「妻は神様からの贈りもの」シリーズ 第一話 ==叫ぶような祈り== 18

「妻は神様からの贈りもの」シリーズ 第一話
==叫ぶような祈り==
18歳のときに、キティーちゃんとピノキオの二人に別れを告げて、
喪失感と罪悪感から、魂の抜け殻のようになってしまった私ですが、
もうだれにも頼ることはできない、なぐさめてくれる人もいない。
これからどうしたらいいのだろうと、ただうなだれているだけでし
た。
そんなとき心の隅に、
「祈りなさい」とささやく声を聞いたのです。
その声は、きっと聖霊の声だと思いました。
私はふと目覚め、そうだ、祈ろう!と思ったのです。
それから、少し瞑想して、何をどのように祈ろうかと考えました。
できるだけ、具体的に整然と語りかけるように祈りなさいと教会で
教えられていたからです。
しかし、なかなか考えはまとまりませんでした。
そんな精神状態ではなかったのです。
しかし、
「祈りなさい」とまた促しを受けましたので、
しかたないから、心に思い浮かぶまま祈り始めました。
これがそのときの祈りです。
===========================================
「愛する天のお父様、祈る勇気と信仰を
お与えくださいまして感謝します。
聖霊の導きに感謝します。
私は愚かな息子です。
あなたの尊い、清らかで優しい二人の娘を、
傷つけ苦しめてしまいました。
一人は活発な教会員であり、
私が失恋の苦しみにあるときに、
私の側に寄り添い慰め励ましてくれた
素晴らしい姉妹です。
しかし、そんな麗しい聖徒を私の愚かな行いのために、
信仰を失わせ、おやすみ会員にしてしまったのです。
私の罪は大きく、どう償ってよいのかわからないでいるのです。
もう一人は、私が初めてめぐり会えたガールフレンドで、
初めて生涯忘れられないデートをした人です。
とてもきれいで、意地らしい女性でした。
彼女は、私の勧めに応じて、宣教師から二度レッスンを受けていま
した。
そのような大切な二人を私の愚かさのために傷つけ苦しめてしまっ
たのです。
私はその二人を同時に失い、残念で悔しい気持ちと罪悪感で押しつ
ぶされそうです。
愛する天のお父様、
どうか、この二人を慰め、癒し、力付けてあげてください。
彼女たちが、一日も早く立ち直れますように、心からお祈りします。
また、愚かな私を懲らしめてください。私は苦しい思いでいっぱい
ですが、清めていただけるなら、どんな懲らしめでも受けます。
御心のままになさってください。
しかし、
あなたの慈愛を受けられますように、心から願っています。
愛する天のお父様、私はこれらのことの全てを、こころから
へりくだりイエス・キリストの御名によりお祈りします。
アーメン
==============================
私はこのような祈りを何度も繰り返していました。そして疲れて寝
てしまいました。
そしてふと目覚めたあと、私は驚くべき答えを受けたのです。
to be continued (次回に続く)
※アーメンというのは、「終わります」という意味です。
また、もし人々の前で代表して祈っているのであれば、祈った人が
アーメンと言った後に
聞いてた人たちが、「アーメン」と言えば、「賛成します。同意しま
す。」という意味です。
「妻は神様からの贈りものシリーズ」 第二話
======慈愛に満ちた祈りの答え======
.
第一話 「叫ぶような祈り」を読んでくださり、ありがとうございま
した。
私と妻とのなれそめを書くためには、
どうしても宗教的な表現をしなければなりませんでした。
.
そのために、キティーちゃんシリーズでは、
あえて妻との出会いについては触れませんでした。
.
なかなか特殊な例で、あなたに、うまく伝わらないのではないかと、
心配したからです。
.
しかし、このシリーズでは、
あるがままに知っていただきたいと思いました。
.
そうでないと書けませんし、読んでくださるあなたも、
違和感を感じてしまうだろうと思ったからです。
.
何事も正直でないと、心に訴えるものは弱くなります。
そのため、きょうの表現もかなり特殊なもので、
おそらくあなたは、初めて聞く言葉のやり取りで、
.
「あれ!何だろう?」と、
.
思われることでしょう。
それくらい特殊な表現をしています。
.
しかし、これは現実のやり取りで、どこかの文献を引用した物では
ありません。
経験者でないと書けないような内容だと思います。
.
それでは、前置きが長くなりましたが、本文に入ります。
私は祈り続けて疲れてしまい、ついに寝てしまったのです。
しかし、夜中にふと目が覚め、まだ祈り終えていない事に気付き、
もう一度祈り始めました。
.
その祈りの途中で、おだやかな気持ちになり、
心が開けていくのを感じました。
ときどき経験することですが、
祈りの答えを受けるときの状態です。
.
部屋中に柔らかい光が満ち、真昼のように明るくなるのです。
優しい光です。
一瞬にして全ての傷を覆い、ぬぐい去ってしまうのです。
.
全く痛みを感じなくなるのです。
そして、天国にいるような、時限の違う世界
に入ったような気持ちになるのです。
.
そして、あたかも声で聞くように、はっきりと心で主のみ言葉を
感じ取ることができたのです。
.
そのときの言葉は、次のようです。
.
「息子よ、良く耐えた。
我は汝の叫びを聞いた。
汝の苦しみを知った。もうよい。
我が汝を受け入れたればなり。
汝が祈りし二人の我が愛する娘につきては、
我が養いを与えるが故に、汝これより先、憂うることなかれ。
元気を出せ。勇気を出して日々の勤めに励め。
我が、汝にとりて最もふさわしいと思う時、
我は、我が愛する娘を汝に与えるであろう。
そのとき汝は、これによりて大いに喜べ。
慰めを得よ。
そのときがすみやかに来るよう、常に祈れ。
これは、我が汝にうる祝福なり。
それ故、汝これより嘆くことなかれ。
希望をいだきて、日々の勤めに励め。
その日来たらば、我は汝に一つの印を与えん。
それによりて、我が汝に与えたる、
我が愛する娘であると知らしめん。
すなわち、汝が我が与えたる娘に会うとき、
我は汝の心の内に激しく燃やさん。
これによりて汝は、我が汝に与えたる娘であることを知るであろ
う。」
という約束でした。
そのため私は希望をもって、もう苦しむことはなくなったのです。
To be continued (次回に続く)
「妻は神様からの贈りもの」シリーズ第三話
ーーーーころころコロッケみたいな田舎娘現れるーーーー
私が20歳のとき、
私が集っている教会に、時々赤いほっぺのダサイ田舎娘が
訪問するようになりました。
あの姉妹はなんだろう?どうして時々ここに来るのかな?
