2016年1⽉25⽇ ⽇本株ファンドマネージャーの視点 『今こそ⽬線を中⻑期へ!』 ※このレポートでは、⽇本株ファンドマネージャーが注⽬しているトピックなどを毎週お届けします。 今年になってからの⽇本の株式市場は、マクロの影響を受けずにファンダメンタルズが好調で業績上⽅修正や増配、そして ⾃社株買いと好材料全てを発表しても下がり続ける内需株(利⾷い売りの対象)、マクロの影響を受けるため、チャートの 節⽬まで既に下落し、それでもファンダメンタルズに⼤きな変化がなく割安であることには変わらないにも関わらず、その 後も更に⼤きく下がり続ける外需株。結局、何を買っても⼤きく値下がりをしてしまう⼤変厳しい相場環境です。 特に、先週⽊曜⽇の⽇本株市場はファンダメンタルズを完全に無視した投げ売りが加速し、円⾼メリット株であろうが、原 油安メリット株であろうが関係なく、ほとんどの銘柄が投げ売りの対象となって⼤きく下落してしまう惨憺たる状況でした。 ⾦曜⽇は前⽇の反動もあって、⽇経平均は1,000円に近い⼤幅な上昇となりましたが、今後の株式市場もまだ予断を許さな い状況が継続しそうです。 今回の急落も、まだ記憶に新しい昨年の8⽉から9⽉にかけての株価下落と同様であれば、結局はファンダメンタルズに回 帰することになると思います。今週から本格化する第3四半期の決算で今後の企業業績の⽅向性を分析する作業が重要にな るでしょう。 ただ、今回は今期の業績に市場の⽬線があるのではなく、既に来期以降の業績に市場の⽬線が向かうことになるでしょう。 この点が、中間決算の時との⼤きな違いになります。 そして、この様な市場混乱時にファンドマネージャーが必ずやることは保有する銘柄のファンダメンタルズのチェックです。 この作業のため、他のファンドマネージャーやアナリストといつにも増して熱い議論を⾶び交わすことになります。 また、もう⼀つ重要な作業があります。 それは、あまりにも近視眼的になっている⽬線を中⻑期な⽬線に戻すことです。中⻑期的な⽬線に戻す作業で有効なのは成 ⻑テーマについて考えてみることです。 ⽬線を短期から中⻑期にすることで中⻑期的な観点で、短期業績で下落している株を安値で購⼊することができます。経験 則として、これが結果的に底値近辺で購⼊していることが多いと思います。 今まで⼤きな成⻑テーマであったスマートフォンは少なくともハードウェアという観点からは成⻑に陰りが出始めています。 この様な時こそ、次の成⻑テーマをじっくりと考えてみる良い機会でしょう。 以下に注⽬される成⻑テーマを幾つかあげてみました。 ◎フィンテック ⾦融(Finance=ファイナンス)と技術(Technology=テクノロジー)を掛け合わせた造語でテクノロジーを駆使して⾦ 融サービスを⽣み出したり、⾒直したりする動き。アプリケーションでは家計簿アプリのMoneyForwardが有名。 ◎⾃動運転 Googleの⾃動運転⾞が有名。いよいよ本丸のトヨタが本格的に⾃動運転に取り組み始め、今後最も息の⻑い、⼤きな成⻑ テーマ。 ◎ドローン 無⼈で遠隔操作や⾃動制御により⾶⾏できる航空機の総称。Amazonがドローンを使って荷物の配達を計画したり、セコム が⺠間防犯⽤にドローンを活⽤した監視サービスを開始したり何かと話題が多い。 ◎ロボット ◎再⽣医療 など 機会があれば上記の成⻑テーマを⽇本株『ファンドマネージャーの視点』で掘り下げて取り上げたいと思います。 ただ、誰もが成⻑すると思う事業は結局、液晶テレビや携帯電話のように儲からず撤退を余儀なくされる場合も多いことも 忘れないでおきたいと思います。 株式運⽤部 ⼩出 修 ■当資料は情報提供を⽬的として⼤和住銀投信投資顧問が作成したものであ り、特定の投資信託・⽣命保険・株式・債券等の売買を推奨・勧誘するもの ではありません。■当資料は各種の信頼できると考えられる情報源から作成 しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。■当 資料に記載されている今後の⾒通し・コメントは、作成⽇現在におけるレ ポート作成者の判断に基づくものであり、事前の予告なしに将来変更される 場合があります。■当資料内の運⽤実績等に関するグラフ、数値等は過去の ものであり、将来の運⽤成果等を約束するものではありません。■当資料内 のいかなる内容も、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。 大和住銀投信投資顧問株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第353号 加入協会 一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会
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