3.プロスペクト理論 (1)基本仮定

3.プロスペクト理論
(1)基本仮定
①選択はS字型の価値関数に沿ってなされる
• 一般に、利得よりも損失に対して敏感に反応する傾向が
強い(損失の嫌悪)
(1)基本仮定(continued)
②価値関数は、参照点からの変化によって
定められる
=参照点からのプラス側への移行は利得、
マイナス側への移行は損失と理解される
③参照点はフレーミングのされ方(問題への
焦点の当て方)によって変化する
(2)結果のフレーミング
(a)ポジティブ・フレーミング
ex. 「今すぐ手術をすれば成功して蘇生
する確率は60%程度です。どうしますか?」
(b)ネガティブ・フレーミング
ex. 「今すぐ手術をしても死亡する確率は
40%程度あります。どうしますか?」
(3)さまざまなフレーミング
(a)損益分岐効果
=事前の損失が、損失を補うことができる
かもしれない選択肢を、リスクが高いにもか
かわらず採用するように働くという効果
(b)保険文脈効果
=保険という文脈が与えられると確実な損
失が受け入れられやすくなるという効果
(3)さまざまなフレーミング
(continued)
(c)比率差原則
=ある事象のもたらす効用が、基準とされる
ものに対して、どの程度の比率を占めている
かによって左右される、という原則
(d)心理的会計
=お金の入ってくる形(名目)や出て行く形
(名目)によって、同じ金額の損得が異なった
価値であるかのように感じる心理的傾向
(4)公正さの評価
• 意思決定の公正さ(フェアである/フェアでな
い)への評価は、意思決定の効果に直接的
/間接的に作用する。
• 公正さの評価にもフレーミングが関与する
• 公正さの判断の基礎となるのは、現時点での
参照点を守る権利を持っているという考え方。