くらいで、私はその姉妹に対しては、最初全く興味ありませんでし
た。
ところが、毎年3回くらい、私が集っている教会に来たので、
少し見慣れたせいか話をするようになりました。
彼女は、群馬県と長野県の境にある山村の出身で、
高校卒業後、東京の弱電工場に就職して、
夜間の短期大学に、保母の資格を取るために通っていたのです。
そのため、大型連休になると実家に帰り、
日曜日は私たちの教会に集っていたのでした。
ですから、年に3回くらいお目にかかっていました。
彼女が、18歳、19歳、20歳までの3年間
見かけていました。
私は、それとなく様子を観ていたのです。
すると、年月が経つにつれ、彼女は変貌していきました。
ちょうど、そういう年代なのでしょうか?
18歳くらいのときは、クリームコロッケでしたが、
19歳になると、やせてきました。だいぶ絞れてきました。
ダサイ印象もうすれ、社会人らしくなり、
芋ねえちゃんのイメージはうすれてきました。
彼女は、焼き芋が好きだと言っていたので、
私的には。「コロッケ芋ねえちゃん」たったのです。
しかし、会うたびにやせて、スタイルも良くなり、
ほっぺの赤みも取れ、タマゴ型の小顔で、きれいになっていきまし
た。
でも、まだ付き合おうという気持ちにはなれませんでした。
私に対する、神様の約束を覚えていたからです。
私が22歳で彼女が20歳のとき、
また彼女は、私たちの教会を訪問しました。
集会後、
「何時に帰るの?」と私が訪ねると、
「電車の時間まで、まだあと1時間位あります。
」
というので、
駅まではどうするの?と尋ねると、
「バスで行きます。時間はバス停に行ってから見ます。
」
という返事でした。
この辺は、そんなにバスの本数がないので、遅れたらどうするのか
な?
けっこうアバウトな姉妹だなと思いました。
そこで、じゃとりあえず、暇つぶしをした後、
私が駅まで送ってあげるからおいでよ。と誘い、
車で近くの山まで行きました。
これは、この地域では有名な観光地で、
キティーちゃんと何度か行った山です。
そこで時間つぶししてから駅まで送って行きました。
このときも、全く何も感じませんでした。
ただ、送っただけでした。
そしてまた1年が過ぎ、彼女は3年間の夜間短大を卒業して、
保母の資格を取り、群馬県のとある乳児園に就職して、
私たちの教会の地域に、引っ越してきたのです。
1976年の4月の初旬、私が23歳、彼女が21歳で再会します。
そのとき、天のお父様の約束の言葉が、成就したのです。
すなわち、
「汝が、我が汝に与えし我が愛する娘に会うとき、我は汝
の心の内に激しく燃やさん。それによりて汝は、その娘が、我が汝
に与えし娘であることを知るであろう。
」
この言葉が成就する瞬間を経験するのでした。
すさまじい経験をしました。正に神様の約束が成就したのです。
to be continued (次回に続く)
「妻は神様からの贈りもの」シリーズ第四話 予告編
==この激しい衝動は何なのか!?この燃えたぎる気持ちは何なの
か!?あぁー、そうだ!正にこの姉妹だ!神様が私に約束されたの
は、この人だ!==
「妻は神様からの贈りもの」シリーズ第四話
===この激しい衝動は何なのか!?=====
1976年の4月の初旬、私が23歳のとき、
教会で若い人たちの集いがあったので、夜の7時ころ行きました。
私は少し送れて行ったので、教室のドアは閉じていました。
そのためドアーを開けて教室の中に入って行ったのですが、
ドアを開けた瞬間に、私の直線上の前の奥に、見慣れない若い姉妹
が座っていました。
少しうつむき加減で、心配事がありそうな、不安そうな、
そんな憂いが感じられる姉妹でした。とてもきれいな姉妹でした。
あれ!キティーちゃんがいる!そんなバカな。
いるわけないじゃない。
でも、似てるな!?
その姉妹は、キティーちゃんのように、
内巻カールで、たまご型の小顔でした。
ですから、ぞくっとしたのです。
なんか良い感じだな!俺のタイプだな!と思いつつ
じっと見ていたら、あれ!あのときの姉妹だ!
なんでこんなに変わったんだ!
まるで別人じゃないか!
声を聞いて、ああっ、間違いない。
たまにここにきていた、あのコロコロ姉妹だ!
そう思ったとき私の胸に衝撃が走りました。
あれ!この燃えたぎる気持ちは何なのか!?
ああっ、もしかしたら、、
、
、、
、
、、これが、神様の答え?
ああっ、そうだ!そうだ!間違いない!
神様が私に約束されたのは、この人だ!
そう確信してしまいました。
それから、胸の激しい鼓動が始まり、
心の内が激しく燃え上がってしまったのです。
その胸の高鳴りは続いて、どんどん激しくなりました。
ああ、どうしよう?どうしよう?と、
どうしていいかわかりませんでした。私は明らかに
動揺していました。
その私の異変を周りの人に気付かれないように
抑えるのが大変でした。
仕方なく、部屋を出て祈りました。
「天のお父様、私のこの胸の動揺、燃え上がる気持ちは何でしょう
か?あの姉妹が、あなたが私に与えると約束された姉妹ですか?」
と、するとはっきりと、心にまた新しい気持ちが燃え上がってきた
のです。
「それでよい」
の一言が胸に響きました。
私はもういても立ってもいられなくなりました。
少し落ち着くのを待って、でも感激でいっぱいで、
確信もって、教室に戻りました。
そして集会終了後に、彼女にアプローチしました。
○○姉妹、久ぶりですね! 元気でしたか?
「はい、なんとか。
」
きょうは、こんな時間にどうしたんですか?
「こちらに引っ越して来たので、今日の集会に来ました。」
そうなんだ。でも、ずいぶん変わりましたね!
