Pictet Market Flash

ご参考資料
ピクテ・マーケット・フラッシュ 2015年3月17日
先進国
Pictet Market Flash
ユーロ圏鉱工業生産指数:製造業部門は本格回復に至らず
2015年1月のユーロ圏鉱工業生産指数は前月比-0.1%となり、市場予想に届きませんでした。また、足元発表の主
要経済指標も、製造業セクターの低迷を示唆するものとなっています。一方、サービス・セクターならびに建設セク
ターは改善基調にあり、域内経済への貢献が期待されます。
図表1:ユーロ圏、米国の鉱工業生産指数推移
ユーロ圏の製造業活動は依然ぜい弱
鉱工業生産指数、製造業購買担当者景気指数(PMI)、
製造業受注指数等、直近発表された経済指標は、い
ずれも、ユーロ圏製造業セクターの低迷を示唆するも
のとなっています。実際のところ、域内経済の改善は、
建設セクターならびにサービス・セクターの改善に因る
ものが大半であり、世界的な需要の低迷を背景に、製
造業セクターの回復は、未だ限定的です。
1月の鉱工業生産指数は市場予想に届
かず
2015年1月のユーロ圏鉱工業生産指数(建設を除く)は、
前月比-0.1%と市場予想の同+0.2%に届かず、4ヵ月連
続の低下となりました。一方、2014年12月改定値は同
+0.3%と、速報値から0.3ポイント上方修正されました。
この結果、1月の数値は2014年10-12月期比+0.2%とな
り、10-12月の前期比+0.4%を下回りました(図表1参照)。
域内各国は強弱交錯
指数の国別内訳は強弱交錯となりました。ドイツは前
月比+0.6%、フランス(前月比+0.4%)ならびにスペイン
(同+0.2%)はいずれも2ヵ月連続のプラスとなりました。
一方、イタリア(同-0.7%)はマイナスに終わりました。域
内中核4ヵ国のうち、1月の数値が2014年10-12月期比
でマイナスとなったのはイタリアのみでした。
耐久消費財が下げをけん引
部門別内訳では、耐久消費財(前月比-2.2%)ならびに
中間財(同-0.5%)がマイナスとなり、資本財ならびに非
耐久消費財は前月比でほぼ変わりませんでした。一方、
(月次、期間:1999年1月~2015年1月(米国は2015年2月))
115
110
米国(右軸)
110
105
105
100
100
ユーロ圏(左軸)
95
95
90
90
85
85
99年
01年
03年
05年
07年
09年
11年
13年
80
15年
出所:ピクテグループのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
エネルギー部門は、前月比+0.9%と好調でした。
1月の(エネルギーならびに建設を除く)製造業生産は、
前月比-0.3%となり、2014年8月以来の最低水準となり
ました。
2015年1月のユーロ圏鉱工業生産指数は、購買担当
者景況感指数(PMI)、欧州委員会サーベイ等、足元の
景況感指数や製造業受注指数と同様、1-3月期の低
調な製造業活動を示唆するものとなりました。原油安と
ユーロ安が域内産業セクターの押し上げ要因となった
かどうかは今のところ確認されず、したがって、当期
GDP(域内総生産)成長率への寄与度は控えめな水準
に留まる公算が高いと考えます。
もっとも、サービス・セクターならびに建設セクターは改
善基調です。域内経済は、今後数ヵ月にわたり、両セ
クターの改善の恩恵を享受するものと考えます。また、
直近(1月)の小売売上高統計も、個人消費の一段の
改善を示唆するものとなっています。
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