短期予報解説資料1 2015年 2月 7日03時40分発表 気象庁 予報部 1.実況上の着目点 ①日本付近はリッジ場に入り、移動性高気圧に おおわれてきた。日本海側の寒気移流による下 層雲は縮小し、降水エコーも消散傾向。 ②黄海にトラフ(500hPa5520~5580m)があり、 その前面で上層雲が広がっている。 ③アムール川中流には、500hPa 5100m 寒冷渦が あって東南東進し、これから 5400m 付近にトラ フがのびている。 ④駿河湾から伊豆諸島にかけて、地上シアーラ インが形成されている。 2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点 ①1 項①のリッジの動きは早く、7 日午後には日本の東に抜け、1 項②のトラフが 8 日未明にかけて西 日本から東日本を通過する。さらに 1 項③の寒冷渦からのびるトラフが深まりながら 8 日朝には朝鮮 半島付近に進む。このため、日本付近は次第に西谷となって、7 日朝には日本海に低気圧が発生し、1 項③のトラフ接近とともに前線(850hPa-6℃付近)を伴って発達しながら北東進し、8 日朝には間宮海峡 付近に達して閉塞する。低気圧からのびる寒冷前線は、日本海を東進し、8 日朝には北陸沿岸に進む。 低気圧は、8 日夜までにはサハリン付近で不明瞭となり、8 日夜には閉塞点上の北海道付近に低気圧が 発生する。寒冷渦からのびるトラフの東進に伴って、8 日は 500hPa-30℃の寒気が日本海沿岸から北日 本に流入し、850hPa-9℃以下の寒気が 8 日日中日本付近に流入する。 ②7 日夜に華中まで進む 500hPa5520~5580m のトラフは、8 日朝には寒冷渦からのびるトラフと位相を 合わせて東進し、8 日夜には東日本に達する見込み。トラフの深まりで 7 日夜以降日本の南で前線 (850hPa0~3℃)が発生し、前線波動は北東進する見込み。 ③2 項①の寒冷前線接近に伴い、8 日は北陸~北日本にかけて、850hPaθe285K の相対的な暖湿気が流 入するため、上空寒気の流入もあいまって、前線近傍では対流雲が発達するおそれがある。また、1 項 ④の地上シアーラインは、1 項②のトラフ接近とともに対流活動が顕在化して降水域が伊豆諸島付近で 広がり、トラフの東進とともに降水域は東海上に抜ける。その後、2 項②の前線波動が伊豆諸島付近を 通過する。南西諸島では 7 日後半にシアーが形成される。前線の暖域側やシアー南側では、850hPaθ e300K の暖湿気が流入するため、対流雲の発達に留意。 ④8 日は、2 項①②の低気圧や前線およびその後に強まる冬型の気圧配置によって全国的に風・波が強 まる。強風・風雪・高波に注意。低気圧近傍の北海道や日本海側を中心に降雪が強まる見込み。 3.数値予報資料解釈上の留意点 ①最新初期値の GSM を基本とするが、FT48 の低気圧位置は不確実性がある。 4.防災関連事項[量的予報と根拠] ①大雪ポテンシャル(06 時からの 24 時間):北海道 15、中国 10cm。②波(明日まで):北陸・山陰 5、 東北・近畿・沖縄 4、北海道・関東・東海・四国・九州・奄美・伊豆諸島・小笠原諸島 3m。 5.全般気象情報発表の有無 発表の予定はありません。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。
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