(2)合理的意思決定のプロセス [意思決定の規範的モデル] 問題認識 設 計 選 択 (a)何が問題なのかを把握する (b)目的を明確にする 創造力豊かな選択肢をつくりだす (a)予想される結果を見極める (b)妥協点を探り、選択肢を選び出す (2)合理的意思決定のプロセス (continued) ①問題認識活動 (a)何が問題なのかを把握する • 何が考えるきっかけとなったのか自問する • 問題に含まれる制約条件を見つけだす (b)目的を明確にする • 願望・関心事をリストアップし、簡潔な言葉で 目的に置き換える • 中間目的と最終目的に分類する (2)合理的意思決定のプロセス (continued) ②設計活動=創造力豊かな選択肢をつくりだす • 最初に目の前に現れた選択肢を安直に選ばず、 良い選択肢を作り出すために考える時間を取る • 創造力を働かせて、多くの選択肢を生み出す • 選択肢の評価は後回しにする • 検討する期間を定めておく (2)合理的意思決定のプロセス (continued) ③選択活動 (a)予想される結果を見極める • 予想される結果を可能な限り正確・明瞭に記述 する • 主要な不確実性と向き合う (b)妥協点を探り、選択肢を選び出す • 目的の重みづけに従って、一つの価値判断に 集中する (3)規範的モデルが有効である条件 • 問題が明確で、目的を事前に確定できる • 選択肢を探索・評価するための(時間的・ コスト的)余裕が十分にある • 正確な情報の入手が容易で、情報処理 に歪みがない • 選択肢を評価する価値基準が矛盾しない 3.合理性の限界 (1)われわれの情報処理 注意・感情・意図 情報のインプット 情報のアウトプット =知覚 =行動 作業記憶 長期記憶 (2)知覚・作業記憶の問題 • 環境のすべての情報をまとめて捉えることはでき ない →注意や関心をもとに選択的に環境を知覚 • われわれの作業記憶の容量はきわめて限られ ている →作業記憶の容量は7±2チャンクにすぎず、 ごく短時間しか保持されない • 計算能力も極めて限られている (3)長期記憶の問題 • 記憶の再構築という問題 =断片的な記憶が、自分の納得しやすい 図式やストーリーにいつのまにかすり替 わってしまうこと →記憶は経験の忠実な記録ではない • 記憶の過程には意味が介在する (4)複雑な世界 • 決定論的世界観 =科学が進歩すれば、物事の因果関係が解明さ れ、情報を集めることで将来が正確に予測で きるようになる • カオス的世界観 =非常に単純な因果法則からもきわめて複雑 な動きが生じることがあり、将来の確実な予 測は極めて困難 4.処方的アプローチへ (1)規範的モデルの限界 • 最善(ベスト)の選択肢を選ぶために、規範的モ デルを厳密に適用した意思決定を行うことは現 実的にはきわめて難しいことではないか? • 現実的には、選択にかける時間や労力を節約し つつ、一定の基準を超えたベターな選択肢を選 ぶことで満足する傾向が強い =満足化原理による選択 ←→ 最適化原理による選択 (2)処方的アプローチの必要性 • 制約された合理性しか達成できないわれ われは、ベストの意思決定をいつもできる わけではないが、ベターの水準を向上させ ていくことはできるはず • 実際にどのように意思決定しているのかを 踏まえて、意思決定の改善を図るための 処方的アプローチが必要 [参考:満足化原理の選択] 5 要求水準以上 2 1 棄却 要求水準未満 4 採択 未探索 棄却 3 棄却 :考慮される 代替案の 順序 時間
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