(3)集団成極化 = 集団での議論によって集団の意見が 多数派の方向に極端にシフトすること 「リスキー・シフト」 ⇔ 「コーシャス・シフト」 =リスキーな決断 =慎重な決断 へのシフト へのシフト • 規範的影響や情報的影響による同調が関与 • あいまいさを含んだ状況ではとりわけ多数派 主導的なプロセスが進行しやすい 1 (4)集団思考 • 集団内の意見の一致を重視するあまり、現実 的な判断がなされず、非常にお粗末な意思 決定を行ってしまうことがある • 凝集性(まとまり)の高い集団が、外部から孤 立し、外部からの強いストレスにさらされてい る場合に生じやすい。 2 (4)集団思考(continued) ○主な兆候 タイプA:無敵幻想(過度の楽観主義/集団の倫理性 への信念) タイプB:閉鎖的な発想(自己正当化/外部の集団の ステレオタイプ化) タイプC:全会一致への幻想と圧力(否定的意見を もつことへの自己批判、否定的情報をもたらすメン バーへの圧力) 3 (5)集団意思決定の改善 • 批判や反対意見、異質な視点の尊重 ⇒外部の意見の導入 • 適度な対立のつくり込み • 意見の評価を一時停止するといった、 非効率性の部分的な許容 • 意見の開示方法のコントロール 4 (5)集団意思決定の改善(continued) ○具体的なテクニック • 異質なメンバーからなるグループをつくる • 2つのサブグループに同じ課題を割り当てる • 批評家(「悪魔の弁護人」)を任命する • 「セカンド・チャンス」ミーティングを開催する • 匿名の事前意見を求める • (リーダーがいる場合には)、リーダーは最初 のうちは自分の意見を控える 5 6 Ⅵ 組織の意思決定 1.組織と意思決定 2.基本的な調整メカニズム 3.増大する不確実性への対応 4.組織学習による組織ルーティン の変革 7 1.組織と意思決定 (1)組織の定義 • 組織とは、複数のメンバーによる、意識的 な調整に基づく協働のしくみ(システム) ○組織の成立条件 ①(受けいれられている)共通目的 ②(高い)貢献意欲の維持 ③(安定した)コミュニケーション 8 (2)集団との違い • 組織の根拠:個人の能力的制約 →協働としての有効性が追求される =組織的意思決定では合理性が追求される • 合理性を高めていくための基本枠組み ①調整メカニズムの構築による意思決定プロセス の意識的デザイン (→意思決定の方法についての意思決定) ②メンバーの特徴を踏まえた分担(分業) 9 (3)分業の採用 ①水平的分業 (a)並行分業:同一(類似)の作業プロセスを 複製して、数量の分担を行うこと (b)機能別分業:全体に対して果たす機能に 応じてタスク(業務)を分割すること ②垂直的分業(後述) 10 (3)分業の採用(continued) ○機能的分業の利点 • 熟練形成の効率化(教育訓練を短期化 できる) • 経済的な人材確保・活用(必要とされる 能力が限定される) • 知識の専門化 11 (4)組織デザイン • 分業化されたタスク間の調整が行われな ければ、組織の有効性は実現されない • 分業のやり方と調整の方法は相互依存的 →両者を同時的に定めていく必要 • 分業及び調整のしくみ(=組織構造)につ いての意思決定(組織デザイン)が長期的 な組織の有効性を左右する 12
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