短期予報解説資料1 2016年10月27日03時40分発表 気象庁 予報部 1.実況上の着目点 ① 500hPa・5400m付近のトラフ通 過後、北日本への寒気移流が強ま っている。26 日 21 時には、稚内上 空 500hPaで-33.5℃を観測。平年よ り 8~9℃程度低く、 12 時間で 3.6℃ の下降。850hPaなど下層でも寒気 移流が強く、北海道では内陸を中 心に 3 時間 5cm前後の降雪となっ ている。また、北海道の沿岸部で は、アメダスで 15m/s以上の強い風 が観測されており、東北地方にか けて波高上昇が顕著。 ② 500hPa・5820m付近の強風帯に 対応して、華中から東シナ海にか けて前線が顕在化。前線に沿って、やや発達した対流雲域が東シナ海を東進。 2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点 ① 1 項①のトラフは、27 日日中にかけて北海道の東に進み、下層では寒気移流が持続する。北海道上 空 850hPa には平年より 5℃以上低い-6℃以下の寒気が流れ込み、27 日日中にかけても、内陸や山沿い を中心に断続的な降雪となる見込み。北海道では、局地的な降雪の強まりに留意。 ② 26 日に北日本を通過したシアーラインは 27 日朝には千島の東に進み、日本付近への直接的な影響 は小さくなるが、北日本では大陸から張り出す高気圧との間で気圧の傾きが大きく、海上を中心に 27 日は 30KT [W] 級の風が吹く見込み。強風や高波に注意。 ③ 1 項③の強風帯を東進する短波のトラフに対応して、28 日朝には東シナ海の前線上に低気圧が発生 する。 500hPa がゾーナル流の中で低気圧は深まることなく東に進み、 28 日夜には瀬戸内海に達するが、 前線や低気圧に向かって 850hPa で 336K 以上の下層暖湿気が流入するため、周辺では大気の状態が不 安定となる。落雷や突風、短時間強雨に注意。局地的には、非常に激しい雨が降るおそれもある。 3.数値予報資料解釈上の留意点 ① 総観場は最新 GSM を基本とするが、FT36 以降西日本に予想される前線や低気圧の位置はやや不確 実。雨や風の分布や強度は MSM も参考にする。 4.防災関連事項 [量的予報と根拠] ① 大雨ポテンシャル(6 時からの 24 時間):高い所(100mm 以上)はないが、2 項の短時間強雨に注意。 ② 波浪(明日まで):北海道 4、東北・近畿・四国・伊豆諸島 3m。 5.全般気象情報発表の有無 発表の予定はありません。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。
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