「何がですか?」
1年前とは別人みたいだったので、最初はわかりませんでした。
髪型も、顔も、スタイルも、服装も全部変わってしまいましたね。
とてもきれいになったので驚いてしまいました。
「そうですか、そんなことありません。私は少しも変わっていない
と思います。自分ではわからないのかもしれませんね。
」
ところで、もう9時になるけど、帰りはどうしますか?
「バスで帰ります。
」
でも、バス停までは遠いし、バスの乗り時間もかかるし、
バスから下りてまた歩くわけでしょう?
これから1時間くらいかかっちゃうよね。
車で行けば、15分くらいだから、もしよかったら、
私が送りますよ。
「そうですか?無理じゃないですか?」
全然無理じないよ。
「じゃ、お願いします。」
ということで、私は彼女と二人で話す時間を確保できたのです。
送って行く車の中で、唐突ですが、
私は初めて彼女に、私のこれまでの状態、
私に対する神様の約束について告白しました。
すると、思わぬ返事があり、また感激してしまいました。
to be continued (次回に続く)
妻は神様からの贈りもの」シリーズ第五話
「はい、わたしもそう思います。南兄弟に従います。
」
==================================
久しぶりに彼女に会った時は、17歳の時のキティーちゃんに似て
いてぞくっとするほど驚いてしまいました。
なんでここにキティーちゃんがいるのだろう?とさえ思ったのです。
それほど、特徴が似ていました。
・肩より少し長い髪で、しかも内巻カール
・タマゴ型の小顔
・心配事がありそうな、憂いに満ちた表情
これらは、私の心をかきたてました。
私は、心の高鳴りを抑えながら話し、彼女の家まで送って行くこと
になりました。
その車の中で、私は抑えきれない思いを話し始めました。
姉妹、私のことどう思っていましたか?
これまで4年間の中に何度かお会いしていましたよね!
「いい人そうだな、と思っていました。
」
私は4年前に失恋して以来だれともつき合っていませんでした。
神様と約束していたことがあったからです。
神様は私を励ましてくれて、やがてふさわしい時に、
私に最もふさわしい姉妹を与えてくださると、約束されていました。
神様が私のために備えていてくれた姉妹に、私が会う時に、
私の心の内に激しく燃やし、その姉妹が私に与えられた姉妹である
ことをお示しくださるという約束を受けていました。
姉妹は、こういうことを信じますか?
「はい、信じます。
」
私は今日、姉妹に会ったとき、突然激しい衝動に見舞われ、
動揺しました。胸の内に激しく燃えるものを感じ、いても立っても
居られなくなり、部屋から出てお祈りしました。
そして確認したのです。
「神様、この姉妹があなたが私にお与え下さると約束された姉妹で
すか?私の胸の内に激しく燃えるものがあり、抑えることができま
せん。
」
と。
すると、
「それでよい」
という答えを受けたのです。
姉妹、あなたはこのことを信じますか?
すると彼女は、
「はい、信じます。私もそのように思います。
私も私に最もふさわしい人を探していました。
そして、ふさわしい人が見つかりますように祈っていました。
ふさわしい人に出会ったときに、心が燃えてそれがわかりますよう
に、と祈っていました。そして、今南兄弟のお話を聞いて、とても
心に燃えるものを感じます。正にこの人だと思いました。
長い間の祈りが今応えられたと証します。
」
そうか、
、
、
私も全く違和感ない。正に神様のみ業であると証できます。
それじゃ、結婚する? はい、しましょう!
と、婚約成立したのです。
To be continued (次回に続く)
妻は神様からの贈りもの」シリーズ第六話
==神様は、なんて乙な事をされるのだろう。なんて粋なことをさ
れるのだろう!==
私が彼女を車に乗せて、彼女のアパートまで送って行く車の中で、
私のこれまでの様子や、神様との約束や、今日の出来事について包
み隠さず、簡潔明瞭に話しました。
とにかく、初めて彼女に打ち明けたのですが、
彼女の反応はごく自然で、私の言う事を予め知っていたかのように、
全く驚きもせず、当然のことのように、承諾したのです。
私は驚いてしまい、これは正しく神様の約束が成就したに違いない
と再確認したのです。
あっけなく婚約が成立したので、私たちは早速支部長さんに
婚約の報告をすることにしました。結婚の準備に入るためです。
当時の支部長さんは、大変驚いた様子でしたが、大変喜んでくださ
り、いくつかの質問と今後の準備について指示を与えてくださいま
した。
その一つに、経済的には大丈夫ですか?収入は大丈夫ですか?
ということを聞かれたのを覚えています。
また、お仲人さんを決めてお願いしたり、
両親に会って結婚の承諾をもらったり、
結婚式の実行委員会を組織したり、
これからやることは沢山あります。
と言われたことを覚えています。
更に、これからいろいろな誘惑や妨害の力も働くと思いますので、
気をつけてください。
特にこれから、結婚するまでの間、純潔の律法を守ってください。
しっかりお願いします。
神様に受け入れられる結婚ができるように準備しましょう!
と励まされ、いよいよスタートを切ったのです。
その後私たちは、週2~3回くらい会うようになりました。
暇さえあれば会いに行っていたというのが正解かもしれません。
一緒にいるときが楽しくて楽しくて、心の隙間がピタッと埋まって、
安心と安定感のある気持ちになれたのでした。
私たちは、神様の計画によって、3年前からチラチラと会わされて
いたのです。
そして、今回彼女が21歳、私が23歳になったこのとき、すなわ
ち、初めて出会ってから4年目のこの日にまた衝撃的な出会いをし
たのです。
考えてみると、神様は私たちに、予めある程度の認識をさせておか
れたのかもしれません。
そして、それぞれを鍛えておかれたのです。彼女は3年間のうちに
すごく変わりました。社会で苦労して磨かれたのでしょう。
私もずいぶん訓練されました。警察という閉ざされた社会で、
また、教会で。
そしてなにより神様に直接訓戒を与えられて訓練されていました。
そして、やっと約束の日が来たのです。
私は彼女に会って驚いたことが二つありました。
一つは、キティーちゃんによく似ていたこと。あのコロコロ娘が、
3年間の中に、容姿が見違えるほど変わったのです。まるで、蛾が
蝶になったようです。
ときどき、あれ!キティーちゃんがいると思うのです。
車に乗せてふと横顔見ると、ああー、キティーちゃんにそっくりだ!
