大和住銀投信投資顧問

2016年4⽉18⽇
⽇本株ファンドマネージャーの視点
『⼗⼈⼗⾊』
※このレポートでは、⽇本株ファンドマネージャーが注⽬しているトピックなどを毎週お届けします。
最近⼀⼈で外⾷する機会が増えているのですが、外⾷チェーン店の専⾨化がますます進んできている印象を
受けます。個⼈的には、から揚げや餃⼦に惹かれてしまいますが、やきそばやチャーハンに加え、フライド
ポテトやサラダの専⾨店まで出てきています。外⾷を利⽤する⼥性の増加なども⼀因と考えますが、個々⼈
がより⾃分の好みにあったものを求める動きが強まっていることも要因と思われます。
こうした⾃分の好みにあったものを求めるという動きはネットの世界ではよく⾒られますが、リアルの世界
でも注⽬されており、企業も対応を考えています。例えば⼤⼿アパレル企業の社⻑は、先⽇⾏われた決算説
明会で、今期のキャッチフレーズがどれも⽇本語に⾔い直せば「個性」につながるといったことを話してい
らっしゃいました。内容的には厳しい決算だったこともあり、「個性」をうまくとらえられていないことを
課題と認識されているようでした。
同様のこととして、⼤⼿⼆輪メーカーのCFOとのミーティングでは、ハーレーダビッドソンのビジネスモデ
ルに関して、他のファンドマネージャーとともに議論をさせていただきました。私には⾼嶺の花であるハー
レーは、そのブランド⼒もさることながら、カスタム化に⼤きな魅⼒のあるメーカーとして知られており、
今ではWebサイトを通じてパーツを組み合わせるカスタムオーダーができるようになっています。これは
顧客の個性に対応した優れた仕組みだと考えます。しかしながら、もし他社がすぐにこの仕組みを取り⼊れ
ようとしても、製造設備や⼈員、営業体制など抜本的に変化させる必要があり、難しい印象を持ちました。
そんな中で私が注⽬しているのは、「個性」に応えるための施策を助ける⿊⼦役的なサービスを提供する企
業です。
例えば、業績が急拡⼤している⼯業⽤間接資材の通販⼤⼿の取扱いアイテム数は、2012年に200万アイテ
ムでしたが、多様なニーズに応えるため直近では900万アイテムに増加しています。この企業のサービスを
⽀えているのが、在庫拡⼤により顧客への供給能⼒を⾼めた⼤⼿⼀次卸で、こちらの業績も堅調に推移して
います。私はこの⼀次卸の本社⾒学などから、「個性」に応えるための施策を助ける⿊⼦的サービスの将来
性を認識しました。
このような企業やサービスは、今後も増えてくると思われますが、今はまだ世の中には知られていないもの
も多くあると思います。私達は取材や⾒学を通じて、企業の新しい取り組みを知ることが可能です。精⼒的
に取材を⾏うことで、パフォーマンスの向上につなげていくことができると思います。
株式運⽤部
部奈 和洋
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