週間天気予報解説資料

週間天気予報解説資料
2016 年 1 月 23 日 10 時 00 分 発表
気象庁予報部
予報期間
1 月 24 日から 1 月 30 日まで
1.アンサンブル資料
●アンサンブル(ENS):西日本と沖縄・奄美を中心に、気温の変化が大きい。期間のはじめは冬型の気圧配置が強く、全国的に非常
に強い風が吹き、西・東日本を中心に大雪となる所がある。また、西日本と沖縄・奄美では、気温がかなり低い。期間の後半は高
度場・温度場が顕著に上昇し、西日本と沖縄・奄美を中心に気温が平年より高くなる見込み。
●500hPa基本場(週間予報支援図):実況の中緯度帯はメアンダーが大きく、バイカル湖の西が顕著な正偏差の一方、華北~朝鮮半
島が明瞭な負偏差。日本付近は後者の勢力範囲で、沖縄・奄美が正・負の境界付近のほかは、負偏差に覆われる。予報期間は一転
して日本付近の高度が顕著に上昇し、北~西日本は顕著な正偏差となる。流れはほぼゾーナル。日本の南~沖縄の南ではサブハイ
が強まり、沖縄・奄美は明瞭な正偏差。
●26~27日:北・東日本は、冬型の気圧配置が続く。26日は下層が一旦やや昇温して日本海側での雪の範囲は限定的になるが、
次に寒気が流れ込む27日の日本海側は雪の降る所が多い。太平洋側は、両日とも概ね冬晴れ。一方、西日本は冬型が急速に緩
んで下層を中心に明瞭な昇温場となる。日本海側での降水の可能性は小さくなり、太平洋側は27日を中心に高気圧に覆われて
晴れる見込み。
●28日:北・東日本は引き続き冬型の気圧配置で、T850≦-15℃の寒気が東北北部まで南下する。日本海側は雪の降る所が多く、
太平洋側は冬晴れ。西日本は高気圧の後面に入り、次第に雲に覆われる。西部は、東シナ海で顕在化する前線に伴う降水域がか
かる可能性もある。
●29~30日:北日本は上・下層ともゆっくり昇温する場となって冬型の気圧配置は次第に緩み、寒気による日本海側での降水の
範囲は小さくなる。太平洋側は、29日を中心に晴れる所が多い。一方、下記の通り、西・東日本付近をじょう乱が東北東進す
ると見られ、西・東日本は広い範囲で雨の降る可能性が高い。
●沖縄・奄美:寒気や気圧の谷の影響で、曇りや雨の日が多い。期間の中頃は、高気圧に覆われて晴れる日がある。
・ アンサンブル(ENS)/27メンバー:期間の後半は、ほとんどのメンバーが東シナ海~西・東日本付近にじょう乱を予想している。
29日後半の予測位置は、東シナ海が4割強、西日本付近が4割弱、台湾付近が約1割。
・ スプレッド:期間を通して昨日資料より縮小した。特定高度線は、5400m線が期間の終わりにややバラつく。
・ 降水頻度分布:高降水頻度域は、沖縄・奄美で28日に、西日本では29日に、それぞれ昨日資料より拡大した。
・ 予想T850時系列:北日本は負偏差の日が多いが、期間の中頃は一時的に正偏差となる。東・西日本と沖縄・奄美は、期間の前半
は負偏差で後半は正偏差。西日本では、期間のはじめは平年より10℃以上低い一方、期間の終わりは平年より10℃以上高い。
2.防災事項等
・ 期間のはじめは、非常に強い寒気が流れ込んで冬型の気圧配置が強い。全国的に非常に強い風が吹き、西・東日本を中心に大雪
となる所があるほか、西日本と沖縄・奄美では気温がかなり低い。
3.明後日予報(3時40分発表の短期予報解説資料も参照)
・ 北~西日本にのびるトラフは次第に東に抜けて、北日本中心にリッジ場となるが、本州南岸には5580m付近の強風軸が残る見込み。
・ 強い冬型の気圧配置は次第に緩むが、T850=-6℃線は九州南岸~伊豆諸島南部にのび、引き続き寒気移流による降水が日本海
側を中心に継続する。
・ トラフが通過する前半を中心に、日本海側だけでなく、強い寒気が流れ込む太平洋側でも雪の所がある。全国的に曇天基調だが、
寒気移流の影響を受けにくい関東などの太平洋側では冬晴れの所もある。
4.全般週間天気予報(案)
・ 北・東・西日本日本海側は、気圧の谷や寒気の影響で、雪または雨の降る日が多い。
・ 北・東・西日本太平洋側は、高気圧に覆われて晴れる日もあるが、気圧の谷や寒気の影響で雲が広がりやすく、雪または雨の降
る日がある。
・ 沖縄・奄美は、寒気や気圧の谷の影響で曇りや雨の日が多い。期間の中頃は、高気圧に覆われて晴れる日がある。
・ 最高気温・最低気温とも、北日本は、期間のはじめと終わりは平年並か平年より低く、中頃は平年並か平年より高い。東・西日
本と沖縄・奄美は、期間の前半は平年並か平年より低く、平年よりかなり低い所がある。後半は平年並か平年より高く、平年よ
りかなり高い所もある。
この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの
形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。