短期予報解説資料1 2016年 4月17日15時40分発表 気象庁 予報部 1.実況上の着目点 ①日本海を発達中の低気圧が東 北東進しており、 温暖前線が北日 本、 寒冷前線が東日本を通過して いる。13 時前後には寒冷前線付 近で 30~40mm/h 前後の雨を観 測。メソサイクロンや雷も検知。 東日本を中心に 20m/s 前後の非 常に強い風を観測し、 北日本から 西日本の波浪計では 3~5m 前後 の高波を観測。また、南西諸島に は前線が停滞しており、 海上では 非常に激しい雨を解析。 2.主要じょう乱の予想根拠と 解説上の留意点 ①1 項①の低気圧は 17 日午後が 発達のピークで 55kt[SW]となり、17 日夜に北海道に接近する。その後、500hPa のトラフが先行し、18 日朝までに閉塞点に発生する低気圧が主となり千島近海を東北東進する。低気圧近傍では気圧の傾き が大きい。東日本や北日本を中心に 18 日朝にかけて暴風や高波に警戒。寒冷前線は 17 日夜にかけて 東日本から北日本を通過する。寒冷前線前面を中心に大気の状態が非常に不安定となる。落雷や竜巻 などの激しい突風、短時間強雨、土砂災害に注意。南西諸島では 18 日にかけて前線が停滞し、850hPa に相当温位 336K 程度の暖湿気の流入が続くため、大気の状態が不安定となる。落雷や突風に注意。前 線の動きが遅いため、同じところで強雨が続き大雨となるおそれがあることに留意。 ②500hPa の5640m 付近のトラフが朝鮮半島付近に接近し、 18 日朝から昼頃に九州付近に中層の湿りや、 弱い降水が予想されている。平成 28 年熊本地震の被災地では、18 日にかけて降水量の予想は少ないた め、18 日にかけては、地盤は徐々に安定化すると考えられるが、これまでの降水によって、数日は 16 日の雨の降り始めよりも前の状態と比較すると、土砂災害の危険度の高い状態が続くことに留意。 3.数値予報資料解釈上の留意点 ①18 日に海上風が弱まる過程では、北海道日本海側北部や西日本の日本海側、本州の太平洋側ではうね りを考慮し、波浪モデルを必要に応じて上方修正。 4.防災関連事項[量的予報と根拠] ①大雨ポテンシャル(18 時からの 24 時間):高い所(100mm 以上)はない。2 項の短時間強雨に注意。 ②波浪(明日まで):北海道・東北 8、北陸 6、関東・伊豆諸島・東海・中国 5m。 ③高潮(明日まで) :北日本や西日本で注意報級のところがある。低気圧の近づく北日本では副振動に も留意。 5.全般気象情報発表の有無 17 時頃に「暴風と高波及び雷に関する全般気象情報」を発表する予定。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。
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