2.基本的な調整メカニズム (1)二段階の調整

2.基本的な調整メカニズム
(1)二段階の調整
• タスクが遂行される以前に標準化に基づ
いた「事前調整」を行い、問題(例外)が生
じた場合に「事後調整」を行うという二段階
で調整を実施する
• 標準化=分業化された異なるタスクが統
合できるように、何らかの標準を多数の人
(部署)で共有したり、時間を超えて共通に
用いたりすること
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(2)意思決定の定型化
○意思決定のプログラム化:規則や作業手順を
定め、処理プロセスを標準化することで、意思決
定を定型化すること
• プログラム化のメリット
(a)意思決定のスピードアップ
(b)意思決定の質の安定化・向上
(c)教育訓練の容易化
(d)メタ知識の獲得を通じた調整の効率化
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(3)例外管理による事後調整
• 標準化に基づく事前調整で処理できない
例外事項については、コミュニケーションを
通じて事後的に調整を図る
• 多くの場合、例外処理は階層(垂直分業)
に基づいて行われる
→例外事項に関する意思決定が、調整に
専念する上位階層に委ねられる
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(3)例外管理による事後調整
(continued)
• 垂直分業=調整・管理に重点を置くタスク
と実行に重点を置くタスクに分割すること
• 管理の幅の原則
=一人の管理者が調整できる
人数には一定の限度がある 調整・管理
ということ
→規模拡大に伴う
実行・作業
高階層化
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(4) 組織構造の精緻化と逆機能
• 組織規模の拡大に伴って、組織構造の精
緻化(公式規則・手続きの増加や高階層
化・専門分化)が進行
• 組織の高階層化→コミュニケーションにお
ける情報の歪みや欠落の増加
• 規則の細部化→規則遵守の目的化や最
低許容行動
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3.増大する不確実性への対応
(1)タスク不確実性
=
タスク遂行のために必要な情報と事前に
組織が保有している情報とのギャップ
• タスク不確実性が大きければ大きいほど、例外
管理を行う段階でより多くの情報を処理しなけれ
ばならない
• 増大する不確実性への対応の方向性
(a)情報処理の能力を増大
(b)情報処理の必要性を低減
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(2)情報処理能力の増大
①情報技術への投資
(a)意思決定支援システムの導入
(b)ERP(企業資源計画)パッケージの導入
②水平的連結の創設
(a)プロジェクト・チームの結成
(b)リエゾン(調整担当職)などの設置
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(3)情報処理の必要性低減
①目標設定とセットになった権限委譲
• 目標達成の責任を課すとともに、実行に
必要な権限を委譲する
②スラック資源の創設
• 余裕をもつことによって機会損失が発生す
ることもある
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(4)不確実性への対応のまとめ
不確実性
小
情報処理
必要性低減
情報処理
能力増大
規則や手続の
活用
垂直分業による
例外管理
大
①目標設定による
権限委譲
②スラック資源創設
①情報技術への投資
②水平的関係創設
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4.組織ルーティンの変革
(1)組織ルーティンとは
• 組織ルーティン:組織の中で継承されてい
る行動や意思決定の規則的・継続的パ
ターン(及びその基礎)
• 組織ルーティンには、公式に定められた規
則や作業手順のみならず、組織文化や慣
習などに由来する非公式的なパターンも
含まれる
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(2) 環境適応と組織学習
• 組織の有効性は、組織ルーティンの環境
への適合度に大きく左右される
→環境変動が激しい状況では、組織ルー
ティンの更新(=組織学習)がきわめて重
要となる
• 組織学習=組織ルーティンの獲得・更新・
蓄積
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(3)組織学習の要素
• 組織学習の基礎は、組織メンバー個人に
よる学習にあるが、それが組織内で浸透・
定着することで組織学習となる
• 組織学習の要素
①個人学習(知識やスキルの獲得など)
②他者への伝達→情報解釈(理解)
③組織的記憶
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(4)組織学習サイクル
①完全な組織学習サイクル
個人の行動
個人の信念
組織の行動
環境の変化
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(4)組織学習サイクル(continued)
②不完全な組織学習サイクル
(a)役割制約的学習
個人の行動
個人の信念
組織の行動
環境の変化
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(4)組織学習サイクル(continued)
②不完全な組織学習サイクル
(b)傍観者的学習
個人の行動
個人の信念
組織の行動
環境の変化
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(4)組織学習サイクル(continued)
②不完全な組織学習サイクル
(c)迷信的学習
個人の行動
個人の信念
組織の行動
環境の変化
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(4)組織学習サイクル(continued)
②不完全な組織学習サイクル
(d)曖昧さのもとでの学習
個人の行動
個人の信念
組織の行動
環境の変化
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(5)組織学習のレベル
• 低次学習:既存の価値観・信念や
フレーム(認知枠組み)の範囲内で、
誤りや矛盾を修正する活動
• 高次学習:既存の価値観・信念や
フレーム(認知枠組み)への疑問を
提示し、それらを変革する活動
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