ユーロ圏景気に回復の兆し

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欧州
2015年3月4日
ユーロ圏景気に回復の兆し
国際通貨基金(IMF)などの国際機関による経済予測で、景気の先行きに懸念が示され続けてきたユーロ圏ですが
ユーロ安を受けた輸出の回復や融資の伸びなど、足元景気回復の兆しも見られます。
ユーロ圏2月製造業PMI改定値:緩やかな拡
大を維持するも、各国の格差が浮き彫り
英マークイット・エコノミクスが2015年3月2日に発表した2月
のユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は51.0
となりました。ユーロ安による輸出受注の押し上げや、雇用
の拡大で、6ヵ月ぶりの高水準だった1月(51.0)と並んだ格好
です。2月20日発表の速報値 (51.1)からは小幅下方修正さ
れました(図表1参照)。指数は50が景気拡大・縮小の目安と
なります。国別では、アイルランドの製造業PMIが57.5と、1月
の55.1からさらに上昇した一方、フランスは47.6で、前月の
49.2を下回るなど、各国の回復度合いにバラツキが見られ、
域内全体の拡大ペースは緩やかとなっています。
どこに注目すべきか
ユーロ安、輸出回復、ユーロ圏融資動向
国際通貨基金(IMF)などの国際機関による経済予測で、景
気の先行きに懸念が示され続けてきたユーロ圏ですが足元
景気回復の兆しも見られます。ユーロ圏の景気回復のポイン
トと今後の注意点は以下の通りです。
まず、ユーロ圏の景気は、ユーロ圏で最大の経済規模を誇る
ドイツの回復が下支えとなっています(図表1参照)。ドイツの
回復はユーロ安を受けた輸出の回復という外需要因が背景
です。また、2月の失業率は6.5%と過去20年余りで最低水準
へと低下するなか、1月の小売売上高も前月比で2.9%と急回
復するなど内需にも回復の兆しが見られます。外需要因のプ
ラスなどを背景に、アイルランド、イタリアなど他の国でもPMI
が50を上回っているのは明るい材料と見られます。
次に、ユーロ圏の融資にも回復の兆しが見られます。前年同
月比で足元-0.1%と依然マイナス圏ながらほぼ前年比で同水
準にまで回復しています(図表2参照)。欧州中央銀行(ECB)
による証券購入など一連の金融緩和政策が効果を発揮し始
めた可能性もあると考えています。
ただし、次の点には注意が必要です。
まず、ユーロ圏PMIは拡大を示唆していますが、国によるバラ
ピクテ投信投資顧問株式会社
ツキがある点に注意が必要です。例えばフランスは47.6と回
復に遅れが見られます。また、スペインのようにPMIは50を超
えているものの失業率は20%を超えるなど、バランスの取れた
経済成長には程遠い国もあり、今後はデータの内容にも一層
注意を払う必要があると見ています。
次に、融資の伸びは前月比の伸び(図表2参照)を見ると2014
年末に上昇していますが、2014年10月末に銀行の資産査定
が終了したことで融資が反転した可能性もあるため、当面、
融資の回復が持続的なものかどうかを確認する必要があると
見ています。
ユーロ圏景気の先行きに不透明感はあるものの、景気回復
の兆しは顕著になってきており、ECBによる国債購入の導入
により、景気回復が下支えされる可能性もあると見られます。
図表1:ユーロ圏製造業PMIとドイツ景況感指数の推移
(月次、期間:2012年3月~2015年2月)
54
112
ユーロ圏製造業PMI(左軸)
ドイツIFO(右軸)
51
109
PMI:景気拡大・縮小
の目安=50
48
106
45
103
※ドイツ景況感指数:独Ifo企業景況感指数
42
12年3月 12年9月 13年3月 13年9月 14年3月 14年9月
100
図表2:ユーロ圏民間向け融資の伸びの推移
(月次、期間:2009年1月~2015年1月)
6 %前年同月比
前月比
4
0.5%
2
0.0%
0
-2
-4
09年1月
-0.5%
ユーロ圏民間向融資
前月比(右軸)
同前年同月比(左軸)
11年1月
13年1月
-1.0%
15年1月
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
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