うれしくなっちゃうな!
神様はなんて乙なことをされるのだろうか?
私の好みの顔をよくご存知だ!
だれが、あのコロコロ娘がこんなに変わると思うだろうか?
おもしろいな!と思うことがよくありました。
彼女が髪型どうしようかな?と私に聞くことがありました。
そのたびに、ああ、その長さで、内巻カールが一番似合ってるよ。
俺、それ好きだな。と応えていました。
更に驚いたことに、彼女は料理が得意で、夜の集会が教会であると
き、弁当を作ってきてくれたのです。それがまた彩りもよく、旨い
のなのって、うれしくなりました。
その上、帰りの車の中で、お菓子を私の口に、当然のように運んで
くれたのです。そのとき、
あれー、ピノキオだ!
と、ピノキオを思い出してしまい、ピノキオと一緒にドライブして
いるような錯覚にさえ、陥ってしまったことが何度もありました。
私がかつて、涙を流しながら別れた二人がそこにいるのです。
あるときはキティーちゃんがいて、あるときはピノキオがいるので
す。
こんなことっていいのかな?と思って一人でニヤニヤしていたこと
がありました。
このように彼女は、キティーちゃんとピノキオの特質を、併せ持っ
ていたのです。
ですから、神様って本当に遊び心があって、乙な事、粋な計らいを
されるのだなと思いました。
結婚までまだ時間がかかりましたが、すぐに会える、いつでも会え
るというのは大変な喜びでした。
To be continued (次回に続く)
「妻は神様からの贈りもの」シリーズ第七話
==わたしたち結婚することになりました==
なんか照れくさいな、婚約発表。
あれがプロポーズだったのか、良くわかりませんが、
なにしろ、「じゃあ、結婚する? はい、そうしましょう!」
ですから。あっけないんですよ。
でも、うれしかったんです。
長い間の苦しみから開放された瞬間ですから。
お互いの意思で結婚の準備に入れるのですから。
二人でいると私は、これまでにない安堵感がありました。
なにしろ、心に大きな穴が開いた状態で生きてきたわけですから、
一人でいるときは、いつも心に隙間風が吹いていました。
確かに、人は一人でいるのは良くないのです。空しいのです。
でもその心の穴は、そう簡単には埋まらなかったのです。
形と大きさがピタットくるものがなかったからです。
例えば、私の心の穴が、ひし形だとします。
そんな私の前に、いくらきれいで、気立てのよい女性が現れたとし
ても、その女性が三角形だとしたら、私の心の穴は埋められないの
です。
全くピタッとフィットするのでなければ、隙間風が入ったり、
ガタガタしたり、かえって患いになってしまうからです。
そんな私の事情を良くご存知な神様は、私の心の大きな穴に、
本当にピタッとフィットする姉妹を用意してくれていました。
隙間が開かないように、精密に加工してくれていたのです。
すなわち彼女を訓練し、鍛えて磨いてくれていたのです。
ですから二人で居るだけで、私はこれまでにない安堵感があったの
です。
ピタッとしている具体的な例を挙げると、
○考え方がほとんど同じ。同じ信仰だからかもです。
○肌の色と質、が私の分身かと思うくらい同じ。
○食べ物の好みが、刺身以外ほとんど同じ。
○誕生日が同じ。 私が2年先に生まれただけ。
○高校生のときの部活も同じ(バレーボール)
○一緒に居ると心の穴がピタッと埋まったのも同じ
以上の通りで心地よかったのです。
そんな訳で、結婚に向けての準備も二人の共同作業ですから、
楽しい時間でした。
支部長さんに言われた通り、私たちは一つ一つ準備して行きました。
先ず、お互いの両親に会いに行き、報告し承認をもらいました。
お仲人さんも決まり、結婚式の実行委員会委員長も決まり、
いよいよ、教会の聖餐会で婚約発表となりました。
これで、皆さんに見守っていただきながら、
結婚式の準備ができるなと思いました。
しかし、私はなんとなくはずかしかったです。
照れていたからです。
ところが、思わぬ邪魔が入ってきた。
なに?こいつら!人の幸せをぶち壊そうとするのか!
戦ってやる!
と思うようなことが起きました。
to be continued (次回に続く)
「妻は神様からの贈りもの」シリーズ第八話
=========とんだ邪魔が入った=======
私たちは、婚約したことを公に発表していただき、晴れて安心して
結婚の準備に取かかりました。
新居は、彼女が今住んでいる貸家に決まり、私が家財道具を運ぶこ
とになりました。でも、布団と着替えくらいしか持って行くものが
ないので、簡単でした。
それでも日用品や寝具を買う必要があるので、休日に二人で街のデ
パートに買いに行きました。
いろいろ買いましたが、私が車まで持って歩くのが恥ずかしいもの
がありました。
まくらです。変に所帯じみていやだったのです。他の物もキッチン
で使う物を彼女はいろいろと買っていました。
それらをまとめて持って歩いても、彼女は何のためらいもなく、
むしろ誇らしげに見えました。私は恥ずかしかったです。
その辺が、歳は近くても、男と女の精神構造の違いなのだなと思い
ます。
そのように、着々と準備していました。
そんなときに、私達には考えられない事が起きたのです。
私たちと同じくらいの歳の男性が、突然彼女の勤務している職場に
訪れて、彼女に、
「あなたの結婚する相手は、あなたにはふさわしくありません。南
さんはそんなに良い人ではありません。あなたが、夫にするべき最
もふさわしい人は、この僕です。今からでも遅くはありません。婚
約を破棄して、僕と結婚してください。
」
と言ってきたのです。
彼女は驚いてしまい、
「この人何言ってるんだろう?!こんな所に急
に来て、迷惑だわ。
」
と思い、勤務中なので帰ってくださいと話したそうです。
でも彼は一歩も引かず、ねばっていたそうです。
しかたないから他の機会に話をすることにしたそうです。
実は、この人は私たちと同じ教会員なのですが、支部が違うのでほ
とんど会ったことがなかったのです。
彼女が東京から群馬に引っ越してきてから、地方部大会があり、そ
