Today’s Headline ご参考資料 ご参考資料 “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン 欧州 2016年11月28日 ロシア、投票結果がもたらした?関係改善期待 トランプ次期大統領が選出されたことで、米国利回りが上昇する一方、新興国全般で資本流出などが想定される通 貨の下落が見られましたが、ルーブルは経済指標の改善と政治問題の改善期待を背景に底堅い動きが見られます。 ロシアルーブル:米国トランプ次期大統領選 出後も安定的に推移 米国大統領選挙でトランプ氏が選出されてから新興国通貨 は全般に下落しており、新興国市場の通貨の動きを示す指 標であるJPモルガン新興国市場通貨指数は米国大統領選 挙(11月8日)を終えて大幅に下落しています(図表1参照)。 しかし、ロシアルーブルの変動は小幅にとどまっています。 どこに注目すべきか: ロシアインフレ率、EU競争法、トルコ ピクテ投信投資顧問株式会社 図表1:ルーブル(対ドル)と新興国市場通貨指数 (日次、期間:2015年11月25日~2016年11月25日) 70 ルーブル/ドル 通貨指数 60 65 68 70 75 66 80 JPモルガン新興国市場通貨(左軸) 85 ルーブル(対ドル、逆メモリ、右軸) 90 16年3月 16年7月 16年11月 64 62 15年11月 高 通貨 安 トランプ次期大統領が選出されたことで、米国利回りが上昇 する一方、新興国全般で資本流出などが想定される通貨の 下落が見られましたが、ルーブルは経済指標の改善と政治 問題の改善期待を背景に底堅い動きが見られます。 主な理由は次の通りです。 1点目は、ロシア経済指標の改善です。特に消費者物価指 数(CPI)は10月が前年同月比で6.1%を記録するなど、一時 10%台で推移していたことに比べ改善が見られます(図表2参 照)。ただ、インフレ率が低下したとはいえ、ロシア中銀のイ ンフレ目標4%を上回る水準で、政策金利の引下げに慎重な 姿勢を見せているのもルーブルのサポート要因と見られま す。経済成長は依然マイナス圏であるのは気がかりですが、 先行性の見られる製造業購買担当者景気指数(PMI)は回 復傾向です(図表2参照)。 2点目は、政治問題の改善期待です。ロシアと欧州連合 (EU)は、2011年以来EUがロシア国営会社に対してEU競争 法(独占禁止法)に違反するとして争ってきました。2014年か らはウクライナ問題も絡んで問題は深刻となりました。しかし、 EUは制裁金などによる解決から、より穏便な和解策を模索 していることが報道されています。これにより、ロシアの欧州 へのガス供給が増加する可能性が高まっています。恐らく、 打開のきっかけの1つがEUの中で強行に反ロシアの姿勢を 示していた英国のEU離脱です。 また、好き嫌いの問題は置くとして、ロシアはロシア軍機撃 墜で悪化していたトルコとも関係を改善しています。英国のEU 離脱選択後、トルコは7月のクーデター未遂後の8月にロシア に謝罪しています。憶測ながら、EUとロシアの関係改善を見 越していたのかも知れません。 最後に米国との関係改善期待です。トランプ次期大統領がロ シアとの関係改善を示唆していることから、市場ではロシアの 最大の懸案である西側諸国からの制裁解除を期待する声も 聞かれます。ただ、トランプ次期大統領の対ロシア政策が具 体化するのはこれからで、あくまで希望的観測と見る冷静さが 必要と思われます。 ロシア経済に回復の兆しは見られるものの、回復は途上で依 然低水準にとどまっています。政治面での関係改善がロシア の景気回復につなげられるかが今後の注目点と見ています。 図表2:ロシアCPIと製造業PMIの推移 (月次、期間:2013年11月~2016年10月、CPIは前年同月比) 53 PMI(左軸)% CPI(右軸) PMI指数 17 14 51 11 49 47 13年11月 8 5 14年11月 15年11月 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 ●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的と したものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用に よる損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆 あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、 その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、 作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本およ び利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構 の対象ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりませ ん。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するも のではありません。
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