『隠れインバウンド、隠れ原油安メリット株を探せ!』

2015年4⽉13⽇
⽇本株ファンドマネージャーの視点
『隠れインバウンド、隠れ原油安メリット株を探せ!』
※このレポートでは、⽇本株ファンドマネージャーが注⽬しているトピックなどを毎週お届けします。
⼩売や⾷品、化粧品などのインバウンド関連銘柄が⼤きく上昇しています。インバウンドという
テーマは分かりやすく、おそらく東京五輪後も継続できる息の⻑いテーマとなるでしょう。この背
景には円安の定着や、政府のビザ発給緩和、加えて昨年秋の免税品⽬拡⼤があるのは間違いないで
しょう。ただ、もう既にインバウンド関連銘柄は割安とは⾔いづらくなっています。円安の定着に
加え、政府がインバウンド需要の拡⼤⽀援政策を⾏っているため⼤きく調整することはないでしょ
うが、今後、これらの銘柄は市場の成⻑期待を裏切れば⼀時的に調整することも覚悟しておく必要
があると思います。
そうは⾔っても、中⼩型株、特に⼩型株にはインバウンド関連として物⾊されていない割安な“隠
れインバウンド銘柄”がまだ数多く存在するはずです。アナリストがカバーしていない銘柄やカ
バーはしているものの⻑期間にわたって業績予想がアップデートされていない銘柄が狙い⽬でしょ
う。今の市場センチメントは総合電機の株価が低迷しているように、業績の⽅向性が分からないも
のが極端に嫌われる相場環境です。従ってアナリストがカバーしていない銘柄やアナリストがレ
ポートを発信しない銘柄はどうしても敬遠される傾向にあります。しかし、それは逆に⾔うとそれ
が分かればその銘柄が急に注⽬されるということになるでしょう。例えば、どこかのアナリストが
新規にフォローする、あるいは決算が発表され説明会が開催されることも割安に放置されているこ
れらの銘柄が⼤きく上昇するきっかけとなるでしょう。
しかし、これから発表になる1〜3⽉期の決算はインバウンド効果が分かりづらいものになること
が予想されます。それは前年の1〜3⽉期が消費増税前の駆け込み需要により⼤きく増加している
ためです。これらの効果は4〜6⽉期以降の決算発表では確認しやすくなると思います。しかし、
ここはアナリストやファンドマネージャーの腕の⾒せ所で、1〜3⽉期の決算が発表されているう
ちにこれらの効果をいち早く分析し投資をすることで⼤きな付加価値が得られるのではないでしょ
うか。
これは、原油安メリット株についても同様のことが⾔えるでしょう。“隠れインバウンド銘柄”を探
しているうちに、実はその銘柄は“隠れ原油安メリット銘柄”でもあるようなダブルメリットを受け
る銘柄に巡り合うこともあると思います。このようにまだ市場で評価されていない将来の有望銘柄
に出会った時が、ファンドマネージャーにとって最⼤の喜びの瞬間になります。
スマートベータを含むパッシブ運⽤の増加によって、時価総額を増加させた企業の指数構成ウェイ
トが上昇し、さらに評価されるという順張り相場の展開が継続しています。しかし、決算を機会に
株式市場の物⾊対象が変化することも良くあります。引き続き銘柄分析に注⼒し、投資を続けてい
きたいと思います。
株式運⽤部
⼩出 修
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