週間天気予報解説資料

週間天気予報解説資料
2016 年 6 月 11 日 10 時 00 分 発表
気象庁予報部
予報期間
6 月 12 日から 6 月 18 日まで
1.アンサンブル資料
●アンサンブル(ENS):北日本は数日の周期で天気が変わり、低気圧や前線の影響で雨の降る日がある。東・西日本と沖縄・奄美は、
梅雨前線や湿った空気の影響で曇りや雨の日が多い。期間のはじめと中頃は、梅雨前線に向かって強い暖湿気が流れ込むため、
西日本を中心に大雨になるおそれがある。
●500hPa基本場(週間予報支援図):実況の日本付近は広く正偏差で、等高度線の間隔は広く、緩やかな流れ。沖縄の南~日本の南
ではサブハイが強い。なお、北半球の高緯度帯は顕著な正・負偏差域が散在していてメアンダーが大きく、予測の難しい場とな
っている。予報期間の日本付近は、やや高度が低下するものの、北日本の一部を除いて引き続き正偏差。サブハイは更に強まり、
北半球の高緯度帯は引き続きメアンダーが大きい。
●14日:梅雨前線は南海上に離れていき、西・東日本は太平洋側でも降水の可能性は小さくなる。一方、じょう乱の詳細について
は不確定な面が大きいが、北日本は低気圧もしくは前線の影響で北部を中心に雨が降る見込み。
●15日:一旦北緯30度付近まで南下した梅雨前線が西から再び北上し、西日本西部では雨が降り出す。西日本東部と東日本は、
雨の可能性は高くないが晴れ間は短く、雲に覆われる時間帯が支配的。前線から遠い北日本は、前・後半とも晴れる所が多い。
●16日:5760m付近のトラフが朝鮮半島付近へ東進して梅雨前線が東日本付近の経度帯でも北上し、西・東日本では広く雨が降る。
前線上に低気圧が発生する可能性があるとともに、西日本にはθe850≧345Kの強い暖湿気が広く流れ込む予想で、大雨になるお
それもある。北日本も天気は下り坂で、日本海側では後半に雨の降り出す所がある。
●17日:トラフの東進に伴って西日本の経度帯では梅雨前線が南へ遠ざかる可能性もあるが、不確実性が大きい。西・東日本では
天気が回復して日本海側を中心に晴れ間もある見込みだが、雲に覆われる時間帯を多めに考えたい。北日本は、じょう乱の詳細
については不確定な面が大きいが、トラフの接近により雨の降る所が多い。
●18日:不確実性はあるが、梅雨前線は南に離れて位置する(北緯30度付近)と見られ、西・東日本では17日以上に晴れ間を
期待できる。北日本は、17日に続いて曇りや雨の所が多い見込み。
●沖縄・奄美:梅雨前線や湿った空気の影響で、曇りや雨の日が多い。
・ アンサンブル(ENS)/27メンバー:16日の低気圧の予測位置は、日本海が全体の約5割、西日本付近が約3割。
・ スプレッド:5・7日目が昨日資料より縮小して6日目が同値のほかは、拡大した。特定高度線は、5700mが期間の後半にバラつ
く。
・ 降水頻度分布:高降水頻度域は、西日本では17日に昨日資料より縮小した。東日本は16日に拡大した一方で、17日は縮小
した。北日本は14日に拡大した一方で、17日は縮小した。沖縄・奄美は、15日に縮小した。
・ 予想T850時系列:北日本は、期間のはじめは正偏差でその後は負偏差~平年値近傍。東・西日本と沖縄・奄美は、正偏差で推移
する。
2.防災事項等
・ 期間のはじめと中頃は、梅雨前線や低気圧に向かって強い暖湿気が流れ込むため、西日本を中心に大雨のおそれがある。
3.明後日予報(3時40分発表の短期予報解説資料も参照)
・ T500≦-9℃の寒気を伴う5700m付近のトラフと、T500≦-12℃の寒気を伴う5640m付近のトラフが、それぞれ日本付近へ進む。
・ トラフに対応して、低気圧が西→東日本および沿海州→サハリン付近を進むため、全国の広い範囲で雨が降る見込み。
4.全般週間天気予報(案)
・ 北日本は数日の周期で天気が変わり、低気圧や前線の影響で雨の降る日がある。
・ 東・西日本と沖縄・奄美は、梅雨前線や湿った空気の影響で曇りや雨の日が多い。
・ 最高気温・最低気温ともに、北・東・西日本は平年並か平年より高い日が多く、平年よりかなり高い日もある。沖縄・奄美は、
平年より高い。
この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの
形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。