の時に見かけたくらいで、面識のない、知らない人だったのです。
更には、私たちが婚約していたことは、彼の支部の指導者に聞いて
知っていたのです。この指導者にこの人が、彼女のことを相談した
とき、
「彼らは婚約はしているけど、まだ結婚したわけじゃないから、チ
ャンスは残っている。ダメだなんて考えずにアタックしてごらん。
」
とアドバイスと指南を受けていたのです。
私はそのことを知って、
「なんというひどい奴らだ!私たちの幸せを
ぶち壊そうとするのか!ふざけんじゃねえ、ぶっとばしてやる!」
といきり立ってしまいました。
私は、教会は良い人ばかりだ。と思っていました。事実私が辛いと
き、に大勢の兄弟姉妹に声をかけてもらい、励ましてもらい、助け
てもらっていました。
しかし、ときどきこういう変な人がいるのです。
教会といえども人間社会です。
しかも、どんな人でも受け入れるところなのです。
イエス・キリストの教えは、
・人を偏り見てはいけない。
・人を裁いてはいけない。
・人を責めてはいけない。
・寛容でなくてはいけない。
・健康な者に医者はいらない。
・あなたの腹中を慈愛にあふれしむべし。
・赦しなさい。
・わたしが世に来たのは、義人を招くためではない。
罪びとを招くためである。
・人を憎んではいけない。
・恨んではいけない。
・悪口を言ってはいけない。
・互いに愛し合いなさい。
ですから、
いろんな人を受け入れます。
そして、愛と教育訓練の必要な人が多いのです。
。
この男の人は、今の私の知識で振り返ってみれば、悪い人ではあり
ませんが、心の健全な人ではなかったように思います。
それだけに、彼女が振り切るのは難しと思っていました。
へたに断れば、今で言うストーカーになってしまいます。
かといって受け入れる訳にはいきません。
そこで、私の悩みが始まったのです。
私は、こういう人は普通に話しても通じないと思っていました。
わからせるには、相当強い刺激を脳に与えて、あきらめさせるしか
ないだろうと思ってしまったのです。
それは、顔が曲がるほどぶっとばして、ことの重大さを身を持って
悟らせる。なぜこんな考えが浮かんだかというと、私は教会を知る
前は、不良系の精神構造を持っていたからです。
優しいことを言っても通用しない人は大勢いることを知っていまし
た。
私にしてみれば、神様から与えられたフィアンセを、あいつは横取
りしようとしているのです。
しかも人の縄張りに土足で正面切って入って来たトンでもない奴で
す。
真正面から喧嘩を売られたんですよ!
だまって指くわえて見てられますか!?
とんでもないです。即排除、デリートです。
この男も悪いけど、この男に指南した男はもっと悪い。
そう考えると私は眠れないくらい頭にきて、今すぐ乗り込んで行っ
て、二人とも日本刀で斬ってしまおうかとさえ思ったのです。
もともと不良系の私ですから、
昔私は、将来は任侠道に生きる男になろうと思っていたときがあり
ました。友達とよくオールナイトの任侠映画を観に行っていました。
しかし、そんな私に転機が訪れます。高校2年生の夏休み、1ヶ月
のアルバイトが終わり、街中をぶらぶら歩いていたら、宣教師に会
い、教会に来るようになりました。
イエス・キリストの福音を聞いているうちに、これはすごいな!と
気付き、親分持つならイエス様にしようと決心して、親分子分の盃
を受ける事にしました。
すなわち、バプテスマの誓約を交わしたのです。
それから、教会に集い熱心に勉強し、キリストの弟子となるべく思
いを募らせていました。
ですが、人の性格や精神構造はそんなに簡単に変わるものではあり
ません。
そんなようですから、理不尽なこと、筋の通らないことがあると、
カチンとなってしまう癖は完全には拭われていませんでした。
ですから、浅はかにも、やたらといきり立って、
「あの野郎ぶっとばしてやる!」
なんてことを姉妹(彼女)の前で言ってしまったものですから、き
ついお灸を据えらてしまいました。
南兄弟、なんていうこと言ってるの?そんな怖い顔して。
ヤクザみたいよ!
私は神権者の南兄弟と結婚するのよ。
ヤクザの南賢二とは結婚しないわ。
あの人は確かに変だけど、話せばきっとわかってくれると思うよ。
納得してもらわないと、解決しないと思うわ。
そのためには、支部長さんを通して相手の支部長さんに話してもら
うとか、指南している人に私から直接話すとか、手段はあるでしょ
う!
それなのに、ぶっとばすとか、日本刀で二人とも斬っちゃうとか、
なに言ってんの?!
わたしは、神権者の南賢二兄弟が、神様のみ業に励めるように、助
け手として、あなたの妻になるように、神様の召しを受けているの
よ。
ヤクザの南賢二の妻になるような召しは受けていません。
そんな悪魔みたいな考えは捨ててください。
悔い改めてください。わたしを神様の国に導く神権者になってくだ
さい。
どうしたの?なんとか言って!わたし、こんな気持ちのまま帰れな
いわ。
南兄弟、あなたはイエス・キリストの大神権の長老でしょう。
あなたの召しは、貴いのよ。
もしここにイエス様がいたら、なされるであろうことを、イエス様
に代って行うことができる権利と権能と義務を授けられている人な
のよ。
わたしは、その長老職の南賢二兄弟を助けるために、妻として召さ
れたのよ。
あの人のことは心配しないで、神様に仕えてください。
神様は何て言ってる?
聖典には、あなたの隣人を愛しなさい。
わなたの敵を愛しなさい。
あなたをののしり迫害する者のために祈りなさい。
と書いてあるでしょう!違うの?
ねえ、どうしたの?
何も言わないの?
わたし、このままじゃ帰
れないわ。なんとか言って。
わかった。姉妹の言う通りだよ。私は悪魔の囁きに負けていた。
姉妹の言葉で目が覚めた。ありがとう。悔い改めるよ。
もうこんな変な考えは持たないようにする。ゴメンね!
本当?大丈夫?
うん、大丈夫だよ。
もう大丈夫だよ。
心配かけてゴメン。
姉妹のおかげで目が覚めた。
やっぱり、神様が与えてくれた姉妹は凄いよ。
選ばれた姉妹だね。
じゃあ、送ってくね!
