週間天気予報解説資料 2016 年 7 月 16 日 10 時 00 分 発表 気象庁予報部 予報期間 7 月 17 日から 7 月 23 日まで 1.アンサンブル資料 ●アンサンブル(ENS):19~21日に北・東日本は北高型に移行し、西日本は暖湿気が流入しやすい場となるため、全国的に曇る 所が多い。22~23日は、低気圧が衰弱しながら日本海へ進んで来るため、西日本は雨の降る所があるが、北日本は高気圧の 圏内で日本海側を中心に晴れる。 ●500hPa基本場(週間予報支援図):実況は、日本の東にトラフがあり、北日本はリッジ、東・西日本はほぼゾーナルで、これらの 地方は東西にのびる負偏差域に覆われる。サブハイ(500hPa=5880m)は30°Nに位置して華南まで西へ張り出し、沖縄・奄美 は正偏差。予報期間は、日本海北部~日本の東はリッジとなり北~西日本は正偏差に転じる。またサブハイは日本の南岸まで北 上し、沖縄・奄美は正偏差が続く。 ●19日:5760m付近のトラフが北日本を通過し、リッジが日本海に接近する。低気圧が弱まりながら北海道の東に進み、北日本は 雲が広がりやすく、雨の降る所がある。東・西日本は高気圧覆われてくるため天気は回復傾向。 ●20~21日:リッジが北日本付近に接近し、寒冷渦直下の低気圧が黄海付近をゆっくり東進する。北・東日本は北から高気圧に 覆われて太平洋側を中心に雲が広がりやすい。西日本も低気圧に流れ込む暖湿気の影響で雲が広がりやすいが、20日はサブハ イが北へ張り出すため、晴れる所もある。 ●22~23日:北日本から日本の東はリッジ場となり、寒冷渦直下の低気圧は、寒冷渦が浅まるため、衰弱しながら日本海へ進む。 北日本は高気圧の圏内となり、日本海側を中心に晴れる。東・西日本は暖湿気が流入するため雲が広がりやすく、西日本は雨の 降る所がある。 ●沖縄・奄美:太平洋高気圧に覆われて晴れる日が多い。 ・ アンサンブル(ENS)/27メンバー:22日に低気圧を黄海から日本海に予想するメンバー4~5割で、降水の極大域を含めると大 半がじょう乱を予想している。しかし発達傾向は小さい。期間後半に日本の南とその東側の海域で、亜熱帯低気圧(上層寒気の じょう乱)と思われるじょう乱を予想しているメンバーは多いが、バラつきが大きい。 ・ スプレッド:4日目が拡大、6・7日目が縮小した。特定高度線は、5880mが期間終わりに日本の南で上層寒冷低気圧を予想する 傾向がある。 ・ 降水頻度分布:高降水頻度域は、21・22日が西日本で縮小した。 ・ 予想T850時系列:北・東日本は期間はじめがやや正偏差、その後はやや負偏差。西日本は期間はじめがやや正偏差、その後は平 年並。沖縄・奄美は平年並で推移。 2.防災事項等 ・ 明日(17日)は西日本太平洋側を中心に大気の状態が不安定となり、落雷や短時間強雨などのおそれがある。 3.明後日予報(3時40分発表の短期予報解説資料も参照) ・ 500hPa5760m付近のトラフが中国東北区から日本海北部へ、500hPa5820m付近のトラフが黄海から日本海中部へ進む。上空のトラフ の動きに伴い、低気圧が秋田沖から北海道付近へ進む。500hPa5880m付近の強風軸に沿って前線が東シナ海から九州に停滞する 見込み。。 ・ 低気圧や気圧の谷、前線の影響で、北日本・関東甲信地方・九州では曇りで一時雨の降る所がある。下層から上層の湿域が広がり やすい北陸・近畿北部・中国地方は概ね曇り。中・下層で北西風が卓越し、山地の風下にあたる東海・近畿南部・四国では晴れ 時々曇り。奄美・沖縄は高気圧に覆われて晴れる見込み。 4.全般週間天気予報(案) ・ 北日本から西日本にかけて、前線や湿った空気の影響で雲が広がりやすく、期間のはじめは雨の降る所があるが、北日本では期間 の後半に高気圧に覆われて晴れる所もある。 ・ 沖縄・奄美は、太平洋高気圧に覆われて晴れる。 ・ 最高気温・最低気温とも、北~西日本は平年並か平年より低いが、期間の前半は平年より高い所がある。沖縄・奄美は、平年並 か平年より高い。 この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの 形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。
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