ウクライナ停戦協議、まずは合意が必要だが

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欧州
2015年2月12日
ウクライナ停戦協議、まずは合意が必要だが
ウクライナ東部で続く親ロシア派武装勢力とウクライナ政府軍による戦闘の停止を目指して4ヵ国首脳による会談がミ
ンスクで始まりました。今回の協議の決裂は考えにくいものの、合意した場合でも合意内容には注意が必要です。
ウクライナ停戦協議:
4ヵ国首脳、危機打開へ徹夜で合意目指す
ウクライナ東部で続く親ロシア派武装勢力とウクライナ政府
軍による戦闘の停止を目指してウクライナ、ロシア、ドイツ、
フランスの4ヵ国首脳による会談が2015年2月11日午後8時
(日本時間12日午前2時)すぎ、ベラルーシのミンスクで始ま
りました。開始から半日近くが経過した(現地時間)午前7時
になっても協議は続いており、危機打開を目指した調整が続
いている模様です。会談にはウクライナのポロシェンコ大統
領、ロシアのプーチン大統領、仲介役を務めているメルケル
独首相とオランド仏大統領が参加しています。オランド氏は
今回の仲介が、和平に向けた最後のチャンスだと位置づけ
ています。米国は 会談が決裂した場合、ウクライナに武器
を提供することも辞さないことを示唆しています。
2015年1月中旬以降、攻勢を強めて支配領域を拡大した親
ロ派とウクライナ政府軍の停戦ラインや、親ロ派の支配地域
の自治権の付与などが主要な争点と見られます。2月12日
(日本時間夕方頃)に協議の結果が明らかになる模様です。
るとの報道もあり、戦闘激化の阻止は急務となっています。
次に、経済への影響です。西側諸国の制裁や原油安によりロ
シア経済が困難であることはよく報道されますが、ウクライナ
経済も相当深刻な状況で、債務不履行(デフォルト)懸念も高
まっています。当初、2014年末までの国際通貨基金(IMF)の
支援でウクライナの借金返済は問題ないと見られていました
が、ウクライナが支援の条件を満たさないことからIMFの支援
が遅れていることや、ウクライナの外貨準備が急減(図表1参
照)していることからウクライナの返済能力は著しく低下してい
ます。信用力の低下で国債価格は下落傾向(図表2参照)で、
格付けも悪化しています。IMFから確実に追加支援を受けとる
ためにも、合意は望ましい状況です。
合意への期待が高まっているだけに、決裂となれば失望は大
きなものになると思われますが、仮に合意した場合でも、過去
の停戦合意の経緯から、内容の見極めは大切と見ています。
図表1:ウクライナの外貨準備高の推移
(月次、期間:2008年2月~2015年1月)
600
億ドル
400
どこに注目すべきか
米国武器供与、死者数、デフォルト、IMF
0
08年
ウクライナ外貨準備高
09年
10年
11年
12年
13年
14年
15年
図表2:ウクライナ国債価格とグリブナ(対ドル)の推移
(日次、期間:2014年2月11日~2015年2月11日)
100
安 通貨 高
今回の協議は軍事的、経済的に次の2点に注目しています。
仮に、決裂となれば最悪のシナリオとなるだけに何らかの合
意が期待されますが、その場合でも注目は合意内容です。
まず、合意に至らない場合、軍事的に米国の武器供与、戦
闘拡大が懸念されます。ウクライナ政府軍と親ロ派の紛争
は当初ウクライナ政府軍が優位でしたが、最近では親ロ派
が最新兵器を(どこからか)調達、勢力を盛り返している模
様です。先の米国の武器供与の示唆はウクライナ政府軍へ
のてこ入れとなりますが、このことは戦闘の泥沼化につなが
る危険も高く、ぎりぎりの判断が迫られる状況です。
国連によると、今回の紛争の被害者は2014年4月から市民
も含めて死者5,358人と報告され、実際にはこの数字を上回
200
債券価格 (ドル)
80
60
40
14年2月
グリブナ/ドル
ウクライナ国債価格(左軸)
グリブナ(右軸)
27
22
17
12
14年5月
14年8月
14年11月
7
15年2月
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
ピクテ投信投資顧問株式会社
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