週間天気予報解説資料

週間天気予報解説資料
2016 年 6 月 27 日 10 時 00 分 発表
気象庁予報部
予報期間
6 月 28 日から 7 月 4 日まで
1.アンサンブル資料
●アンサンブル(ENS):今予報期間は、北日本をトラフが次々と通過する。また、太平洋高気圧が期間の後半にかけて強まり、北に
勢力を拡大する。梅雨前線は日本付近に停滞し、前半は前線の活動が活発となって西日本では大雨のおそれがあるが、後半は太
平洋高気圧の強まりとともに前線は北上し、活動は弱まる見込み。北日本は高気圧に覆われて晴れる日もあるが気圧の谷や湿っ
た空気の影響で雲が広がりやすい。東・西日本は前線や湿った空気の影響で曇りや雨の日が多いが、後半は晴れる所もある。沖
縄・奄美は高気圧に覆われて概ね晴れる。
●500hPa基本場(週間予報支援図):実況は、オホーツク海付近に低気圧があり、中国東北区がトラフとなる。日本付近は西南西の
流れ。北日本は負偏差、沖縄・奄美は正偏差に覆われ、東・西日本は境界付近。予報期間は、5880m線が本州南岸付近まで北上し、
全国的に正偏差に覆われる。
●30日:5820m付近のトラフが日本海を進む。一方、日本の南でサブHが強まり、前線は西・東日本日本海側まで北上する。北日
本は西南西の流れとなり、湿った空気の影響で雲が広がりやすい。西・東日本では雨の所が多く、前線に850θe≧345Kの暖湿気
が流入するため、西日本を中心に大雨となる可能性がある。
●7月1日:トラフは浅まりながら北日本を通過する。西日本付近は弱いリッジ場となり、前線の活動は弱まる見込み。北日本や西
日本では前線の影響で雨が残るところもあるが、曇りの所が多い。
●2~4日:5760m付近のトラフが北日本を通過する。また、5820m付近のトラフが日本海を進む見込み。前線は東・西日本の日本海
側に停滞する。北~西日本は気圧の谷や湿った空気の影響で雲が広がりやすく、前線のかかる北・東日本日本海側では雨の降る
所がある。また、西日本太平洋側では高気圧に覆われて晴れる所もある見込み。
●沖縄・奄美:太平洋高気圧に覆われて晴れる日が多い。
・ アンサンブル(ENS)/27メンバー:30日に日本海に低気圧を予想するメンバーは3分の1程度あるが、発達させる予想をしてい
るメンバーはわずか。
・ スプレッド:昨日資料と比べて、期間の前半は縮小、後半は拡大した。特定高度線は、5700m線は期間の中頃からバラつきが大き
くなり、後半はクラスター間でトラフの進みや深さの差が大きい。
・ 降水頻度分布:高降水頻度域は、1日は東日本で縮小、3日は北日本で拡大した。
・ 予想T850時系列:北~西日本は正偏差が続く。沖縄・奄美は平年並が続く。
2.防災事項等
・ 28日から30日にかけて、梅雨前線や湿った空気の影響により、西日本を中心に大雨となる所がある。
3.明後日予報(3時40分発表の短期予報解説資料も参照)
・ 500hPa5820m付近のトラフが華中で深まり、西日本から東日本の上空の強風軸は、強化されWSW流場となり上空発散が強まる見込み。
北日本は、リッジ場で、南西諸島はサブハイ圏内となる見込み。
・ 本州付近の梅雨前線は、北上しSW風系の暖気移流が強まる予想だが、海外センターでは北上傾向が弱いものもあり不確実。西日本
~東日本の湿りの吹きつける地域を中心に雨となり、SW斜面では大雨のおそれもある。
・ 南西諸島では、高気圧に覆われ、広く晴れ。北日本では、東から高気圧覆われて、晴れるが下層の湿りの影響を受ける所では、雲
が多い見込み。
4.全般週間天気予報(案)
・ 北日本は、期間のはじめ高気圧に覆われて晴れる日があるが、気圧の谷や湿った空気の影響で曇りの日が多い。
・ 東・西日本は、梅雨前線や湿った空気の影響で曇りや雨の降る日が多い。
・ 沖縄・奄美は、太平洋高気圧に覆われて概ね晴れる。
・ 最高気温・最低気温ともに、北~西日本では期間のはじめに平年より低い所がある他は、平年並か高い。沖縄・奄美は平年並か
平年より高い。
この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの
形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。