2016年、欧米で注目されそうなポイントは?

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グローバル
2015年12月25日
2016年、欧米で注目されそうなポイントは?
2016年は米国では大統領選挙が行われますが、現時点ではそれ以上に利上げのペースがどのようになるのかに注
目が集まっています。一方、欧州では英国のEU離脱の動きが注目されます。
2016年の注目ポイント:米国の利上げペース
と英国のEU離脱の動き
2015年も終わりに近づき、市場の関心は2016年に移ってい
ます。2016年に注目すべきイベントを米国と欧州から一つ取
り上げると、米国は金融政策、欧州は、投票は2016年内に実
施されないかもしれませんが、英国の欧州連合(EU)離脱が
あげられます。
まず、米国については、利上げペースを含め金融政策が注
目されると見られます。米国では2016年に大統領選挙が行
われることからその選挙が注目を集めると考えられますが、
今のところ話題はトランプ候補の発言に集まっており、内容
的には盛り上がりに欠ける展開です。一方、米国の金融政策
については、まず利上げペースが注目されますが、もしかす
ると2016年内に債券購入で膨れ上がった米連邦準備制度理
事会(FRB)のバランスシート縮小の議論が本格化する可能
性も考えられます。利上げペースについてですが、2015年12
月17日の今日のヘッドラインで示したようにFOMC参加者は
FFレートについて2016年に8回の米連邦公開市場委員会
(FOMC)が予定されていますが(図表1参照)、4回(0.25%ず
つ合計1%の引き上げ)の利上げを支持するメンバーの数が
最も多くなっています。引き締めに消極的な利上げ回数2回、
または3回を支持する参加者も多い状況です。FF金利の動向
を占ううえでインフレ率が注目されます。
米FRBは様々なインフレ指数に着目していますが、その中で
も有力な指数の一つとしてPCEコア価格指数があります。
2015年12月23日に米商務省が発表した11月のPCEコア価格
指数は前年同月比では+1.3%上昇と前月、市場予想と一致し
ました(図表2参照)。足元、PCEコア価格指数の伸びが前年
同月比+1.3%とインフレ目標の同+2%を下回る水準にあること
から、FFレートの今後の動向は判断しづらい状況にあります。
逆に言えばインフレ率の動向が米国の金融動向を大きく左
右する可能性が考えられます。
次に、欧州では、英国のEU離脱が注目されると考えます。英
キャメロン首相は遅くとも2017年末までに国民投票を実施す
ピクテ投信投資顧問株式会社
ると公約しています。早ければ16年半ばにも実施の可能性が
あるとみられていますが、日時はまだ決定していません。仮
に英国がEU離脱となればポンドや英国債への影響にとどま
らず、世界全体への影響が懸念されます。この問題で問われ
ているのは、EUが一つの通貨、一つの財政という形で本当に
結び付けられるかです。英国は現在、適用除外(オプト・アウ
ト)という形で、ポンドを維持する特権を与えられていますが、
EUは本来は単一通貨を目的としています。しかし、経済格差
がある中での単一通貨導入は欧州債務危機の一因であると
みられます。キャメロン首相はすでにEU に多通貨を認めるよ
う条約改正を求めるなど、水面下の交渉は活発化している模
様です。一方で、EUの人々が自由にEU内を行き来するのを
見るだけでも、EUのメリットは大きいものがあります。2016年
英国のEU離脱がどのような展開を見せるか全く予想できま
せんが、そもそもEUとは何かを考えるうえでその動向に注目
しています。
図表1:2016年 米FOMCの開催スケジュール
1月
26日-27日
7月
26日-27日
3月
15日-16日
9月
20日-21日
4月
26日-27日
11月
1日-2日
6月
14日-15日
12月
13日-14日
図表2:米PCEコア価格指数(前年同月比)の推移
(月次、期間:2012年11月~2015年11月)
%
2.2
インフレ目標+2.0%
2
1.8
1.6
1.4
1.2
12年11月
13年11月
14年11月
15年11月
出所:米FRB、ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
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