Today’s Headline ご参考資料 ご参考資料 “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン アジア 2015年2月18日 インドネシア利下げに見る、金融政策の傾向 世界の多くの国・地域が金融緩和姿勢を強める中、金融引き締め政策を採用していたインドネシア中銀が利下げを 決定しましたが、金融政策を調整した動きであって、本格的な金融緩和に至るには他の要因が必要と見ています。 インドネシア中央銀行: 予想外、政策金利を7.50%に引き下げ インドネシア中央銀行は2015年2月17日、市場予想に反して 主要政策金利であるBIレートを7.50%とこれまでの7.75%から 0.25%引き下げました(図表1参照)。市中銀行が中銀に預け る翌日物預金に支払う預金ファシリティー金利(FASBIレー ト)も0.25%引き下げ5.50%に設定した一方、貸出ファシリ ティー金利は8.00%に据え置いています。 インドネシア中銀は昨年11月、インフレ抑制を目指し緊急利 上げを実施し、BIレートを7.75%に引き上げています(図表1参 照)。原油相場の下落などで、インドネシアのインフレ率は足 元(2015年1月)に約7.0%に低下しています(図表2参照)。 どこに注目すべきか インドネシア政策金利、インフレ率、経常赤字 世界の多くの国・地域が金融緩和姿勢を強める中、インドネ シア中銀は金融引き締め政策を採用していました。今回イ ンドネシア中銀は利下げを決定しましたが、足元のインフレ 率の低下に合わせて金融政策を調整した動きで、本格的な 金融緩和姿勢には、更なる景気悪化などの要因が必要と思 われます。 まず、インドネシア中銀の声明文で利下げの理由としてイン フレ率の低下と経常赤字を抑制するというインドネシア中銀 の方針に沿っていると説明しています。ただし声明文による と経常赤字の対GDP(国内総生産)比率が2014年7-9月期の 2.99%から10-12月期は2.81%へ改善した程度で理由としてや や弱い印象を受けます。 一方、インフレ率低下の背景はインドネシア政府が原油価 格の下落を燃料価格に反映できるよう、2014年12月末に燃 料補助金制度に固定制(市場価格に固定コストを上乗せす る方式)を導入したことや、2015年1月に追加の燃料価格の 引き下げを実施したことなどによります。インドネシア中銀は 2014年11月に利上げを実施しました(図表1参照)が、その後 ピクテ投信投資顧問株式会社 の政府の政策でインフレ率が低下したことに金融政策を合わ せた格好です。インドネシア中銀の声明文でも政府の政策と の一体感の重要性が指摘されています。 最後に、今後の金融政策の方向性についてです。政策金利の 7.5%は高い水準で依然引き締め政策ですが、当面引き締め政 策を維持するものと見られます。インフレ率は足元、低下した とはいえ水準は2015年1月で前年同月比約7%とインドネシア 中銀のインフレ目標の上限(5%)を大きく上回っているからで す。また、仮に金融緩和を積極化させればルピア安が進行す る懸念があり、経常赤字拡大も懸念されます。 金融緩和による景気下支えも魅力ですが、補助金の削減が 実現したインドネシアには、インフラ投資拡大による景気てこ 入れに重点を置く可能性があると思われます。 図表1:インドネシア政策金利の推移 (日次、期間:2009年2月17日~2015年2月17日) 8.0 % 7.5 7.0 6.5 6.0 5.5 09年2月 インドネシア政策金利 2014年11月 緊急利上げ 11年2月 13年2月 15年2月 図表2:インドネシアの消費者物価指数(CPI)の推移 (月次、期間:2012年1月~2015年1月) 9 % 燃料価格の下落でインフレ率低下 7 CPI(前年同月比) 5 3 1 12年1月 インフレ目標 上限=5% インフレ目標 下限=3% 13年1月 14年1月 15年1月 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 ●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的と したものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用に よる損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆 あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、 その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、 作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本およ び利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構 の対象ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりませ ん。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するも のではありません。
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