短期予報解説資料1 2016年12月29日15時40分発表 気象庁 予報部 1.実況上の着目点 ① 500hPa・5100m 付近から南に 連なる深いトラフが日本海を東 進しており、29 日 9 時には青森 で 500hPa の気温-30.5℃、松江で -25.1℃を観測。上空への寒気流 入が強まっている。 ② トラフ前面のオホーツク海に は、 発達中の低気圧があって東北 東に進んでいる。 そこからのびる 寒冷前線が東北地方を南下して おり、 衛星可視画像の発達した対 流雲列に対応。 寒冷前線の西~北 側では、 下層寒気移流が強まって おり、29 日 9 時には、850hPa で -6℃以下の寒気が北日本から西日本の日本海沿岸まで南下、日本海で筋状の対流雲域が範囲を広げて いる。北日本では、北海道地方や東北地方北部を中心に 10cm/3h 前後の降雪となっており、北または 西よりの風の強まりとともに波高上昇も顕著。 2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点 ① 寒冷前線が北日本から東日本を通過する 29 日夕方にかけて、前線付近を中心に対流活動の活発な 状態が続く。落雷や突風に注意するとともに、強風や高波、降雪を含む局地的な降水の強まりに注意。 ② 前線通過後、30 日にかけて日本付近は冬型の気圧配置となる。下層で寒気移流が強まり、北海道地 方に 850hPa で-15℃以下、東北地方には-12℃以下、東日本から西日本には-6~-9℃以下の、平年より 3~5℃低い寒気が流れ込む。全国的に強風や高波に注意するとともに、北日本や東日本を中心に局地 的な降雪の強まりやなだれに注意。特に、1 項①のトラフが通過する 29 日夕方から 30 日朝にかけて、 北日本や東日本では、大雪やふぶきによる視程障害、着雪にも注意。 ③ 30 日朝には大陸の高気圧が黄海に中心を移し、西から次第に冬型の気圧配置は緩み始める。31 日 にかけて、日本付近は高気圧に覆われ、西日本や東日本を中心に晴れる所が多い。 3.数値予報資料解釈上の留意点 ① 総観場は最新の GSM を基本とする。降水の種別や分布、強度、風は MSM も参考にする。 4.防災関連事項 [量的予報と根拠] ① 大雪ポテンシャル(18 時からの 24 時間):北陸 40、関東甲信 35、東北 30、北海道 25、近畿 20、東 海・中国 15cm。② 波浪(明日まで):東北・北陸・沖縄 4、その他、関東・九州北部を除き全国的に 3m。 ③ 高潮(明日まで):大潮の時期。北日本の太平洋側やオホーツク海側で、注意報基準超過或いは接近 する所がある。 5.全般気象情報発表の有無 発表の予定はありません 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。
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