ・ アンサンブル(ENS)/27メンバー：１月３日は、ほぼ全てのメンバーが千島近海～千島の東～日本のはるか東で低気圧を発達させ ている。 ・ スプレッド：期間を通して、昨日資料より拡大した。特定高度線は、5400mを中心に期間の中頃以降にバラつく。 ・ 降水頻度分布：高降水頻度域は、２日の北日本で昨日資料より拡大した。 ・ 予想T850時系列：北・東日本は、期間の前半は正偏差で後半は負偏差～平年値近傍。西日本と沖縄・奄美は、正偏差で推移する。 ２．防災事項等 ・ 北・東・西日本太平洋側では晴天の続く所が多く、空気の乾燥に注意。 ３．明後日予報（3時40分発表の短期予報解説資料も参照） ・ 黄海→西日本付近へ高気圧中心が進み、東・西日本～沖縄・奄美は広く高気圧に覆われる。 ・ 北・東日本日本海側は、弱い冬型で日本海から湿った空気が流れ込んで雲が広がり、雪や雨の降る所があるが、そのほかの地方 は概ね晴れる。 ４．全般週間天気予報（案） ・ ・ ・ ・ 北・東日本は、冬型の気圧配置が続く。日本海側は雪または雨の降る日が多く、太平洋側は晴れる。 西日本は、期間の中頃までは高気圧に覆われて概ね晴れる。期間の終わりは、前線の影響で曇りや雨。 沖縄・奄美は、高気圧に覆われて概ね晴れるが、期間のはじめと終わりは前線や湿った空気の影響で曇りや雨の所がある。 最高気温・最低気温とも、全国的に平年並か平年より高い日が多く、期間の中頃を中心に平年よりかなり高い所もある。北・東 日本では、期間のはじめと終わりに平年より低い所がある。 この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの 形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。
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