④社会的インパクト理論 • 個人が受ける社会的なインパクト(影響力)は (S)影響発信源の強さ(地位、権力、能力) (I)影響発信源と受け手との近さ(時間的/ 空間的/社会的) (N)影響発信源の数 に依存するという見方 →社会的インパクト=f(S×I×N) 1 ⑤少数派の影響力 • 状況によっては少数派が多数派に強い影響力を及 ぼすことができることも知られている。 • 少数派が多数派に影響を与えるためには、行動の 一貫性が保たれていることが必要だが、頑固だと 見なされると影響力は低下する。 • 創造性を重んじる雰囲気が集団にある場合には、 少数派の影響力が発揮されやすくなる。 2 (2)社会的促進 = • 単に他者が存在するという最小限の集団状況 でも、行動者が孤立した状況よりも行動者の 行動が促進されるという現象 ⇔社会的抑制 • 有力な説明 他者の存在が行動者にとって覚醒や活性化 の原因となり、十分に学習された反応の生起 率を上昇させるようになる 3 2.集団の問題解決 (1)三人寄れば文殊(もんじゅ)の知恵? • さまざまな実験結果から、集団は平均的な個 人に比べて優れた知的達成(問題解決能力) を示すことが知られている • 集団での問題解決では、延べ人数や延べ時 間で多くの資源がつぎ込まれる →単位時間当たり・一人当たり生産性でみる と集団での問題解決は効率的? 4 (2)集団による創発の可能性 • 集団で問題解決を図ることによって、誰も一 人では考えつかなかった解決策が新たに生 まれるのではないか? =集団による創発の可能性 • 少なくとも、メンバーの誰かが正解を見つれ ば、集団の回答は正解となるのではないか (cf. 情報的影響による同調) 5 (2)集団による創発の可能性 (continued) • 多様な専門知識を必要としない問題解決 の場合、集団による問題解決の成績が、 優秀な個人の水準には到達しないことが しばしば起こることは、さまざまな実験結果 から指摘されている 6 (3)プロセスの損失 = 集団に期待される効率水準(潜在的 生産性)と実際の遂行の落差 • 集団過程というプロセスの中で、メンバー が本来備えているさまざまな資質や能力が 十分に生かされず損失が生じている。 7 (3)プロセスの損失(continued) • 共同作業では個人別の寄与が明確にならな いことも多い →メンバーの動機づけに影響 →社会的手抜きやフリーライド(ただ乗り) が生じる可能性 • 行為の相互調整による損失(非効率) 8 3.集団による意思決定 (1)集団での意思決定のメリット (a)豊富な情報・知識と多角的視点を活用する ことができる cf. (個人の)合理性の限界 (b)決定の正当性や受容度が高められる →決定の実行可能性が上昇 9 (2)知識・情報の共有での問題 • 集団でのディスカッションで情報共有を行うことはそ んなに容易ではないことが知られている。 • 共有している情報の確認に多くの時間を割いて、共 有されていない情報が発掘されないことが多い ⇒隠れたプロフィール(情報の偏りのために埋もれ ている選択肢や情報)が存在する可能性 10 (2)知識・情報の共有での問題 (continued) • 誰がどういう知識・情報を持っているかという 知識のありかについての知識(メタ知識)が 情報共有の手がかりとなる • メタ知識を互いに持っていれば、必要な情報 の共有がスムーズに行われやすくなる 11
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