Ⅵ 組織の意思決定 1.組織の定義 2.分業の採用 3.調整メカニズムの基本 4.増大する不確実性への対応 5.組織学習と変革 1.組織の定義 • 組織とは、共通目的達成のために協働 を行うしくみ(もしくは行っている状態) ○組織の成立条件 ①(受けいれられている)共通目的 ②(高い)貢献意欲の維持 ③(安定した)コミュニケーション 2.分業の採用 (1)分業による有効性追求 ○集団との違い:協働の有効性が問題とされる • 組織の根拠:個人の能力的制約 →メンバーの特徴を活かしながら、仕事を分担 (分業)することで協働の有効性を追求 • タスク(業務)の分業→意思決定の分業 (2)分業と調整(continued) • 分業化された意思決定の意識的な調整が 行われなければ、組織の有効性は実現さ れない →個々の意思決定の整合性を取るために 調整のしくみ(組織構造)が必要となる • 個々のタスクでの意思決定の質だけでなく、 分業や調整のしくみについての意思決定 の質も組織の有効性を左右する (3)分業のタイプ ①垂直分業(←→水平分業) =調整・管理に重点を置いたタスクと 実行に重点を置いたタスクに 分割すること 調整・管理 実行・作業 (3)分業のタイプ(continued) ②水平分業 (a)並行分業:同一(類似)の作業プロセスを複製 して、数量の分担を行うこと (b)機能別分業:全体に対して果たす機能に応じて タスクを分割すること • これらはさらにタスクの配置が (α)並列型か(β)直列型か によって分類できる (3)分業のタイプ(continued) 直 列 型 ②シフト制(直接型・ 並行分業) ③直列型・機能別分業 並 列 型 ①並列分業 ④並列型・機能別分業 加算的集計 機能的統合 (4)機能別分業の利点 • 設備などの共有効果 *並行分業も該当 • 熟練形成の効率化(教育訓練が短期化す る) • 経済的な人材確保・活用(必要とされる能 力が限定される) • 知識の専門化 • 自動化の促進効果(効率化のための工夫 が行われやすくなる) 3.調整メカニズムの基本 (1)事前の調整と標準化 • 分業されたタスクを統合するための調整がなけ れば、組織の有効性は実現されない • タスクが遂行される前に標準化に基づいた「事 前調整」を行い、問題が生じた場合に「事後調 整」を行うという二段階で調整が実施される • 標準化=異なるタスクが統合できるように、何ら かの標準を多数の人(部署)で共有したり、時 間を超えて共通に用いたりすること (2)プロセスの標準化 ○(意思決定の)プログラム化:規則や作業手順 などを用いて、処理プロセスを標準化すること • プログラム化のメリット (a)調整コストの軽減 (b)意思決定のスピードアップ・安定化 (c)教育訓練の容易化 • 完全なプログラム化は不可能→どの程度まで プログラム化するかを検討する必要 (3)例外管理による事後調整 • 規則や手続きといった標準化で処理でき ない例外事項の解決に関して、事後的に コミュニケーションを通じて調整を図る • ほとんどの場合、コミュニケーション・コスト を節約するために、例外管理は垂直分業 (階層化)にもとづいて行われる =調整に専念する上位階層に例外事項に 関する意思決定が委ねられる
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