と言って最大の危機を回避することができました。
この後、嵐は去り結婚式の招待状を印刷することになりました。
to be continued (次回に続く)
「妻は神様からの贈りもの」シリーズ第九話
===男のけじめ===
奴をせきたてたのはお前だってな!どういうことだ。説明してくれ。
姉妹から痛烈なダメ出しされて、説得されて、悔い改めた私ですが、
私に喧嘩を売った張本人を目の前にすると、どういうことなのか真
相を確かめようとしたのです。なめられていた訳ですから。
第六話で、支部長さんに言われたことを書きましたが、
それは、
「これからいろいろな誘惑や妨害の力も働くと思いますので、
気をつけてください。
」でした。
本当に一つの事が成就するまでには、いろいろな準備が必要です。
また、思わぬ障害も発生するものです。
なんで邪魔する人が出てくるのでしょう?おだやかに見守ってくれ
る人がほとんどですが、世の常なのでしょうか、いつの世でもこう
いう変な人が出てきますね。
たまたま、教会の地方部の集会で、この黒幕なる人物に遭遇したの
です。彼は私を見ると少し気まずいような顔しましたが、もともと
自信過剰な自己主張の強い、小生意気な男でしたので、すましてい
るのです。
私はこういうタイプの男は大嫌いです。ふざけた野郎だ!この野
郎!と思い、厳しい眼を飛ばしたのです。
私は普段はおとなしいタイプなので、私の気性を誤解している人が
多いように思います。この人もおそらく、その一人だったのでしょ
うね。普段あまり会わないし、話しもしないので。
しかし、このたびは、ちょっと様子が違ったのでしょう。さすがに
この人も、私の尋常でない様子に気付いたのか、いくらか良心の呵
責があるのか、私に近づいてきました。
そして小生意気なことを言ったのです。ずうずうしいというか、
無知というか、己を知らぬというか、何が偉いのか知りませんが、
上から目線で、
「南兄弟こんにちは。元気ですか?」と言ってきたの
です。さもいろいろ知っている、できた人間のような顔して。
私は本当にあきれました。どこまでも自分が正しいと思っているア
ホだ!と思ったからです。本当にぶっ飛ばしてやろうかと思いまし
た。
しかし、そんなことすれば敵の思うつぼだし、後味が悪い。
しかし紳士的に対応できるほど、私も人間ができてない。
しかたないから、言葉で不快感を伝えました。
バカ言ってんじゃねえよ。お前のせいで気分悪い。
お前、あの男そそのかして彼女に何やったんだ!
お前、どういうことしたかわかってるのか?!
正式に婚約している私たちをぶち壊そうとしたな!
うちの支部長さんからも、
「これからいろいろな誘惑や妨害の力も働くと思いますので、
気をつけてください。
」と言われていたよ。
それが、同じ教会員のお前達からそういうことをされるとはな!
お前、よくそんな紳士面していられるな。
どういうことがか説明しろよ!
と言って私は彼の胸に、こぶしで
ぐっと押し込んでやりました。
それで初めてこのアホは真顔になりました。
しかし、アホはどこまでもアホです。骨の髄まで自己中なのです。
骨の髄まで、自分は正しいと誤解しているのです。
こういう人が、教会の指導者にもいるという事実が残念でした。
やはり教会と言えども人間社会です。私は、そういう人にはなるま
いと思いました。
この人が言った第一声は、
「南兄弟、恋愛は自由でしょう!○○兄弟にも恋する権利はありま
す。告白する権利はあります。チャンスを与えただけです。
」
でした。
そうか、良く言ったな。恋愛は自由だな!
婚約が成立して、教会の聖餐会で発表されて、皆さんで見守ってあ
げてください。と言われているカップルを妨害しているとは思わな
いのか!?
「思わない。結婚するまではわからないでしょう。それに、そんな
ことくらいで破局を迎えるようじゃ、ふさわしいカップルとはいえ
ないんじゃない?」
とすずいい顔で言ったのです。彼にしてみれば正論なんでしょうが、
私にしてみればえらい迷惑でした。
確かにそれも一理はあるかもしれない。しかし、1%です。あとの
99%は、間違いです。
立場が反対だったらどう思うか、聞いてみたかった。
そこで、一つの作戦に出ました。
お前さっき恋愛は自由だと言ったよな。
結婚するまでは、だれがアプローチしてもいいといったよな。
そんなことで壊れるようじゃ、ふさわしいカップルじゃないといっ
たよな。そしてあの男を刺客として、おれの彼女にまわしたよな。
それは正しい事だったと今でも思っているよな。
そうだよな!と念を押した。
すると彼は「そうだ。
」と答えた。
じゃ、しょうがないな。
実は、お前の奥さんを昔から好きだった人がいて、かつて俺は相談
受けていた。
でも、彼らは相思相愛でもう結婚するのだから、あきらめて見守っ
てあげたほうがいいよ。と説得した。しかし、最近彼に会ったら、
まだお前の奥さんのこと好きで忘れられない。もし離婚したら、ア
タックしたいと言っていた。
お前の言うように恋愛は自由だから、お前がやったように、彼をお
前の奥さんの職場に生かせて口説かせるようにしようか。
いいよな!
恋愛は自由なんだから。それに、そんなことでなびく
ような奥さんじゃないよな。
しかし、俺はお前のようにへまはしない。時間をかけてじっくりお
前の奥さんを洗脳するように、彼を指南する。まあ、3年後は楽し
みだな。
こう言うと、彼は私をあざ笑うような笑みを浮かべた。こいつどこ
までバカなんだと顔で私に言っていた。
だから、お前な、どこまでも人をバカにすると本当に痛い目に合う
ぞ。と真顔で伝えた。
すると彼は、
「南兄弟そんなこと本当にできるの?それって罪じゃない?」
じゃ、お前のやった事は罪じゃないのか!人に不快な思いをさせる
ことは罪じゃないのか!?と返した。
彼は相変らず、私を小バカにするような態度をとっているので、
俺はできない事は言わない。言ったことは必ず実行する。楽しみに
していろよ。と伝えた。
それから、彼はもうこれ以上問題を大きくしたくないと思ったの
か?それとも、こんなバカ相手にしてないで、謝っちゃって終わり
にしたいと思ったのか、それともある程度ビビッたのか、よくわか
らないけど、おそらくその三つくらいの動機だと思いましたが、
「南兄弟、このたびは悪かったね。
」
と一言謝った。
だから、私としてはまだ不本意でしたが、この高慢ちきな男が、そ
こまで言うというのは、相当のことだと思ったので、それ以上つつ
くのは止めました。
それ以上つついたら、何が出てくるかわからないからです。
形の上だけでもケジメをつければ、今後彼は私たちに立てつくこと
はないだろうと思ったからです。
わかりゃいんだよ。じゃな。
と伝えてその場を去りました。
このことを姉妹に告げました。あの野郎に文句言ってやったよ。
そしたら謝ったよ。と。
すると姉妹からは、また、大目玉を食らいました。
to be continued (次回に続く)
「妻は神様からの贈りもの」シリーズ第十話予告編
=婚約解消の危機=
あなたには、天使とヤクザが同居しているのよ。わた
しそんな人イヤよ。ヤクザを追い払って。そうでない
と結婚できないわ。
私が、私たちの間に他の男を割り込ませようと指南した、黒幕なる
人物に文句を言ってやったと姉妹に伝えたところ、またとんでもな
い大目玉をくらいました。
南兄弟、何言ったの?まさか、ヤクザみたいなこと言ったんじゃな
いでしょうね!
