(4)管理の幅の原則 = 一人の管理者が調整できる人数には一定の 限度があるということ • 管理の幅の規定要因 (a)例外の数・頻度 (b)例外の分析困難度 (c)例外に割ける余裕(資源) • 階層分化(ヒエラルキーの成立)の原因 • スタッフの活用という対応策 (5)合理的組織構造 • 合理的組織構造としての官僚制組織 =職務遂行の恣意性をなくし、客観性・一貫性 を保つことで効率性を高めようとする組織 cf. 官僚制の原則 ①規則に基づいた権限 ②階層的職位(ヒエラルキー) ③専門化した業務と専門家の採用 ④公私の区別 ⑤文書主義 (5)合理的組織構造(continued) • 組織規模の拡大に伴って、組織構造の精 緻化(公式規則・手続きの増加や組織の 高階層化・専門化)が進行 • 組織の高階層化→コミュニケーションに おける情報の歪みや欠落の増幅 • 過度の専門化→視野狭窄化 • 規則の細部化→最低許容行動 (5)合理的組織構造(continued) ○官僚制組織の逆機能 • 目標の置き換え(規則の遵守が目的化) • 自己防衛の手段としての規則の利用 ⇒環境変化への適応の遅れ ⇒革新の回避 4.増大する不確実性への対応 (1)タスク不確実性 = タスク遂行のために必要な情報と事前に 組織が保有している情報とのギャップ • タスク不確実性が大きければ大きいほど、タスク 遂行を行う段階でより多くの情報を処理しなけれ ばならない • 増大する不確実性への対応の方向性 ①情報処理の必要性を低減 ②情報処理能力を増大 (2)情報処理の必要性低減への デザイン手法 ①スラック資源の創設 ・ 機会損失とのトレード・オフに留意が必要 ②目標設定とセットになった権限委譲 ・ 目標達成の責任を課すとともに、実行に 必要な範囲の自由裁量を与える cf. 権限・責任一致の原則 (2)情報処理の必要性低減への デザイン手法(continued) ③自己充足的単位の採用(ex. 事業部制 組織) • 事業部制組織:製品・地域・顧客などで部 門化し、それぞれの部門が自己充足的 単位として成立している組織 (3)情報処理能力増大への デザイン手法 ①水平的連結の創設 (a)組織の有機化の促進 (b)プロジェクト・チームの結成 (c)ブランド・マネージャーの設置 ②情報技術への投資 (a)MISやSISといった意思決定支援システムの 導入 (b)ERP(企業資源計画)パッケージの導入 ○不確実性への対応のまとめ 不確実性 小 情報処理 必要性低減 情報処理 能力増大 大 規則や手続の プログラム化 ①スラック資源創設 ②目標設定による 権限委譲 ③自己充足的単位 階層化による 例外管理 ①水平的関係創設 ②情報技術への投資 5.組織学習と変革 (1)組織学習と適応能力 • 組織の有効性は、組織の意思決定パター ン(=ルーティン)が、環境に適合している 程度によって、大幅に左右される 環 境 適合度 組織のルーティン 組織の有効性 (1)組織学習と適応能力(continued) • 組織ルーティン:組織の中で継承される活 動パターン及びその基礎となるもの • 組織学習=組織ルーティンの獲得・更 新・ 蓄積プロセス • 環境変動が激しい状況では、組織学習の 成否が、組織の長期的適応能力(⇒長期 的な組織の有効性)を左右する (2)組織学習サイクル ①完全な組織学習サイクル 個人の行動 個人の信念 組織の行動 環境の変化 (2)組織学習サイクル(continued) ②不完全な組織学習サイクル (a)役割制約的学習 個人の行動 個人の信念 組織の行動 環境の変化 (2)組織学習サイクル(continued) ②不完全な組織学習サイクル (b)傍観者的学習 個人の行動 個人の信念 組織の行動 環境の変化 (2)組織学習サイクル(continued) ②不完全な組織学習サイクル (c)迷信的学習 個人の行動 個人の信念 組織の行動 環境の変化 (2)組織学習サイクル(continued) ②不完全な組織学習サイクル (d)曖昧さのもとでの学習 個人の行動 個人の信念 組織の行動 環境の変化
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