ドキドキ体験

2016年10⽉31⽇
⽇本株ファンドマネージャーの視点
『ドキドキ体験』
※このレポートでは、⽇本株ファンドマネージャーが注⽬しているトピックなどを毎週お届けします。
今年は「バーチャルリアリティ(VR)元年」と呼ばれています。私も先週、ついに2種類のVRを体験し
てきました。ケーブルが邪魔になることや怪我が増える懸念、外で使⽤する場合の犯罪に会う可能性の⾼ま
りなど、課題もありますが、今後ゲームに限らず、新しいサービスがいくつも出てくる可能性を感じること
ができました。
最初に体験したのは、10⽉に発売されたソニーの「プレイステーションVR」です。⾼性能なVRを相対
的に安価に楽しむことができるのが特徴です。ヘッドマウントディスプレイをずっとつけていると、暑く感
じ、不快になってくるので、⻑時間のプレイには課題がありそうでしたが、本当にそのコンテンツの世界の
中にいる感覚に襲われました。例えば、「サマーレッスン」という、コミュニケーションを楽しむゲームで
は、相⼿の⼥⼦⾼⽣がふいに近づいてきた時、思わずドキッとしてしまいました。また、ホラーゲームの
「KITCHEN」を体験した時には、恐怖で⼿に汗をぐっしょりとかいてしまいました。次に映像コンテ
ンツ「シン・ゴジラ スペシャルデモコンテンツ」を鑑賞しました。ゲームより⾒え⽅がクリアで、なめらか
な感じを受けました。今後に期待されているVR映画は、4Dシアターをさらに進化させるかもしれません。
また、課題として指摘されているVR酔いの問題ですが、私は全く問題ありませんでした。しかし、⼀緒に
体験した上司は若⼲酔ってしまったそうですし、先に体験した先輩は⼀晩中頭痛に悩まされたので、⼈に
よっては⼤きな障害になります。ある⽇本のゲームメーカーは、酔いを抑える技術の特許をとっており、注
⽬を集める可能性があります。
次に、建設業向けCADソフトウェアのメーカーのショールームにお邪魔して、バーチャル空間体感システ
ムを体験してきました。ヘッドマウントディスプレイは、HTC社のViveを使っています。これはレー
ザーを使った技術で、位置情報を把握できる点が特徴です。これを使うことで、実際に歩いて、バーチャル
住宅展⽰場を⾒て回ることが可能になっています。⽬の⾼さから部屋を⾒ることができ、⼿にもったリモコ
ンがモノに触れると振動する仕組みになっていることから、どのくらいの⾼さなのかも⾝をもって知ること
もできます。さらに、⾃由な⾓度から家の断⾯を⾒ることや、家の構造を3Dモデルで確認することもでき
るようになっています。全体として、質感はまだ⼗分に表現できていないと感じましたが、リアルとの組み
合わせで⼗分に使えると思いました。既にいくつかの引き合いもきているようです。住宅展⽰場やマンショ
ンのモデルルームは、場所やコストの制約から代表例しか造れていないのが⼀般的かと思いますが、これを
使うことで、様々なバリュエーションを低コストで顧客に提⽰することができ、購⼊を後押しすることがで
きると考えられます。現時点では、⼀⼈ずつしか体験できませんが、将来的には2⼈以上でできるようにし
たいとのことでした。こうなれば、夫婦や家族でVR住宅を体験しながら、意思決定ができるようになりま
す。
上記の体験から、ゲームなどエンターテインメント以外の分野でのVRの拡がりもかなり期待できる印象を
持ちました。簡単には⾏くことができない場所への旅⾏や、バーチャルなインターネットモールでの買い物
などが有望でしょうか。他にも、何かの訓練や練習にも使えると思いました。というのも私はゴルフをしま
すが、打ちっぱなしのマットから打つのは退屈で、なかなか練習に⾏く気になりません。もしVRで、世界
の名コースとして知られているオーガスタなどでプレイしている感覚の中で練習できれば、もっと集中して
楽しめると思ったからです。いずれにせよ、技術の進歩をともないながら、なんらかの新しいサービスが出
てくることが期待できるので、そこで成⻑が期待できる企業を、想像⼒を駆使することによって、探してい
きたいと考えています。
株式運⽤部
部奈 和洋
■当資料は情報提供を⽬的として⼤和住銀投信投資顧問が作成したものであ
り、特定の投資信託・⽣命保険・株式・債券等の売買を推奨・勧誘するもの
ではありません。■当資料は各種の信頼できると考えられる情報源から作成
しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。■当
資料に記載されている今後の⾒通し・コメントは、作成⽇現在におけるレ
ポート作成者の判断に基づくものであり、事前の予告なしに将来変更される
場合があります。■当資料内の運⽤実績等に関するグラフ、数値等は過去の
ものであり、将来の運⽤成果等を約束するものではありません。■当資料内
のいかなる内容も、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。
大和住銀投信投資顧問株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第353号
加入協会 一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会