週間天気予報解説資料 2016 年 10 月 3 日 10 時 00 分 発表 気象庁予報部 予報期間 10 月 4 日から 10 月 10 日まで 1.アンサンブル資料 ●アンサンブル(ENS):6日から8日にかけて、北海道~サハリン付近に5400~5640m付近の流れがかかり、北日本では寒気移流が顕 著となる。9日には沿海州から朝鮮半島付近でトラフが深まり10日にかけて日本付近を通過する。地上ではT1618が6日に日本 の東に抜けた後は大陸から高気圧が東進し日本付近に進む。高気圧の軸は40N付近で、東・西日では北偏傾向となり、活動は顕著 ではないが太平洋沿岸に前線位相が残る。高気圧は8日には日本の東に抜け高気圧後面となり、低気圧の通過する9日を中心に 天気が崩れる。 ●500hPa基本場(週間予報支援図) :実況はサブHが強く、5880m線が東・西日本日本海側まで北上した状態が続き顕著な正偏差。予 報期間は、サブHは弱まって5880m線は東・西日本太平洋沿岸まで南下し正偏差はやや小さくなって北海道は負偏差となる。流れ は概ねゾーナル。 ●6日:北・東日本と西日本日本海側の一部でT1618の影響が残る所があるが、全般に天気は回復傾向。北日本は次第に寒気移流が 強まる。 ●7~8日:日本付近を高気圧が東進する。東・西日本太平洋側では高気圧が北偏し雲が広がりやすいところがある。8日は高気圧 後面となる西日本太平洋側を中心に雨の降る所がある。北日本は寒気の影響を除けば概ね晴れ。 ●9~10日:深いト日本付近を通過するのに伴い、9日は北~西日本の広い範囲で雨が降る。10日の天気は西から回復するが、 寒気移流により、日本海側では北・東日本を中心にしぐれる所がある見込み。また、サブHの強い状態は続くので、東・西日本 太平洋沿岸には前線位相が残る。雲が広がりやすい所がある。 ●沖縄・奄美:期間前半を中心にT1618や高気圧縁辺の湿った空気の影響を受けやすく、期間後半はサブHの南下に伴い前線位相が かかりやすくなるため、雲が広がりやすい天気が続き、期間の前半には雨の降る所がある。 ・ アンサンブル(ENS)/27メンバー:8日顕著なFRR域を西日本に予想しているメンバーは約2割。期間終わりに降水を予想するメン バーのうち多くは、9日から10日が降水の中心。バシー海峡を西進する熱帯じょう乱は3~4割程度のメンバーが予想。 ・ スプレッド:期間を通して縮小。特定高度線は、期間終わりのトラフ位相も比較的揃っている。 ・ 降水頻度分布:高降水頻度域は、6日は広範囲で拡大。9日は東北~四国付近で拡大。 ・ 予想T850時系列:北日本は4日以降負偏差が続くがばらつきは大きい。寒気の流入するタイミングにメンバー差があるが寒気の 入りやすい状態には変わりがない。東日本は前半正偏差から後半は変動が大きくなる。西日本と沖縄・奄美は正偏差が後半に向 け小さくなり、西日本では7日目は負偏差。 2.防災事項等 ・ T1618の影響で、沖縄・奄美は4日にかけて大雨や大荒れ、猛烈なしけとなる所がある。台風の進路等によっては、西日本は5日 を中心に、東・北日本は6日にかけて、大雨や大荒れ、大しけとなるおそれがある。 ・ 発達する低気圧の影響で、北日本は4日に荒れた天気となる所がある。 3.明後日予報(3時40分発表の短期予報解説資料も参照1) ・ T1618の予報円の中心は、5日昼前にかけて対馬海峡を通り、山陰沖を東北東進。夜遅くには富山県付近の北陸地方に達する。 ・ 西日本は九州地方を中心に雨が降る。九州地方では夜には天気が回復するところもある。東日本は北陸地方を中心に曇り一時雨、 もしくは曇りのち雨。北日本は太平洋側では晴れるが、日本海側では下層寒気により雲が多い。南西諸島は概ね晴れる。 4.全般週間天気予報(案) ・ 北日本は、期間の中頃は高気圧に覆われて概ね晴れるが、期間のはじめと終わりは低気圧や寒気の影響で曇りや雨の降る日がある。 ・ 東日本と西日本は、湿った空気や低気圧の影響で雲が広がりやすく、期間のはじめと終わりに雨の降る日がある。期間の中頃には 高気圧に覆われて晴れる所がある。 ・ 沖縄・奄美は、台風第18号や湿った空気の影響で雲が広がりやすく、期間の前半には雨が降る所がある。 ・ 最高気温・最低気温ともに、全国的に期間前半は平年より高く、かなり高くなる日もあるが、後半は平年並か平年より低い所が多 い。 この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの 形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。
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