ばかなこと言わないでよ。わたしは、もうきちんと彼には断ったし、
彼も、もうわたしの後追わないし、解決しているのよ。
だから悪い言葉は使わないでね。
それは、あなたの人格を下げるだけなのよ。
何も言わないほうがよかったのよ。
あなたが、何事もなかったかのように、でんとかまえていれば、
あなたの株が上がったのに、
、
、、
、
、、
、
、、
その指南した人も、あなたに頭が上がらなくなるのに、
、
、、
、
、、
チンピラみたいな態度で、悪い言葉を使えば、あなたの評価が下が
るだけなのよ。
そうしたら、わたしが恥ずかしい思いをするのよ。
そんなこともわからないの?
何で強い言葉で、その人を責めたの?
そこでわたしは、精一杯の反論した。
そんなこと言ったって、男としては当然じゃない。
なめられっぱなしでいられないよ。
ハッキリさせるのは、男のケジメだよ。
あんな高慢チキな奴、こういう機会にギャフンといわせなきゃ、
また他の機会に何されるかわからないじゃないか。
と、私は姉妹に反論した。
しかし、彼女の返事は厳しかった。
人を責めるとか、ギャフンといわせるとか、悪い言葉を使うとか、
そうすることが男のケジメだとか、聖典に書いてあるの?
そうすることを、神様は良しとされるの?
わたしが理解しているのは、
・人を責めてはいけない。
・復讐してはいけない。
・悪い言葉を使ってはいけない。
だよ。
聖典にも書いてあるでしょう。
あなたが行ったことは、普通の人がすることよ。
あなたは、普通の人じゃないのよ。
イエス様の代理人として、召されているのでしょう!
ここに、イエス様がいたら行うであろうことを、イエス様に代って
行うように、神権を授けられているのではないの?
あなたは、メルキゼデク神権(大神権)の長老職に召されているの
でしょう。
お寺でいえば、お坊さんと一緒の立場よ。
そうじゃないの?
それなのに、チンピラみいたいの言葉を使ったら、イエス様は悲し
まれるのではないの?
少なくとも、わたしは悲しいわ!
わたしは、チンピラの奥さんになるの?そんなのイヤよ。
ねえ、少し考えてよ。これから一週間会わないようにしよう。
お互いに断食して祈り、食い改めることは何か考えよう。
一週間後にまた会ってどうだったか、話し合おう。
ということで、私たちはお互いに私たちの態度や思い、行いについ
て見直してみることにしました。
彼女の言う事は、真に正しく私は反論できませんでした。
なので、私たちはもう一度、私たちのこれからの正しい考え方と行
いについて考え直すことにしたのです。
一週間後再会した私たちは、思わぬ心境になり、驚いたのです。
to be continued (次回につづく)
「妻は神様からの贈りもの」シリーズ第十一話
===あなたは、彼の欠点をも含めて愛しなさい。彼は改心してい
る。完全な者はいないのである。===
私としては当然のことをしたと思い、彼女にも、
「私たちの間に男を割り込ませた黒幕なる人物に、
文句を言ってやった。謝らせた。
」と伝えたところ、
彼女からは、手厳しい言葉を受け、それが真に的を射た言葉だった
ので、私も考えさせられてしまいました。
そして、一週間お互いに、私たちの態度や思い、行いについて見直
してみることになりました。
私もできるだけ自分の言動を客観的に見られるように、冷静に考え
てみました。一日だけではよくわからないので、一週間聖典を読ん
だり、祈ったりして、自分の考えが正しかったのか熟慮したのです。
その結果、私の取った態度、使った言葉は、それらの動機は、ごく
普通の思慮の浅い男の言動であり、イエス・キリストに従う者とし
てはふさわしくないものである。という結論に達し、反省したので
す。
確かに、もっと賢い対応があったはずだと思いました。その証拠に
は、振り返ると後味が悪いのです。
正しい選択をした後は、平安があり気持ち良いものです。
相手をやり込めるなんて、できたところで気持ちいいものではあり
ません。お互いに、状況や相手の立場を良く理解しようと思わなけ
れば、本当のことはわからないのです。
私の最大の欠点は、言葉使いです。保育園児のような短絡的な言葉
を使うのです。単刀直入で、脳と口が直結していたのです。
これでは、彼女が驚くのも無理はありません。相手に理解され、受
け入れられなければ、いくら主張しても意味がないのです。
相手からみれば、ただわめいているだけの男でした。
言葉はとても大切であることが、ヨハネによる福音書1章1~2を
読んでもわかります。
「初めに言(ことば)があった。言は神と共にあった。言は神であ
った。
・・・・・・・・・・」と続きます。
それほど大切なのです。ときどき、
「言霊」という言葉を聞きますが、
これもとても大切です。思いを言葉に出す事で、人間の運命が変わ
ってしまうのです。
イジメでも有名ですが、毎日「死ね!」と言ってると、人は本当に
死んでしまうのです。
反対に、毎日「かわいいね!」と言い続けていると、本当にその子
は、愛らしい良い子になるのです。
それは、私が孫に実践して立証しています。妻にも、
「君は神様から
与えられた妻なんだよ。」と毎日言っていたら、とても献身的な妻に
なりました。
このように、言葉よって人を生かすことも、殺すこともできるので
す。
だから、言葉には力があるのです。悪い言葉は使ってはいけないの
です。
その当時の私も、言葉の大切さを祈りを通して学び、自分の愚かな
言動に気付き悔い改めようとしていたのです。
長い間の習慣はそんなに急に変われるものではありませんが、考え
るようになりました。
彼女も一週間熟慮し、祈り、答えを受けていました。
そして、一週間後私たちは再会し、どうだったか報告し合いました。
