(4)競争による促進 • 二人以上の主体による競争状況が存在 する場合、非合理的なエスカレーション が喚起されやすい。 3.エントラップメントの回避 (1)回避のための心得 • バイアスがあることを意識する • サンクコストを忘れる ⇔将来に発生する便益と費用のみ考慮して 判断を下す • 第三者の判断を取り入れるように心がける (2) 回避のための制度的対策 • 事前ないし途中で退却ラインを決めて、それを厳守する • 第三者の判断を参照せざるをえない制度を採用する • 場合によっては、意思決定者を交替するようにする • 結果だけでなく、プロセスも考慮して意思決定を評価する しくみをつくる →意思決定プロセスをオープンにする • 失敗を学習の機会として捉えるような、失敗を許容する 組織風土を育んでいく Ⅴ 集団の意思決定 1.集団の影響 2.集団の問題解決 3.集団による意思決定 1.集団の影響 (1)同調行動 = 集団の多くと同じ意見や行動を採用 するように、意見や行動を変えること • 集団の斉一性(uniformity)の原因の一つ ①同調行動の類型 (a)規範的影響による同調 =他者に反応や期待を気にして、他者に受け入 れられるためや他者からの拒絶を避けるために 行う同調 →「追従」(頭の中では正しくないと思っては いるが、表面上は同調する) • 基本的に賞罰を背景とした社会的影響 *規範=集団内で適切とされる行動や態度の基準 ①同調行動の類型(continued) (b)情報的影響による同調 =他者からの情報を自分の意見や判断の 妥当性の根拠として受けいれることによる 同調 →「回心」 • 正しくかつ適切な判断をしたいといった動機 づけから、他者や集団の意見や判断をよりど ころとする ②同調の循環的メカニズム • 自分が社会的な影響を受け容れる →自分が他者への影響の発信源となる →同調のドミノ的プロセスが生じる可能性 • 構成員の社会的感受性や初期状態によっ て、同調が集団全体に波及するかどうかが変 わってくる ③沈黙のらせん理論 前提条件:人は、集団や社会で孤立することを恐れ、 避けようとする ①周囲がどんな意見をもっているか探り、自分の意見 が少数派か多数派かを推測する ②-(a)自分の意見が多数派だと感じると、積極的に 自分の意見を主張する -(b)自分の意見が少数派だと感じると、沈黙を 守る ③沈黙のらせん理論(continued) ③-(a)多数派と見られた意見は、積極的に語ら れることで、ますます多数派だと見なされる ③-(b)沈黙することによって、少数派と見なされ た意見は、ますます少数派のように見えてく る ⇒沈黙のらせん的増幅 ③沈黙のらせん理論(continued) ④孤立を恐れず、自説への確信をもった少数 の人たち(「ハードコア」)を除き、多数派と見 なされた意見が全体の意見を反映していると 理解されるようになる
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