日本株ファンドマネージャーの視点 -業績モメンタム VS 割安

2014年5⽉12⽇
⽇本株ファンドマネージャーの視点
「業績モメンタム
VS 割安」
※このレポートでは、⽇本株ファンドマネージャーが注⽬しているトピックや銘柄などを毎週お届けします。
3⽉決算企業の決算発表が本格化しています。今までパフォーマンスの良好であった業績モメンタム株が更に物
⾊されるのか、あるいは割安株に物⾊の対象が広がるのか、今回はこのテーマをファンドマネージャーの視点か
ら考えてみたいと思います。
まずなぜ業績モメンタムのある銘柄に資⾦が集まるのでしょうか?“モメンタム”は⾔葉通り、“勢い”という意味
です。業績に勢いがあるということは、企業やアナリストの業績予想が今後上⽅修正されやすいということがま
ず⼀つ挙げられるでしょう。また、企業側やメディア等の発信する情報もポジティブなものになりやすいことも
影響があると思います。つまり業績モメンタムがあることは、その株を保有している⼈には⼤変⼼地良いものな
のです。(もちろん業績モメンタム株のパフォーマンスが良好であることが⼤前提です。)ただここで注意して
おかなければならないのは業績モメンタム株は、株価にもモメンタムがつきやすくなっており、相対的に割⾼と
なっているケースがかなり多いということです。逆に業績モメンタムの無い株は、相対的に割安な度合いがどん
どん増すことになります。
では、どこまでこの状況が続くのでしょうか?私はやはり企業の決算発表が⼀つの⼤きな変化のきっかけになる
と思います。決算発表時の今年度の業績予想やその前提条件などを分析し、その会社の業績のレベルが分かった
後に今まで業績モメンタムで買われてきた銘柄をふと冷静に⾒てみると、相対的に割⾼になっている場合が多い
のです。つまり冷静に周りを⾒渡す機会を提供してくれているのが決算発表シーズンということになります。
それなら業績モメンタムがあって割安な銘柄(下表A)を保有していればいいということになりますが、世の中
それほど⽢くはありません。そのような銘柄はほとんど存在しないのです。既に述べた通り、業績モメンタムの
ある銘柄はもう割⾼なレベルまで物⾊されています。仮にその様な銘柄が決算時に存在した場合は、直ぐに株価
が上昇して修正されてしまいます。下表のAやDのケースは誰が⾒ても明らかで、迷いもなく株価修正(Aが買わ
れてDが売られる)が短期間に起こると考えられます。
ところがBやCのケースではどうでしょうか?Bの場合であれば、『割安ではなくなったが、まだ業績モメンタム
もあるから今直ぐに売る必要は無いのでは(そうは⾔っても、もう買うことはなくあとは売るだけ)』という判
断もでき、またCの場合では、『割安だけど業績モメンタムがないから今直ぐに買う必要はない(そうは⾔って
も、もう売ることはなくあとは買うだけ)』と判断されます。このため、それぞれのケースで徐々に株価が修正
されてくる(株価修正に時間がかかる)と考えることができると思います。
従って、今後は業績モメンタム株ではなく割安株(下表C)がしばらく物⾊される可能性が⾼いと私は思います。
いま述べた理由に加え、何よりも現在の⽇本の株式市場全体は業績の踊り場にきており、業績モメンタムはあり
ません。もちろん、個別の企業ベースでは業績モメンタムのある企業は存在しますが、その代わりに割安な銘柄
が数多く存在します。あとはきっかけさえあれば・・・・。
割安
割⾼
業績モメンタム・有
A(短期間に株価修正)
B(徐々に株価修正)
業績モメンタム・無
C(徐々に株価修正)
D(短期間に株価修正)
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株式運⽤部
⼩出 修
大和住銀投信投資顧問株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第353号
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