私は、先ほど述べたような事を報告しました。
彼女の報告は、私が予想していたものとは違っていました。
私の予想では、彼女の考えは正しいと、神様から承認されたのだと
思っていました。
しかし、彼女の報告は意外でした。
彼女はこのように言いました。
「わたしが祈ったとき、心に浮かんだ神様の答えはこうよ。
」
「彼(南賢二)は、ときどき、サタンの誘惑に負け、荒々しき言葉
を使う性癖あり。されど、生来純情にして慈しみ深き心を持ってお
り、悔い改めること早き者である。
また、常にわが心に沿わんと欲し、祈る信仰ある者である。それ
故われは、彼に目を留め、懲らしめ導きを与えてきた。
このたび汝がわれに尋ねしことは、われの知るところである。
されど、われは、汝を彼の妻として召した。汝は彼の欠点をも含め
て愛し支うべし。
また汝この事を知りなさい。
われは、彼の悪しき言動を赦すにあらず。そは罪なればなり。
彼が、わが心にかなわぬ言動をするとき、われは彼に一つのしるし
を与え、恥をかかす。そは、われを思い起こさせ、悔い改めに導く
ためである。
わらは、彼に弱点を与える。すなわち、彼が悪しき思いにより、悪
しき言葉を使うときは、われは、彼の舌をもつれさせ、話せぬよう
になす。
それによりて、彼は恥をかき、われを思い起こすであろう。
されど、彼がわが前に正しき思いと、聖き言葉を話さんと欲すると
き、すなわち、わが事を証したいと欲するときは、われは、彼の弱
点を強きに変えん。
われは彼の舌をゆるめ、わが言葉を彼に授け、雄弁なる者となす。
彼の力強い言葉は、われを求める多くの者に、力と勇気と希望を与
えるであろう。
彼の生きた証は、われが彼を鍛え、与えたるものなればなり。
汝、心してこの事を知りなさい。
汝は、わが愛する娘である。汝は、彼と結び合い、一体と成りて喜
びを得るであろう。汝が、彼を支え助けるとき、われは、汝を祝福
し、大いなる喜びを与えるであろう。
それ故、安きを得よ。
」
という言葉でした。
だから、あなたは言葉使いに気をつけてね。
わたしは、あなたを助け支えます。それがわたしの役割です。
うん、わかった。私も神様の期待に応えられるようにがんばる。
ということで、落ち着いたのです。
いよいよ、結婚式の招待状を書く事になりました。
to be continued (次回に続く)
「妻は神様からの贈りもの」シリーズ第十二話 最終回
=私たち結婚します。ささやかですが、披露させていただきます。
ここにご招待申し上げます。=
結婚が決まるまでには、紆余曲折があった私たちですが、
やっと全ての確認が終わり、結婚式の具体的準備に入りました。
私たちは、教会で挙式することになっていましたので、支部長さん
に相談して、1から10まで準備しました。
先ず結婚式の実行委員会を組織し、実行委員長と打ち合わせする
ことになりました。
私たちは、お金が不十分でしたので、とにかく安く上げることを考
えました。そのためほとんどが、教会員の奉仕でした。
○司式は、礼拝堂で支部長さんによって行っていただきますので無
料です。
○会費制で披露宴しますので、ご祝儀なし、引き出物なし。
○料理等は、教会の扶助協会(18歳以上の女性の会)の姉妹達が
用意してくださいました。
○料理予算は、5万円。
○出席者は、両家関係者と教会員合計で、100人くらいでした。
○ウェディングドレスは、教会員の姉妹が作ってくれました。
○写真は、教会員のプロカメラマンが撮ってくれました。
○8ミリ映像も、教会員のプロカメラマンが撮ってくれました。
○ヘアースタイルとメイクも、教会員の美容師さんが無料でしてく
れました。
○余興の演劇も、照明も教会員の特技のある兄弟姉妹が担当してく
れました。
○ほとんど、お金をかけずに、プロとプロ並みの仕事をしていただ
けました。
○披露宴のプログラムも2時間くらいありましたが、間があくこと
なく、なごやかな雰囲気が続き、充実したなごりおしい時間でした。
しかし、私たちの結婚はこれで終わりではありませんでした。
本命の「永遠の結婚」をしたかったのです。
教会での民事結婚では、この世限りの夫婦になってしまいます。
しかし、神殿で「永遠の結婚」すれば、婚姻関係は永遠に続きます。
ですから、ハワイに行きたかったのです。
当時日本には神殿がありませんでした。一番近い所がハワイでした。
そのためになんとか旅費を作ろうと思っていたのです。
いろいろと苦心して、1年半後にハワイに行く事ができました。
ハワイ神殿で、永遠の結び固め(永遠の結婚)をすることができた
のです。
私たち夫婦は、死が二人を別つまでではなく、死んでも永遠に別け
離されない婚姻関係になったのです。これが私たちが目的としてい
た結婚でした。
考え方によれば、二度結婚式をしたわけです。
今回の記事は、宗教的な表現が多く、初めて聞く言葉が多かったと
思いますが、一話から最終回の十二話まで呼んでくださりありがと
うございました。
あなたの寛容とご厚情に感謝いたします。
私たち夫婦も、この世の嵐に吹きさらされ、何度となく危機をむか
えました。
幸せはそうやすやすと来る物ではなく、悪戦苦闘の末に掴み取るも
のであると思います。
しかし、私たちは神様の戒めを守っており、その約束の祝福をいつ
も受けてきました。
その証拠には悪戦苦闘のさ中にも、平安を見出すことができたので
す。これは、まぎれもなく神様の守りと導き、祝福があるのだと、
謹んで証申し上げます。
これからも、私たちの生活は変わりません。聖典を学び、正しい選
択をし、祈りをもって、行動することです。
最後まで、お付き合いあただきありがとうごいざいました。
2017年1月18日(水)
南賢二