週間天気予報解説資料 2017 年 1 月 22 日 10 時 00 分 発表 気象庁予報部 予報期間 1 月 23 日から 1 月 29 日まで 1.アンサンブル資料 ●アンサンブル(ENS):北~西日本は、25~26日に高気圧が通過し、27~28日は低気圧と南にのびる前線が通過して、29 日は南偏した移動性高気圧に覆われる。沖縄・奄美は、25~26日に気圧の谷が通過し、27~28日も前線位相が接近・通 過する。29日は高気圧に覆われる。 ●500hPa基本場(週間予報支援図):実況は、北~西日本は西谷、沖縄・奄美は西北西流場。北~西日本はトラフに伴う負偏差域に 覆われるが、沖縄奄美は正偏差。予報期間は、全国的に西北西流場で正偏差となる。 ●25~26日:リッジが日本海へ進み、高気圧が本州付近を通過する。北~西日本は太平洋側を中心に概ね晴れるが、25日は寒 気が残り北・東日本の日本海側では雪の降る所がある。 ●27~28日:5280m付近と5520m付近のトラフが位相を合わせて日本付近へ進む。低気圧が発達しながら日本海北部付近を北東進 し、サハリン付近へ進む。また、これから南にのびる前線が西日本から日本の東へ進む。27日は西日本を中心に、28日は北・ 東日本を中心に雨か雪が降る。 ●29日:日本付近は西北西流場となり、移動性高気圧が西日本付近へ進む。北日本は寒気の影響で日本海側を中心に雲が広がりや すく、雪の降る所がある。東・西日本は太平洋側を中心に概ね晴れる。 ●沖縄・奄美:25~26日は5700m付近のトラフが接近・通過し、気圧の谷が東進するため、雲が広がりやすく雨の降る所がある。 27~28日は前線位相の影響で雲が広がりやすい。29日は高気圧に覆われて概ね晴れる。 ・ アンサンブル(ENS)/27メンバー:27日にほとんどのメンバーが日本海北部付近の低気圧を予想し、発達傾向がある。これから 南にのびる前線は28日に日本の東へ進む。期間終わりに父島・南鳥島近海の熱帯じょう乱を予想するメンバーは約4割だが、 前述した前線を刺激する可能性は低い。 ・ スプレッド:6日目が拡大、7日目は縮小。特定高度線は、26日に5400mのリッジが北日本に接近、5700mのトラフが日本の南 を東進する傾向は揃っている。また27日以降、5400mと5700mのトラフが位相を合わせて日本付近を通過後、西北西流場になる 傾向も揃っている。 ・ 降水頻度分布:高降水頻度域は、28日に北日本付近と西日本付近で拡大した。 ・ 予想T850時系列:東日本は期間前半、その他は期間はじめが負偏差。その後は北・東日本が正偏差に昇温し、期間終わりはほぼ 平年並に下降。西日本と沖縄・奄美は期間中頃から正偏差で推移。 2.防災事項等 ・ 期間のはじめは発達する低気圧や強い冬型の気圧配置の影響で、北日本を中心に大荒れや大雪のおそれがある。 ・ 期間の終わりも発達する低気圧の影響で、北・東日本は荒れた天気となる可能性がある。 3.明後日予報(3時40分発表の短期予報解説資料も参照) ・ 500hPaのトラフが日本付近を通過。西日本には500hPaで-30℃以下、東日本には-33℃以下、北日本にはー39℃ないしは-42℃以下 の寒気が流入。850hPaの-9℃線も西日本・東日本の太平洋側まで南下。日本付近は冬型の気圧配置で北日本から西日本の日本海 側を中心に降雪となる。北日本から西日本の太平洋側では晴れる所が多い。奄美・沖縄は下層寒気移流の影響で、下層雲が広が りやすい見込み。 4.全般週間天気予報(案) ・ 北日本から西日本の日本海側は、寒気や低気圧の影響で雲が広がりやすく雪のまたは雨の降る日がある。太平洋側は、高気圧に 覆われて概ね晴れるが、期間の後半に前線の影響で雨か雪の降る日がある。 ・ 沖縄・奄美は、寒気や気圧の谷の影響で雲が広がりやすく、期間の中頃に雨の降る日がある。 ・ 最高気温・最低気温ともに、全国的に期間の前半は平年並か平年より低く、後半は平年並か平年より高い。 この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの 形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。
© Copyright 2024 ExpyDoc