週間天気予報解説資料

週間天気予報解説資料
2016 年 9 月 30 日 10 時 00 分 発表
気象庁予報部
予報期間
10 月 1 日から 10 月 7 日まで
1.アンサンブル資料
●アンサンブル(ENS):台風第18号については、最新の台風情報のとおり。北日本の天気が数日の周期で変わるほかは、各地方と
も、前線や湿った空気の影響で曇りや雨の日が多い。なお、台風第18号の動向によっては、期間中頃以降の天気の見通しが大
きく変わる可能性がある。
●500hPa基本場(週間予報支援図):実況の日本付近は、北・東・西日本を中心に広く明瞭な正偏差で、流れはゾーナル~西南西。
予報期間の日本付近も高度が引き続き高いが、シベリア~オホーツク海~カムチャツカ半島が顕著な負偏差となり、北日本では
南北の高度差が大きくなる。
●10月3日:θe850集中帯で確認できる前線が日本海~北日本に停滞する中、5760~5820mのトラフが黄海→日本海へ進む。また、
台風第18号は東経130度線付近を北上する可能性が高い。これらにより北・東・西日本の各地方は雨の降る所が多い。
●4日:5760~5820mのトラフが浅まりながら北~東日本を通過した後も、前線は西・東日本付近に停滞する。台風第18号は西日
本の南海上を北東進する可能性が高い。北日本と東・西日本太平洋側の各地方は雨の降る所が多い。
●5~6日:台風情報を補外すると、台風第18号は東日本→日本の東へ抜ける可能性が高く、西・東日本には引き続き前線が停滞
するものの卓越降水に至る所は限定的で、中層に乾燥域が見られる西・北日本では晴れ間もある。
●7日:西・東日本は負渦度移流場で、北日本も含めて中層には乾燥域が予想される。各地方とも、雨の降る可能性は小さく、晴れ
る所もある見込み。
●沖縄・奄美:台風第18号や湿った空気の影響で、曇りや雨の日が多い。
・ アンサンブル(ENS)/27メンバー:台風第18号に関する4日の予測位置は、沖縄~沖縄の南が全体の約4割、西日本付近が3割
強、東日本付近が3割弱。
・ スプレッド:3~4日目が昨日資料より拡大したほかは、縮小した。特定高度線のうち、5400mが期間の中頃以降にバラつく。
・ 降水頻度分布:高降水頻度域は、北日本では10月3日に昨日資料より拡大した一方、4日は縮小した。西日本では3日に縮小
した一方で、4日は拡大した。
・ 予想T850時系列:北日本は、中頃にかけては正偏差で終わりは負偏差。4日間で約10℃下がる予想。東・西日本と沖縄・奄美
は、明瞭な正偏差で推移する。
2.防災事項等
・ 台風第18号の進路等によっては、沖縄・奄美は2~4日に、西日本は3~5日に、大雨や大荒れおよび大しけとなるおそれが
ある。
3.明後日予報(3時40分発表の短期予報解説資料も参照)
・ 北~西日本では前半はリッジ場だが、後半は5760~5820m付近のトラフが黄海に進んで南西流場になる。ただし、日本付近での前
線の活動は弱い見込み。
・ 北・東日本は、前半を中心に概ね晴れる。西日本は湿った空気の影響で雲が広がりやすく、台風第18号に伴う湿りの影響を受け
る沖縄・奄美は、雨の降る所がある。
4.全般週間天気予報(案)
・ 北日本は数日の周期で天気が変わり、前線や気圧の谷あるいは寒気の影響で雨の降る日がある。
・ 東日本と西日本は、前線や湿った空気の影響で曇りや雨の日が多い。
・ 沖縄・奄美は、台風第18号や湿った空気の影響で曇りや雨の日が多い。明日(10月1日)は、高気圧に覆われて概ね晴れる。
・ 最高気温・最低気温とも、全国的に平年並か平年より高く、平年よりかなり高い日もある。
この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの
形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。