短期予報解説資料1 2015年 3月25日03時40分発表 気象庁 予報部 1.実況上の着目点 ①寒冷渦直下の地上低気圧は、 北 海道の南東海上を東進。 これに伴 って、 低気圧西側の日本海北部で は気圧の傾きがやや小さくなり、 風も次第に弱まってきたが、 北日 本の日本海側では 4 メートル以 上のしけとなっている所がある。 ②①の寒冷渦のまわりを廻る寒 気トラフ(500hPa 気温 -36℃以 下、24 日 21 時の輪島 -38.3℃) が東日本を通過、 東日本の日本海 側の山沿いでは一時的に雪が強 まり、 積雪が 15cm/3h を超えた所 があるが、 日本海では寒気に伴う 筋状雲が西から減少してきた。 ③黄海の高気圧の縁辺に位置す る先島諸島付近では中下層雲域がひろがっている。 ④モンゴル~中国東北区にはリッジ、華北~華中の内陸部にはトラフがあって、逆位相場を形成して いる。これらは東進している。 2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点 ①26 日にかけ、1 項①の低気圧は、寒冷渦の東進とともに北海道から遠ざかる。黄海の高気圧は、1 項 ④の逆位相場の中で上空の流れが比較的淀むため、動きは遅くゆっくり東進する。 ②25 日は、低気圧の東進とともに冬型の気圧配置が次第に緩むが、上空の寒気(500hPa -30℃以下)の 寒気が北・東日本に、下層寒気(850hPa-6℃以下)が近畿以東に残る。北日本日本海側を中心に風雪や 高波に注意。一方、北陸以西でも 24 日に日本海北部で発生した高波を起源としたうねりが 25 日に達 する見込みでうねりを伴った高波に注意。また、北・東日本の山沿いでは局地的な短時間降雪に注意。 ③26 日は、冬型の気圧配置は緩み寒気が日本の東へ抜けるが、高気圧の縁辺に位置する東シナ海や先 島諸島では 1 項④のトラフ接近で降水域が次第に広がる。先島諸島では下層暖湿気(可降水量 30mm 台) が流入しており、局地的な短時間強雨に留意。 3.数値予報資料解釈上の留意点 ①最新の GSM を基本に考えるが、寒冷渦周辺の低気圧の予想については不確実性がある。また、1 項④ の逆位相場の中でトラフの東進がやや遅くなった。 4.防災関連事項[量的予報と根拠] ①大雪・大雨ポテンシャル(06 時からの 24 時間): 特に高い所はないが、2 項の短時間降雪・強雨に留 意。②波(明日まで):北日本・北陸・沖縄 4、近畿北部・東海・伊豆諸島 3m。 5.全般気象情報発表の有無 発表の予定はない。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。
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