週間天気予報解説資料

週間天気予報解説資料
2017 年 1 月 6 日 10 時 00 分 発表
気象庁予報部
予報期間
1 月 7 日から 1 月 13 日まで
1.アンサンブル資料
●アンサンブル(ENS):北~西日本は9日に南岸低気圧が日本の東へ進み、西から冬型の気圧配置に移行する。その後も西北西流場
で冬型が続く。沖縄・奄美は、期間中頃は寒気の影響を受ける。期間終わりは高気圧後面の湿った空気と前線の影響を受ける。
●500hPa基本場(週間予報支援図):実況は、北~西日本は東谷、沖縄・奄美は西北西流場で、中国東北区を中心とした正偏差域が
日本付近を覆う。予報期間は、北~西日本は東谷が続くが、トラフがオホーツク海付近でカットオフして寒冷渦となり、日本の
東のトラフも西進するため、概ね負偏差に転じる。南西諸島は西北西流場で正偏差が続く。
●9日:南岸低気圧が発達しながら日本の東へ進み、5400m付近のトラフが東日本付近へ進む。北~西日本は冬型の気圧配置に移行
し、日本海側を中心に雲が広がりやすく、雪が雨の降る所がある。北・東日本の太平洋側も低気圧の影響が残り、雨か雪の降る
所がある。
●10~13日:北~東日本は西北西流場で冬型の気圧配置が続き、日本海側は雲が広がりやすく雪か降るが、太平洋側は概ね晴れ
る。冬型の天気分布となるが、太平洋側でも寒気の影響で曇る所もある。
●沖縄・奄美:期間の中頃は寒気の影響で雲が広がりやすい。期間終わりは大陸から張り出した高気圧後面の暖湿気により前線位相
が活発化し、雲が広がりやすく雨の降る所がある。
・ アンサンブル(ENS)/27メンバー:10日に日本海低気圧を予想するメンバーは1~2割。
・ スプレッド:5日目以外は拡大。特定高度線は、短波トラフのバラつきがあるが、5400mが期間中頃以降に西北西の流れとなる傾
向は揃っている。5700mも西北西の流れが揃っている。
・ 降水頻度分布:高降水頻度域は、10日が東北地方付近で縮小、12日は東北地方付近で拡大。
・ 予想T850時系列:北・東日本は期間前半が正偏差、後半は負偏差に下降。西日本は期間はじめが正偏差、その後は平年並。沖縄・
奄美は期間のはじめと終わりが正偏差、期間の中頃はほぼ平年並。
2.防災事項等
・ 8~9日は発達する南岸低気圧の影響により、沖縄・奄美と東・西日本の太平洋側で大雨や荒れた天気となるおそれがある。ま
た、東日本の平野部でも雪の可能性がある。
・ 期間中頃は冬型の気圧配置が強まって、北~西日本の日本海側では荒れた天気や、北日本を中心に大荒れとなるおそれがある。
また、大雪のおそれもある。
3.明後日予報(3時40分発表の短期予報解説資料も参照)
・ 500hPaは、40N以北は朝までにトラフが通過し、リッジ場に移行。一方、30N帯は大陸のトラフが夜には東シナ海に進み、トラフ
場に移行。
・ 地上では、40N以北は高気圧に覆われる。30N帯では、東シナ海の前線上の波動に低気圧が発生し、夜には伊豆諸島の南に進む。
・ 北海道や東北北部は、高気圧に覆われて概ね晴れ。東北南部から東日本・西日本は、太平洋側を中心に雨や雪が降る。雨・雪の
判断にあたってはGSMの予報特性を考慮する。内陸部等では下層の気温が数値予報よりも低くなる可能性のあることに留意。
・ 南西諸島は、前線南側の下層暖湿気や、前線後面の下層寒気移流により雲が多く、雨の降るところがある。
4.全般週間天気予報(案)
・ 北日本は、期間のはじめは移動性高気圧に覆われて太平洋側を中心に概ね晴れるが、その後は冬型の気圧配置が続き、雲が広が
りやすく日本海側では雪が降る。
・ 東・西日本は、期間のはじめは南岸低気圧の影響で雨が降る。その後は冬型の気圧配置となり、日本海側では雲が広がりやすく
雪の降る所があるが、太平洋側は概ね晴れる。
・ 沖縄・奄美は、前線や湿った空気の影響で雲が広がりやすく、期間のはじめと終わりは雨の降る日がある。
・ 最高気温・最低気温ともに、北~西日本は期間の前半は平年並か平年より高いが、後半は平年並か平年より低い。沖縄・奄美は、
平年並か平年より高い。
この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの
形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。