3.マーケット・セグメンテーション (1)セグメンテーションとは ○マーケット・セグメンテーション(市場細分化) =マーケティング・ミックスに対して類似の 反応を示す同質的な部分(セグメント) に市場を分解すること • 狙い:市場ニーズの多様化に対応するた めに、顧客層を絞り込み、ターゲット とした顧客にマッチしたマーケティン グ・ミックスを構築すること ① (2)セグメンテーションのプロセス (ⅰ)売りたい製品のイメージを念頭に置いて、 セグメンテーションを検討 (ⅱ)ターゲット・セグメントを選択 (ⅲ)選ばれたセグメントにフィットする マーケティング・ミックスを構築 ② (3)セグメンテーションの切り口 ①セグメンテーションの切り口 (a)地理的な軸 (b)人口統計的(デモグラフィック)な軸 (c)心理的・行動的な軸 ③ (3)セグメンテーションの切り口 (continued) ②地理的な軸 • • • • • 地 域 人口密度 都市人口 気 候 歴 史 関東、関西、北海道、九州、・・ 都市、郊外、地方、・・・ 1万人未満、1-5万人、5-10万人・・・ 太平洋側、日本海側、・・・ 下町、山の手、新興住宅地、・・ ④ (3)セグメンテーションの切り口 (continued) ③人口統計的な軸 • 年 齢 6歳未満、6~12歳、13~15歳、 16~18歳、19-22歳・・・・・ • 性 別 男/女 • 家族数 1人、2人、3~4人、5人以上 • ライフステージ 若年独身、若年既婚子供 なし ・・・ • 所 得 年収300万円未満、300~500万円 未満・・・・ ⑤ (3)セグメンテーションの切り口 (continued) ③人口統計的な軸(continued) • 職 業 専門職、技術職、管理職、公務員、 営業マン、職人、定年退職者、学生、 主婦、無職、 ・・・ • 教育水準 中卒または在学、高卒または在 学、 大学在学、大卒 • 社会階層 下級階級の下位・・・上流階級の上位 ⑥ (3)セグメンテーションの切り口 (continued) ④心理的・行動的な軸 • 心理面:性格、生活価値観、ライフスタイル、 興味関心など • 行動面:使用経験、使用頻度、ロイヤリティ、 購買段階の知識、購入歴、 メディアとの 接触頻度、マーケティング要因感受性・・ *ここでいう行動とは、主にモノを購買すること ⑦ (4)製品ミックスの設定 • ターゲット・セグメント(群)の選び出し →製品ミックスの設定 ラインの幅 ラ イ ン の 奥 行 き 大衆車 小型車 スポーツカー RV Ⅰ Ⅱ A B ア ① イ ② C ウ 高級車 Ⅲ Ⅳ ⑧ 4.関係性マーケティング (1)関係性マーケティングとは • 関係性マーケティング=既存顧客との(信頼)関 係の形成・強化を核としたマーケティング cf. リテンション(顧客維持)・マーケティング • 顧客への個別対応によって、既存顧客との関係 を維持するとともに、顧客シェア(マインド・シェ ア)の向上を図る cf. ワン・トゥ・ワン・マーケティング ⑨ (2)関係性マーケティングの背景 • 市場の成熟化により新規の顧客獲得は難 しく、多大なコストも要する • 優良顧客が売り上げ全体の大きな割合を 占めていることが多い • アフターマーケット(保守・点検、周辺製品 など)が拡大する傾向 • 情報技術(IT)の発達によって、データベー スを活用した顧客管理が可能となった ⑩ (3)マス・マーケティングとの比較 マス・マーケティング 関係性マーケティング 不特定多数を対象 特定・個別顧客を対象 一つの商品を多数の 顧客に売る発想 一人の顧客に多くの商 品を売る発想 マスメディア広告を 重点的に活用 市場シェアを重視 IT(データベース)を 重点的に活用 規模の経済を追求 範囲の経済を追求 顧客シェアを重視 ⑪ (4)関係性マーケティングの方法 • 顧客情報データベースを構築し、顧客のランク付 けをもとに顧客に働きかける • ランク付けの方法:RFM分析など Recency(最終購入日)/Frequency(購入頻度) Monetary(購入金額) • 顧客への働きかけ (a)上位顧客の囲い込み (b)ランクアップ・プロ モーション ⑫ (5)スイッチング障壁と顧客満足 ○スイッチング障壁=スイッチング・コスト(他に乗 り換える手間やリスク)を高まることで顧客の離 脱を防ぐ →ポイント・プログラム、会員制、経験の蓄積、 信頼関係など ○顧客満足:自社製品・サービスに対する顧客の 満足度を高めることで、顧客の離脱を防ぐ →マーケティング・ミックスのブラッシュ・アップ が必要 ⑬ (6)ブランド管理 ①ブランディング(ブランド化)の利点 • 付加価値の増大 • 製品・サービスと顧客との絆を強める →疑似独占市場の形成→価格プレミアム効果 • 長期的・継続的に購入される可能性が高くなる (ブランド・ロイヤリティ) *消費者が自社(製品)を他社(製品)と異なったものとして 認知してはじめて、ブランドとなりうる ⑭ (6)ブランド管理(continued) ②ブランド管理の階層 レベル1:トレードマーク管理 レベル2:ブランド単位のマーケティング管理 レベル3:ブランド価値管理(顧客のブランド への知覚に働きかけ、ブランド知名度やブ ランド・イメージの向上を通じて、ブランド価 値の向上を図るプロセス) ⑮
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